高血圧をほったらかすと心臓にも悪影響が!【高血圧のいろはを理学療法士が解説します】
田舎の民間病院で理学療法士として勤務しているぴぴです。
みなさまにひとつでもためになるような知識や情報をお届けしていきたいと思います。
ここまでの記事で、高血圧には本態性高血圧と二次性高血圧の2種類があるとお伝えしてきました。
血圧が高いとなんとなく健康上良くないということは理解できても、どんな影響があるのかははっきりとわからないという方も多いのではないでしょうか。
高血圧が引き起こす健康上のリスクをひとつずつ解説していきます。
高血圧が原因で起こりうる主な病気
高血圧になると、以下のような病気のリスクが高くなるといわれています。
- 心臓の病気
- 脳の病気
- 腎臓の病気
- 目の病気
- 胸部・腹部の病気
- 足の病気
本記事では、高血圧が引き起こす心臓の病気に着目していきましょう。
心臓の病気について
高血圧が心臓に与える影響はかなり深刻なものとされています。
動脈硬化
高血圧は血管のの内壁にダメージを与えやすく、動脈硬化を引き起こします。
動脈硬化が進行すると、血管が狭くなって血液の流れが悪くなるため、心臓への血流も減少し、心臓に負担がかかります。
心筋梗塞(心臓発作)
高血圧による動脈硬化や血栓形成が進行すると、冠動脈といわれる心臓の筋肉に栄養を送る動脈が詰まってしまい、これにより心筋梗塞を起こすリスクが高まります。
冠動脈が閉塞し、心臓の筋肉に酸素が届かなくなることで心臓の一部分が壊死してしまう状態を心筋梗塞といいます。
心筋梗塞は吐き気や冷や汗を伴う、締め付けられるような激しい痛みが特徴で、命の危険がかなり高いため、即座に治療が必要となります。
心不全
心不全とは、心臓の機能が低下し、十分な血液を全身に送り出すことができない状態を指します。
先に述べたように、高血圧に伴い動脈硬化や心筋梗塞のリスクが高まりますが、高くなった血圧に負けないように血液を送り出そうとしている心臓にはさらに負担がかかります。
負担を一手に引き受けるために心筋が過剰に働き、心臓の壁が厚くなってしまうと、心臓のポンプ機能がうまく働かなくなってしまい、心不全となります。
心不全になると、息切れやむくみが起こり、生命を縮めてしまう可能性が高くなります。
不整脈(心臓のリズム異常)
普段、規則正しいリズムで血液を送り出している心臓ですが、なんらかの理由で心臓への指令に乱れが生じると、心臓の拍動リズムが不規則になることがあり、これを不整脈といいます。
高血圧状態が続くと心臓の負担が増え、不整脈を引き起こし、心臓の正常な機能を妨げます。
脳卒中・脳血管障害
高血圧状態が長く続くと、動脈硬化が進行し、脳の血管が詰まってしまうと脳梗塞になります。
また、血管に負担がかかり、破れてしまうこともあります。脳内の血管が破れてしまうことを脳出血といいます。
脳血管の一部分にできた瘤(こぶ)のことを動脈瘤といい、破裂するとくも膜下出血となります。
このような、脳血管に関する症状・病態をまとめて脳卒中や脳血管障害と呼びます。
脳梗塞・脳出血・くも膜下出血いずれも生命危機の高い状態となります。初期段階から最適な治療が行われても、半身麻痺などの後遺症が残ることも多いです。
まとめ
高血圧を治療せずに放っておくことで、動脈硬化が進行しやすくなり、動脈硬化が起因して様々な心臓の病気が引き起こされる可能性があるということがご理解いただけたと思います。
普段から血圧を測る習慣をつけたり、生活習慣を見直すことで、早いうちから血圧管理を意識していきましょう。