骨粗鬆症って知っていますか? 骨の中で何が起こっているのか、理学療法士がお伝えします!
田舎の民間病院で理学療法士として勤務しているぴぴです。
みなさまにひとつでもためになるような知識や情報をお届けしていきたいと思います。
骨粗鬆症って知っていますか?
骨粗鬆症(こつそしょうしょう)ということばを聞いたことはありますか?
最近では骨粗鬆症対策のサプリメントが販売されていたり、ロコモティブシンドローム(運動器症候群)対策を啓発されていたりして、具体的にはわからなくても、目にしたり、耳にしたりする機会が増えたのではないかと思います。
骨粗鬆症とは、骨密度の低下により、骨が脆くなってしまう病気です。
わたしたちの活動を支えてくれている大切な骨が、骨粗鬆症により脆くなってしまうとどんなことが起こるのでしょうか?
本記事では、骨の仕組みと、骨粗鬆症の概要について解説します。
骨の仕組み
「骨」とひとくちに言っても、役割によっていろんな名前がついています。
骨をパカっと割った図を載せているのでご覧いただきたいのですが、骨組織は主に「皮質骨」と「海綿質」の2つにわけられています。
皮質骨(ひしつこつ)
外側の硬い部分で、骨の強度と形を保ちます。
海綿質(かいめんしつ)
皮質骨の内側にあるスポンジ状の部分です。
スポンジ状になっていることで、歩く・走るなどの動きに伴う衝撃を吸収しやすくなっています。
またスポンジ状になっているスキマには、赤血球や白血球などの血液細胞を作り出す役割のある骨髄があります。
骨は小児期〜思春期に大きく成長し、最大の骨密度に達するのは20〜30歳代といわれています。
ところが、年齢とともに骨を造りだす機能が低下してしまうため、骨密度は徐々に低くなってしまいます。
骨粗鬆症が発症する仕組み
骨にも代謝機能が備わっているのはご存知ですか?
常に新しい骨の成分を作りだし(骨形成)、古くなった組織を取り除く(骨吸収)機能:「骨のリモデリング」があります。このサイクルがあることで、常に新しく丈夫な骨を維持しています。
ところが、年齢とともにこのサイクルが乱れてくると、新しい骨が作られるスピードが、古い骨を取り除くスピードに追いつかなくなってしまいます。
徐々に体内の骨の量が少なくなってしまうことで、結果的には骨密度の低下、すなわち骨がスカスカになってしまうということが起こってしまいます。
この、骨がスカスカになってしまう状態を骨粗鬆症といいます。
まとめ
骨の仕組みや骨粗鬆症がなぜ起こるのかについて解説してきました。
骨にも代謝があって、日々生まれ変わっているため、骨形成と骨吸収のバランスが崩れてくると、徐々に骨粗鬆症が進行してしまいます。
骨粗鬆症が進行して骨がスカスカになると、骨折しやすくなる、腰が曲がってしまう、などのリスクが高くなってしまうため、予防や対策に一緒に取り組んでいきましょう。