高血圧の原因は?〜二次性高血圧とは〜【知っているようで知らない血圧について理学療法士が解説します】
田舎の民間病院で理学療法士として勤務しているぴぴです。
みなさまにひとつでもためになるような知識や情報をお届けしていきたいと思います。
日頃から生活習慣には気をつけていたし、運動も適度に行っていたけれど、病院で高血圧といわれちゃった・・・
高血圧は、生活習慣の乱れなどが主な要因とされている本態性高血圧と、原因のはっきりしている二次性高血圧の2種類にわけられます。
本記事では、日本人の高血圧の10〜20%を占める二次性高血圧について解説していきます。
二次性高血圧とは
二次性高血圧とは、原因疾患や薬の副作用が原因で起こる高血圧です。
本態性高血圧とは異なり、お薬では効果が出づらいのですが、原因がはっきりしているため、二次性高血圧を引き起こす原因を取り除けば血圧が安定します。
二次性高血圧と診断するには
本態性高血圧患者さんが圧倒的に多いため、一般診療では二次性高血圧であることに気づかれず、血圧を下げるためのお薬を処方されるケースも少なくありません。
特に、
- 40歳未満の若年で発症した高血圧
- 急速に進行する高血圧
- 複数の薬剤を内服してもコントロールできない難治性高血圧
- 血圧変動の激しい高血圧
- 電解質の異常を伴う高血圧
- 心肥大や腎障害などの臓器障害の進行が早い高血圧
では二次性高血圧の可能性も考慮しながら診断を受ける必要があります。
二次性高血圧の主な原因
ホルモン分泌異常
代表的な二次性高血圧で、アルドステロンという血圧上昇作用のあるホルモンが過剰に分泌されることによって起こります。
原発性アルドステロン症やクッシング症候群、副腎髄質にできる腫瘍などが原因に挙げられます。
睡眠時無呼吸症候群
呼吸が浅くなったり停止したりすることで低酸素状態が続くことや、交感神経の亢進が関係しているといわれています。
いびきや肥満、日中の眠気なども伴う場合は、簡易モニターやポリソムノグラフィー検査により診断します。
腎臓疾患
腎動脈が狭くなり、腎臓への血流が少なくなることで血圧調整作用のあるレニンという酵素が分泌されます。
レニンの分泌により、血圧を上昇させるアンジオテンシンⅠ・Ⅱというホルモンが活性化され、血圧が上昇します。
腎動脈が狭くなる主な要因は動脈硬化ですが、その他にも腎臓への血流が少なくなる原因に腎機能低下や慢性糸球体腎炎、多発性嚢胞腎などが挙げられます。
薬剤の副作用
血圧を下げるお薬以外のお薬の副作用で起こる高血圧を薬剤誘発性高血圧といいます。
注意すべきお薬の種類としては、
- 非ステロイド性抗炎症薬
- ステロイド薬
- 漢方薬
- 経口避妊薬
- 交感神経刺激薬
などが挙げられます。
内服の中止や変更が可能な場合は第一選択として実施しますが、中止や変更が困難な場合には血圧を下げるお薬を追加することもあります。
まとめ
二次性高血圧は原因がはっきりしているという点で、治療や血圧コントロールも行いやすいのが特徴です。
初期段階で二次性高血圧を発見し、専門医とともに適切に治療を進めていきましょう。