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2025年正月番組『爆笑ヒットパレード』から消えていた芸人たちは誰か その一覧

堀井憲一郎コラムニスト
(写真:つのだよしお/アフロ)

元日朝のお笑い番組は『爆笑ヒットパレード』

1月1日に朝から放送している番組といえば、フジテレビの『爆笑ヒットパレード』だろう。

元日朝7時から午後3時までやっている8時間テレビだ。

しかも昭和の昔から(1968年から)毎年やっている。

ふつうの日本人なら、一度は見たことはあるのではないだろうか。

番組名などは把握してないかもしれないが、数分だけかもしれないが、知らずに見てる人も多いとおもわれる。

2025年にネタ見せした芸人は38組

お笑い芸人が次々と出てきて、ネタを見せてくれる。

それは昭和の昔から変わらない。

2025年の8時間で、ネタを見せた芸人は全部で38組だった。
(紅白ものまねや、イチゲキのコーナーなどはのぞく)

最後に出て来て締めるのは爆笑問題である。

2023年と2025年のどちらにも出ている芸人

うちでは、2年前、2023年の1月1日に、おなじこの『爆笑ヒットパレード』でネタをやった芸人を記録しているので、それと比較してみる。

2023年と2025年、一年あいているが、どちらも出ている芸人は誰か。

ちょっと並べてみる。

ザ・ぼんち以下20組の芸人が両年出演

2023年も2025年もどちらも出た芸人から並べる。

38組中、20組がどちらも出ていた。だいたい半分である。(キャリア順/活動開始時期の早い順)

ザ・ぼんち

ハイヒール

爆笑問題

中川家

フットボールアワー

NON STYLE

ナイツ

南海キャンディーズ

どぶろっく

ロッチ

チョコレートプラネット

ハライチ

マヂカルラブリー

見取り図

ウエストランド

ニューヨーク

ハナコ

錦鯉

ミキ

オズワルド

昭和の時代からやっている3組

これぞ2025年の漫才師らしい漫才師メンバーというところだろう。

この20組のうち、昭和時代からやっているコンビは最初の3組、ザ・ぼんち、ハイヒール、爆笑問題である。

ハイヒールの漫才なんか、ここでしか見ていないような気がする。それでいて毎年見いるようにおもう。

ザ・ぼんちの漫才はもう50年以上見ていることになる。

あいかわらず何を言っているのかわからないけど笑ってしまう。でももう「A地点からB地点」というギャグを聞かなくなってしまった。

M−1世代が支えている

中川家から下は、平成時代以降に活動を始めた芸人たちである。

中川家がM−1第一回優勝者だから、つまりは、平成組はそのままM−1世代となる。

M−1優勝者も6組入っている。キングオブコント優勝者も2組いる。

残りもM−1かキングオブコントで、決勝戦の「最終決戦」まで進んだグループ(決勝でネタを2回やったグループ)ばかりである。

と書いてからあらためてチェックして気がついたが、中川家よりあとで、決勝の上位3組に入ったことのないコンビが1つだけありました。

ハライチ

2009年の決勝5位が最高だった。(ただし決勝に5回出ていてこれは最多)

まあ、いまとなっては、どっちでもいいって感じだけど。

街裏ぴんくが登場した2025年

さて元日の『爆笑ヒットパレード』、2023年には出ていなかったが、今年2025年にはネタを見せていた芸人たち。

これは18組いる。(キャリア順)

テンダラー ザ・パンチ ファイヤーサンダー タイムマシーン3号 笑い飯 とろサーモン ギャロップ 街裏ぴんく ガクテンソク トレンディエンジェル 三四郎 ラブレターズ カミナリ ヤーレンズ 真空ジェシカ バッテリィズ 令和ロマン えびしゃ

並べてみて、街裏ぴんくは、けっこうキャリアが長いんだなと気づく(2007年活動開始)下積みが長かったようだ。

2023年正月よりあとに有名になった芸人たち

「2023年に出ていなかったが、2025年には出た」という芸人を見ていて、「たしかにその事情はわかる」という芸人さんと、なぜそうなのかわからない芸人さんに分かれる。

この2年に漫才やコントの賞レースで上位に入った人たちは、事情がわかりやすい。

ザ・パンチ、ファイヤーサンダー、ギャロップ、街裏ぴんく、ガクテンソク、ラブレターズ、ヤーレンズ、バッテリィズ、令和ロマン

このあたりは2023年と2024年の賞レースで有名になった人たちだ。

こうやってみると、「ザ・セカンド」という大会は、漫才師の幅を広げるという意味で、とてもいい企画だったんだなとあらためておもう。

2023年に出ていなかったのはたまたまだった芸人

それ以外の、笑い飯やらとろサーモンやら、トレンディエンジェルが2023年に出ずに2025年に出ているのは、たまたま、という感じがする。

スケジュールの関係とか、そういうものだったのではないだろうか。

この比較には、そういう要素も入ってくる。

2025年の番組からは消えている芸人

では問題の、2023年は出ていたが、2025年は出ていなかった芸人たちリスト。(キャリア順)

ますだおかだ ダイアン ジャルジャル プラス・マイナス かまいたち ジャングルポケット 和牛 かもめんたる ランジャタイ さらば青春の光 Aマッソ アインシュタイン ビスケットブラザーズ 蛙亭 コットン 空気階段 霜降り明星 ストレッチーズ ラランド EXIT ダウ90000

実際に消えたしまった芸人がいるし、たぶん、たまたまだろうという芸人もいる。

たまたまかもしれないが、なんとなくわかるなあという芸人もいる。

『爆笑ヒットパレード』の司会が変わり漫才ができなくなる

そもそも『爆笑ヒットパレード』の司会はずっとナインティナインだったが、2024年かぎりとなり、2025年からはかまいたちが司会となった。番組冒頭で登場したかまいたち山内は、いきなり客席に入り込みお年玉をばらまいていた。

なので、この番組でのかまいたちの漫才は、2024年かぎりで見られなくなってしまったのだ。

あと、プラス・マイナス、ジャングルポケット、和牛などはこの番組だけではなく、ほかでも見られない。

次の波で帰ってくるのか大海原を漂うのか

そういう休止ではなく、でも2025年正月に出ていなかったのが、何となくわかるという人たちもいる。

ビスケットブラザーズやコットンは、もちろんいまも見かけるのだけれど、2022年のキングオブコントの優勝と準優勝で、やはり2022年感が強い。もちろん消えていない。

たまたま今年出ていないだけである。

また次に小さい波が起こるだけで、こっち側に帰ってくるのだろうとおもっている。

でも、何となく離岸してすぐに帰ってくるつもりだったのに、そのまましばらく大海原を漂ったまま、ということ芸人も何組か知っている。

気をつけて注視しているしかない。

コラムニスト

1958年生まれ。京都市出身。1984年早稲田大学卒業後より文筆業に入る。落語、ディズニーランド、テレビ番組などのポップカルチャーから社会現象の分析を行う。著書に、1970年代の世相と現代のつながりを解く『1971年の悪霊』(2019年)、日本のクリスマスの詳細な歴史『愛と狂瀾のメリークリスマス』(2017年)、落語や江戸風俗について『落語の国からのぞいてみれば』(2009年)、『落語論』(2009年)、いろんな疑問を徹底的に調べた『ホリイのずんずん調査 誰も調べなかった100の謎』(2013年)、ディズニーランドカルチャーに関して『恋するディズニー、別れるディズニー』(2017年)など。

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