高血圧への誤解と真実:健康を守るために知っておきたいこと【高血圧のいろはを理学療法士が解説します】
田舎の民間病院で理学療法士として勤務しているぴぴです。
みなさまにひとつでもためになるような知識や情報をお届けしていきたいと思います。
医療現場で働く中で、高血圧について正しく認識していただけているものもあれば、みなさんに誤解されている内容もあると感じます。
本記事では、高血圧に関する誤解と偏見について、一問一答形式で解説していきます。
高血圧に関する誤解
誤解① 高血圧は症状がなければ問題ない
Answer
高血圧は「サイレントキラー」という別名がつけられており、自覚症状が少ない病気のひとつです。
自覚症状がないために、高血圧であることに気付かずに過ごしている方がとても多いのですが、そのままにしておくと、心臓病や脳血管障害(脳梗塞や脳出血)など、重篤な後遺症が残るような疾患に発展していくことがあります。
誤解② 血圧が少し高いだけなら問題ない
Answer
「少し」の程度って、人それぞれですよね。一般的には収縮期血圧(いわゆる上の血圧)が140mmHgを超えると高血圧となります。(詳しくはこちらの記事もご参照ください)
血圧が高いという状態が長く続くことで、血管や心臓にも負担がかかるため、基本的には
正常血圧:収縮期血圧が120 mmHg未満、拡張期血圧が80 mmHg未満
を維持できていることが望ましいです。
誤解③ 年齢を重ねると血圧が上がるのは自然なこと
Answer
年齢とともに血圧が上がるといわれる要因は、動脈硬化の進行や運動量の低下が関係しています。
若い頃と比べると、血管の弾力性が低下し、身体を動かす機会も減る傾向にあるため、結果的に血圧が高くなることに繋がりやすいといえます。
血管年齢は、生活習慣の見直しで改善できる部分もあるので、年齢を言い訳にせず、日頃から適切な管理をしていくことが必要です。
高血圧患者さんに対する偏見
偏見① 高血圧の人は不健康
Answer
高血圧患者さんの中には、遺伝的要因や内服しているお薬などが原因で発症している方もいます(二次性高血圧といいます)。高血圧だからといって必ずしも生活習慣に問題があるわけではありません。
偏見② 一度薬を飲み始めると一生やめられない
Answer
血圧管理の基本は、やはり生活習慣の改善です。お薬は一度飲み始めても、経過がよければ減らしたりやめたりといった判断を医師とともにしていきます。
偏見③ 高血圧を告白すると仕事や生活に影響がある
Answer
高血圧だからといって日常生活や仕事に大きな支障はありません。しかし、急激な血圧の変動が伴う作業などは注意しておく必要があります。
まとめ
高血圧に対して、誤解をされていた方もいらっしゃったのではないでしょうか?
高血圧は生活習慣の改善や内服治療でコントロールできる病気のひとつです。
正しい知識を持ちながら、信頼できる医師とともに治療を進めていきましょう。