絶対に食べておかねばならない 新横浜ラーメン博物館「最新」3軒
全国のご当地ラーメンが集結する『新横浜ラーメン博物館』
「全国各地のラーメンを飛行機に乗らずに食べに行ける」をコンセプトに世界初のフードテーマパークとして、1994(平成6)年に開業した『新横浜ラーメン博物館』(神奈川県横浜市港北区新横浜2-14-21)。全国各地のご当地ラーメンや海外のラーメンの調査と紹介をはじめ、ラーメンを一つの食文化として捉えて様々なアプローチで取り組んできた。
現在、『新横浜ラーメン博物館』に出店しているラーメン店は8軒。北は北海道から南は九州沖縄まで、全国のご当地ラーメンが一ヶ所で食べられるとあって、何軒もハシゴする人も少なくない。もちろん出店している全ての店が美味しいのは言うまでもないが、今回は2024年にオープンしたばかりの新しい3軒をご紹介しよう。
味噌ソムリエが作る新感覚味噌ラーメン『博多文福』(福岡県・味噌)
『新横浜ラーメン博物館』開業30周年を記念して開催されたラーメンコンテスト『ラーメン登龍門』で優勝し、2024年8月から一年間の期間限定で出店中なのが、福岡に本店を構える『博多文福』。豚骨ラーメンばかりの福岡に味噌ラーメンを根付かせたいと、2021年にオープンした福岡の味噌ラーメン専門店で、店主は『博多一風堂』で長年海外展開などを指揮してきたベテラン中のベテランだ。
味噌ソムリエの資格も持つ店主は、味噌本来の風味や麹の味わいを損なわないよう、敢えて味噌には熱を加えずに生味噌のままラーメンに使い、スープの熱で味噌の味わいが少しずつ変化していくように設計されている。福岡県産「ミナミノチカラ」を100%使った麺は、太平打ち麺と細縮れ麺の2種類の形状の麺をミックスして提供。口の中で踊るような食感の違いを楽しむことが出来る。
福岡で屈指の行列を誇る豚骨ラーメン『博多一双』(福岡県・豚骨)
2024年6月、新たなレギュラー店舗として登場したのが、豚骨ラーメンの街博多で連日大行列を作る人気店『博多一双』。白濁したスープの豚骨ラーメンとして知られる博多ラーメンだが、そのスタイルは店ごとに異なる。数ある博多ラーメンの中でも『博多一双』は濃厚でパンチのあるタイプのラーメンで、特徴は骨を継ぎ足しながら炊いていく熟成豚骨スープだ。
食欲を誘う豚骨の香りと深いスープの旨味は唯一無二の味わい。スープの表面一杯に敷きつめられた細かな脂泡はブレンダーで泡立てたものではなく、寸胴の中で自然に生まれたもの。そのビジュアルからいつしか「豚骨カプチーノ」と呼ばれるようになり、「泡系」と呼ばれる博多ラーメンの新たなトレンドを生み出した。これからの博多ラーメン界を牽引していくトップランナーだ。
伝説の家系ラーメンが進化して復活『六角家 1994+』(神奈川・豚骨醤油)
1994年『新横浜ラーメン博物館』の開業時に地元横浜代表として出店し、全国に「横浜家系ラーメン」の名を知らしめた『六角家』。惜しまれつつ本店は2017年に閉店してしまったが、2024年に本店の味を継承する形で復活したのが『六角家 1994+』。創業者が認めた弟子がその暖簾と味を受け継ぎ、さらに進化させた家系ラーメンを提供している。
使用する食材は当時と同じだが、寸胴ではなく大きな回転釜でスープを炊くことで、より力強く洗練された豚骨スープに仕上がっている。近年、醤油ダレが強いパンチのある家系ラーメンが主流となりつつあるが、『六角家』のラーメンはスープと醤油ダレ、そして鶏油のバランス重視型。伝統の味をベースにしつつも今の時代に合わせて進化した、新しい『六角家』の味を楽しむことが出来る。
今回ご紹介した3軒は、いずれも2024年にオープンした店ばかりだが、いずれも実力と経験のある店なので間違いのない美味しさだ。他にも『新横浜ラーメン博物館』には、様々な地方の様々な味のラーメンがあるので、全国のご当地ラーメンの奥深さと幅の広さを体感して欲しい。
※写真は筆者によるものです。
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