絶対に食べておかねばならない 青森のラーメン「基本」3軒
青森市は個性豊かなラーメンの街
青森県は意外にもラーメン店の数が多い、ラーメン文化がある場所。カップラーメンの消費量は全国でもトップクラス。津軽地域の「津軽煮干ラーメン」や、南部地域の「八戸ラーメン」など、地域ごとに古くから根付く個性的なラーメンも数多い。
青森県の中でも個性豊かなラーメンが楽しめる街が青森市だ。青森市民は大のラーメン好きで、市内には200軒以上のラーメン店がある。今回は青森市で長年愛されている老舗のラーメン店を厳選してご紹介しよう。これらのラーメンを食べずして青森のラーメンは語れない。
焼干しが香る青森伝統の味『くどうラーメン』(1948年創業)
創業は戦後間もない1948(昭和23)年。青森市内でいち早くラーメンを提供した老舗が『くどうラーメン』(青森県青森市新町1-14-14)だ。元々は市場で働く人のために朝から営業する蕎麦店として開業し、後にラーメン専門店となった。令和に入って再開発で移転したが、70年以上愛されたラーメンの味は変わらない。
油分の浮かないすっきりと澄明なスープの肝になるのが、青森特産である鯵の焼干し。昆布とともに取った魚介系の出汁に、青森シャモロックの鶏ガラや豚骨で取った動物系スープを優しく合わせる。自家製の中細縮れ麺は2玉から少なめまで量を選ぶことが出来る。古き良き青森のラーメンの味を今も伝える店だ。
唯一無二のネギラーメン『あさ利』(1969年創業)
創業は1969(昭和44)年。青森駅から約3km、国道4号線沿いに佇む『あさ利』(青森県青森市栄町1-6-8)は、開店前から行列が出来る人気の老舗。当初はメニューも豊富にあり、暖簾には今も「餃子の店」と書かれているが、現在は麺類3種と炒飯のみとシンプルなメニュー構成で営業している。
この店を訪れる客のほとんどが注文する名物が「ネギラーメン」。鶏ガラベースのラーメンの上には、自家製ラー油で炒めたネギと短冊切りのチャーシューがたっぷりと乗る。辛さは1〜5までの5段階から選べるが、この店では1が一番辛くて5が一番辛くない。基本の辛さの1/2が2で1/3が3という意味なので気をつけよう。
客の遊び心から生まれた味『味の札幌 大西』(1991年創業)
味噌ラーメンにカレーと牛乳を合わせた、青森発祥のご当地ラーメン「味噌カレー牛乳ラーメン」を提供する店が『味の札幌 大西』(青森県青森市古川1-15-6)。1968(昭和43)年に青森市で創業した『味の札幌』(閉業)の味を受け継ぐ店として、1991(平成3)年に開業した。
1970年代に『味の札幌』で客の遊び心から味噌ラーメンにカレーと牛乳を入れることが流行り、1978(昭和53)年にメニュー化。地元青森産の牛乳とカレー粉、味噌ダレを、鍋で炒めたモヤシとスープを丼で合わせる。一見ジャンクなラーメンに感じるが、思いのほかマイルドでクセになる味わいはついつい後をひく。
いずれの店も青森のラーメンを語る上で欠かすことが出来ない老舗ばかり。青森でラーメンの食べ歩きをする時には、新しい店ばかりではなく老舗も立ち寄って欲しい。青森のラーメンの底力を感じること間違いなしだ。
※写真は筆者によるものです。
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