高血圧患者さんは脳卒中のリスクが高くなる?【高血圧のいろはを理学療法士が解説します】
田舎の民間病院で理学療法士として勤務しているぴぴです。
みなさまにひとつでもためになるような知識や情報をお届けしていきたいと思います。
血圧が高いとなんとなく健康上良くないということは理解できても、どんな影響があるのかははっきりとわからないという方も多いのではないでしょうか。
高血圧が引き起こす健康上のリスクをひとつずつ解説していきます。
高血圧が原因で起こりうる主な病気
高血圧になると、以下のような病気のリスクが高くなるといわれています。
- 心臓の病気
- 脳の病気
- 腎臓の病気
- 目の病気
- 胸部・腹部の病気
- 足の病気
本記事では、高血圧が引き起こす脳の病気に着目していきましょう。
脳の病気について
高血圧が原因となる、健康上の大きなリスクとして、脳血管障害(脳梗塞・脳出血など)が挙げられます。
脳の血管に強い圧力でダメージを与え続けることにより、血管の内側が狭くなったり、血栓ができたりすると、発症リスクが高くなります。
脳梗塞
高血圧状態が続くと、動脈硬化が進行しやすく、血液の通り道である血管の内側が狭くなってしまうことで血流が悪くなったり、何らかの理由で血管の中に血のかたまり(血栓)ができた場合に血管を塞いでしまいやすくなります。
血栓で血管を塞いでしまうと、塞いだ先の脳細胞に血液が届かず、脳細胞がダメージを受けてしまいます。
脳梗塞は日本人の死因の上位を占めていて、迅速な治療により命が助かっても、手足や顔面の麻痺・呂律が回らないなどの後遺症が残ることが多いのが実状です。
脳出血
高血圧によってダメージを受けた血管が破れてしまうと、脳出血を起こす可能性があります。
脳梗塞と同様に、手足の麻痺や意識障害などの後遺症が残ることが多いです。
脳出血の発症原因は血圧管理が不十分だった場合が多く、継続的な血圧コントロールをしていくことが必要となります。
くも膜下出血
脳血管の一部分にできた瘤(こぶ)のことを動脈瘤といい、高血圧によりその瘤(こぶ)へ強い圧力がかかることで破裂するとくも膜下出血となります。
高血圧の方は、適切に血圧が管理されている方と比較すると、くも膜下出血による死亡リスクは約3倍(男性:2.97倍 女性:2.70倍)になります。
生活習慣に加えて、くも膜下出血のリスク回避のためには急激に血圧が上がったり下がったりすることにも注意が必要です。
まとめ
脳血管に関する病気は、突然発症して半身不随などの後遺症のリスクが残る場合もあり、発症後にはライフスタイルが大きく変わる可能性があります。
高血圧だけが原因ではありませんが、予防できる部分として普段から血圧管理を心がけましょう。