血圧の基準値はどれくらい?【知っているようで知らない血圧について理学療法士が解説します】
田舎の民間病院で理学療法士として勤務しているぴぴです。
みなさまにひとつでもためになるような知識や情報をお届けしていきたいと思います。
前回の記事で、血圧とはいったいなんなのか?というお話をさせていただきました。
今回は、高血圧とはどのくらいの数字のことを指すのか解説していきます。
血圧の単位について
血圧の単位はmmHg(ミリメートル・エイチ・ジー もしくは ミリ水銀/水銀柱)で表します。
Hgとは、化学記号で水銀を示す記号であり、どれだけの水銀を押し上げられる圧力がかかっているのかを数値で表しています。
水俣条約および水銀汚染防止法などにより、水銀血圧計・水銀体温計の製造が禁止されることになったため、最近では医療機関で水銀血圧計を見かけることが少なくなりましたが、かつては水銀柱の動きによって血圧を測定しており、単位にもその名残りがありますね。
一般的な血圧の基準値について
血圧の基準値について確認していきましょう。
血圧を測ると、収縮期血圧(大きい方の数値)と拡張期血圧(小さい方の数値)の2つの数字が記載されていることにお気づきでしょうか。
まずは、この2つの数値の意味について考えていきましょう。
収縮期血圧(大きい方の数値)
心臓がドキンと収縮して血液を血管に送り出すときに、血管にかかる最大の圧力を示します。
【収縮期血圧が高い場合に考えられること】
- 心臓が強く血液を押し出している
- 動脈が狭くなっている
拡張期血圧(小さい方の数値)
心臓がドキンと収縮して血液を送り出したあと、元の大きさに広がりながら心臓の中に血液を受け入れるときに、血管にかかる圧力の最小の圧力を示します。
【拡張期血圧が高い場合に考えられること】
- 動脈が狭くなっている
血圧の基準値とは
一般的な血圧の分類は次の通りです。
正常血圧:収縮期血圧が120 mmHg未満、拡張期血圧が80 mmHg未満
正常高血圧(前高血圧):収縮期血圧が120〜129 mmHg、拡張期血圧が80 mmHg未満
高血圧(1度):収縮期血圧が130〜139 mmHg、拡張期血圧が80〜89 mmHg
高血圧(2度):収縮期血圧が140〜159 mmHg、拡張期血圧が90〜99 mmHg
高血圧(3度):収縮期血圧が160 mmHg以上、拡張期血圧が100 mmHg以上
高血圧とはどんな状態なのか
高血圧とは、
- 心臓から一度に送り出される血液の量が多い
- 血管の通り道が狭くなっていて通りが悪い
などの原因により、血管にかかる圧力が大きくなってしまう状態のことです。
普段から血液の流れに伴って一定の圧力はかかっているのですが、圧力が過度に高くなってしまうと、血管や心臓へダメージを与えてしまう可能性があります。
高血圧は「静かな殺し屋」とも言われており、無症状であることがほとんどですが、深刻なリスクの要因となることもあります。
定期的な血圧チェックを行い、医師の指導に従いながら、血圧のコントロールを心がけましょう。
まとめ
血圧を測るときに、「高いですね〜」「ちょうどいいですね〜」とコメントをもらうことはあっても、いくつなら高いのか?2つの数値が何を示しているのかは知らなかったという方も多いかもしれませんね。
心臓の拍動に伴い、血管にかかる圧力が大きくなったり小さくなったりしているということが伝わりましたでしょうか。
いつまでも元気でいるためには血圧の管理も必要となるため、セルフチェックも行いながら日頃のご自身の状態を把握していきましょう。