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海自護衛艦いずも、軽空母化改修が着々と進行中 今後3年間はJMU磯子工場ドック入り(動画付き)

高橋浩祐米外交・安全保障専門オンライン誌「ディプロマット」東京特派員
海自護衛艦「いずも」の軽空母化改修はJMU磯子工場で着々と進行中(高橋浩祐撮影)

海上自衛隊護衛艦「いずも」にF35B戦闘機を搭載できるようにするための大掛かりな軽空母化改修工事がジャパンマリンユナイテッド(JMU)横浜事業所磯子工場で着々と進行している。

海上幕僚監部広報室によると、海自横須賀基地を母港とする「いずも」は2024年11月1日に横浜市磯子区の同工場に入渠し、2回目の軽空母化改修が始まった。丸1カ月が経った12月2日午後、筆者が対岸の磯子海づり施設近くの岸壁から「いずも」を見ると、艦首や艦尾部分の飛行甲板や艦橋に大型クレーンやその他構造物が既に設置されていた。

海自史上最大の艦艇であるいずも型ヘリコプター搭載護衛艦の「いずも」と「かが」の軽空母化改修は、5年に一度実施される大規模な定期検査を利用して、それぞれ2回にわたって行われている。

●「いずも」は今年度から艦首改造に着手

「いずも」の1回目の改修は2021年6月にJMU横浜事業所磯子工場で終了した。具体的には、特殊な塗装などによる飛行甲板の耐熱処理工事や誘導灯の設置などが行われた。飛行甲板には艦首から艦尾まで1本の黄色い標示線(トラムライン)も引かれた。

「いずも」の2回目の改修は今年度から始まり、F35Bの発着艦を可能にするため、艦首形状を矩形(くけい)に変更する大規模工事を予定している。今年度防衛予算では艦首変更のための本体改造費に409億円、着艦誘導装置に6億円などが計上された。

海上幕僚監部広報室によると、「いずも」の軽空母化改修は2027(令和9)年度中にすべて終了する予定だ。それまでの今後3年間は同工場でドック入りしたままになるという。

●「かが」の2回目改修は2026年度から実施

海自呉基地を母港とする「かが」は2021年度末から広島県呉市のJMU呉事業所で1回目の改修が始まった。そして、「いずも」に先駆けて艦首が矩形に改修され、前甲板部分が以前と大きく変わった姿で2023年4月20日に初めてドックを出た。「かが」の2回目の改修は2026年度から実施される。

「かが」は2028(令和10)年度までに改修を終える予定だ。

艦首が矩形に改修された護衛艦かが(2023年11月13日に「呉湾艦船めぐり」撮影、提供)
艦首が矩形に改修された護衛艦かが(2023年11月13日に「呉湾艦船めぐり」撮影、提供)

防衛省は10月21日、アメリカ西海岸のカリフォルニア州サンディエゴ沖でアメリカ軍のステルス戦闘機F35Bが「かが」への初めての着艦に成功したとSNSのX(旧ツイッター)で発表した。2021年10月にF35Bの発着艦試験に成功した「いずも」に続き、いずも型護衛艦2隻の軽空母化に向けた歴史的な大きな一歩を踏んだことになる。

(関連記事:アメリカ軍のF35B戦闘機、海自護衛艦「かが」での初めての着艦試験に成功――軽空母化への大きな一歩

防衛省と海上自衛隊はこの改修工事を「特別改造工事」と呼んでいる。筆者はいずも型護衛艦の大きさなどに照らし、「軽空母化改修」と呼んでいる。

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米外交・安全保障専門オンライン誌「ディプロマット」東京特派員

英軍事週刊誌「ジェーンズ・ディフェンス・ウィークリー」前東京特派員。コリアタウンがある川崎市川崎区桜本の出身。令和元年度内閣府主催「世界青年の船」日本ナショナルリーダー。米ボルチモア市民栄誉賞受賞。ハフポスト日本版元編集長。元日経CNBCコメンテーター。1993年慶応大学経済学部卒、2004年米コロンビア大学大学院ジャーナリズムスクールとSIPA(国際公共政策大学院)を修了。朝日新聞やアジアタイムズ、ブルームバーグで記者を務める。NK NewsやNikkei Asia、Naval News、東洋経済、週刊文春、論座、英紙ガーディアン、シンガポール紙ストレーツ・タイムズ等に記事掲載。

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