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年末年始の帰省や旅行〜乳幼児と安全に過ごすために〜

山中龍宏小児科医/NPO法人 Safe Kids Japan 理事長
(写真:アフロ)

 今年も残すところ一週間となった。年末年始を故郷などで過ごす人も多いだろう。例年この時期になると、「年末年始に乳幼児を連れて帰省する場合の注意点を聞かせてほしい」という取材依頼をいただく。そこで今回は、主に0歳から3歳くらいの子どもを連れて安全に帰省・旅行をするためのポイントをお伝えしたい。

 自宅では子どもの安全を最優先に考慮した環境を整えていても、帰省先や旅行先ではむずかしい、という場合もあろう。そのような場合にどうすればよいかを、過去に執筆したYahoo!ニュース(個人)の記事を中心にまとめてみた。まず以下のチェックリストを確認し、もしあてはまる場合は、チェックリストの下方にある資料を参照していただきたい。各項目に関連した情報のリンクを載せているので、それらの情報を参考に、対策をとっていただければ幸いである。

1 自動車

□駅や空港まで実家の車に迎えにきてもらうが、実家の車にはチャイルドシートが付いていない

□実家にいると家族や親戚が多く、子ども全員が車に乗ったかどうか確かめずに発車することがある

□寒いので、子どもはコートを着せたままチャイルドシートに座らせている

□豪雪地帯の実家では、子どもを車に乗せてから除雪作業をしている

2 自転車

□ヘルメットは使用頻度が低いので持っていない

□実家の自転車にはチャイルドシートが付いていないので、子どもを抱っこひもで抱っこして自転車に乗っている

□実家の自転車には、スポークに足が挟まれないためのカバーは付いていない

3 溺れ

□実家の両親は高齢のため、浴室の床から浴槽の縁までの高さが50cm未満の浴槽を使用している

□災害対応のため、浴槽にはいつも水を溜めている

□浴室入口ドアの高い位置にチャイルドロックがない

4 やけど

□電気ケトルは、湯漏れ防止機能付きではない

□キッチンの入口にベビーゲートがない

5 危険なものを飲み込む

□コイン型電池が見える場所に置かれている

□実家の両親が日頃飲んでいる薬が見える場所に置かれている

6 転落

□2階の窓のすぐ下にソファが置いてある

□2階のベランダに出る窓の高い位置に補助錠(ストッパー)が付いていない

□階段の上下にベビーゲートが付いていない

7 窒息・気道異物

□ミニトマト・巨峰など大粒のぶどう・みたらし団子などを、そのまま子どもに食べさせることがある

□乾いたピーナッツを食べさせることがある

8 ブラインドのコード

□実家ではカーテンのタッセルを使っており、また、ブラインドの操作用コードは床まで垂れ下がっている

9 ペット

□実家では、家の中で犬を飼っている

1 自動車

□駅や空港まで実家の車に迎えにきてもらうが、実家の車にはチャイルドシートが付いていない

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□実家にいると家族や親戚が多く、子ども全員が車に乗ったかどうか確かめずに発車することがある

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□寒いので、子どもはコートを着せたままチャイルドシートに座らせている

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□豪雪地帯の実家では、子どもを車に乗せてから除雪作業をしている

雪で埋まった場合の一酸化炭素中毒の危険性とは?

 クルマ何でも質問箱 JAF

2ルームテント内での一酸化炭素による中毒

 日本小児科学会 Injury Alert(傷害速報)

2 自転車

□ヘルメットは使用頻度が低いので持っていない

・自転車からの転倒

□実家の自転車にはチャイルドシートが付いていないので、子どもを抱っこひもで抱っこして自転車に乗っている

赤ちゃん抱っこで乗るのはNG!?「子供乗せ自転車」のヒヤッとする瞬間とは?

 小学館 HugKum Safe Kids Japan

□実家の自転車には、スポークに足が挟まれないためのカバーは付いていない

スポーク外傷にご注意ください

 政府広報オンライン

3 溺れ

□実家の両親は高齢のため、浴室の床から浴槽の縁までの高さが50cm未満の浴槽を使用している

□災害対応のため、浴槽にはいつも水を溜めている

□浴室入口ドアの高い位置にチャイルドロックがない

浴槽への転落による溺れ

 Safe Kids Japan

・浴槽での溺れ

 Safe Kids Japan

4 やけど

□電気ケトルは、湯漏れ防止機能付きではない

□キッチンの入口にベビーゲートがない

子どものやけどを予防するために

 Safe Kids Japan

5 危険なものを飲み込む

□コイン型電池が見える場所に置かれている

□実家の両親が日頃飲んでいる薬が見える場所に置かれている

・ボタン電池の誤飲

 Safe Kids Japan

・怖いのはどっち?

 Safe Kids Japan

6 転落

□2階の窓のすぐ下にソファが置いてある

□2階のベランダに出る窓の高い位置に補助錠(ストッパー)が付いていない

□階段の上下にベビーゲートが付いていない

・階段からの転落

7 窒息・気道異物

□ミニトマト・巨峰など大粒のぶどう・みたらし団子などを、そのまま子どもに食べさせることがある

タピオカによる誤嚥の危険性

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食べ物による窒息(喉に詰まる)

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□乾いたピーナッツを食べさせることがある

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8 ブラインドのコード

□実家ではカーテンのタッセルを使っており、また、ブラインドの操作用コードは床まで垂れ下がっている

カーテンの留め紐による縊頸

 日本小児科学会 Injury Alert(傷害速報)

類似事例

 日本小児科学会 Injury Alert(傷害速報)

9 ペット

□実家では、家の中で犬を飼っている

犬による咬傷

 日本小児科学会 Injury Alert(傷害速報)

小児科医/NPO法人 Safe Kids Japan 理事長

1974年東京大学医学部卒業。1987年同大学医学部小児科講師。1989年焼津市立総合病院小児科科長。1995年こどもの城小児保健部長を経て、1999年緑園こどもクリニック(横浜市泉区)院長。1985年、プールの排水口に吸い込まれた中学2年生女児を看取ったことから事故予防に取り組み始めた。現在、NPO法人Safe Kids Japan理事長、こども家庭庁教育・保育施設等における重大事故防止策を考える有識者会議委員、国民生活センター商品テスト分析・評価委員会委員、日本スポーツ振興センター学校災害防止調査研究委員会委員。

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