JR北海道根室線と似た状況!次の廃線注目区間・青森県津軽線(蟹田ー三厩)代行バス乗車記
2024年3月31日、JR北海道根室本線・富良野ー新得(上落合信号場)が廃止されます。このうち東鹿越ー新得は2016年8月の水害で不通になり、代行バスが運行されたまま鉄道が廃線。
隣の青森県には2022年8月の水害で線路に被害が出てしまい、バス代行中の津軽線・蟹田ー三厩(みんまや)間があります(青森放送・外部リンク)。JR北海道根室本線一部廃止区間と似た境遇であり、青函トンネルに関係するローカル線の代行バスなのに、注目する鉄道ファンは少な目。津軽線・蟹田ー三厩は大赤字ローカル線で、鉄道を残すか自動車交通にするか、地元で議論が続いています。
一方青春18きっぷ使用可能期間では、オプション券を追加購入すれば北海道新幹線(木古内ー奥津軽いまべつ)経由で函館ー青森間を移動可能な区間の一部(外部リンク)。ダイヤの悪さや北海道新幹線の高価格のため利用は少なめですが、片道でも津軽線の旅も経験してみてはいかがでしょうか。
(訪問:2024年2月)
奥津軽いまべつ駅→三厩
代行バスのきっぷは奥津軽いまべつ駅で
本州からの旅行者ですと、青森駅から津軽線に乗車して蟹田駅から往復する人が多いと思われますが、函館から青春18きっぷオプション券を使うなら、代行バスの始発は奥津軽いまべつ駅。
なお代行バスの運転手はJRの運賃を基本取り扱わないため、代行バス区間の乗車券は奥津軽いまべつ駅で事前購入をお勧めします。
JR東日本が運行を委託する代行バスの他に、蟹田ー奥津軽いまべつー三厩の公共交通機関には乗合タクシーがあります(外部リンク)。現在のところ2024年3月31日までの運行で、以降については今後の発表待ち。
わんタク定期便はJR代行バスの間に運行中の決まったダイヤでのタクシー(外部リンク)。一方わんタクは前日までの予約が必要ですが、9:00~16:30の範囲で30分刻みでオーダーがあれば原則として運行する便です。予約はWEB、電話で可能。
他に奥津軽いまべつ駅からは、ストーブ列車の運行で知られる津軽鉄道(外部リンク)の終点・津軽中里駅まで予約制の乗合タクシー(外部リンク)も走っています。前日17時までの予約が必要ですが、奥津軽いまべつ駅から津軽鉄道までショートカット出来るのが魅力。
代行バス、わんタク・わんタク定期便、愛乗タクシー共に奥津軽いまべつ駅前のバス停から発着します。
また奥津軽いまべつ駅からは今別町巡回バス(外部リンク)も発着。時刻表(外部リンク)を確認し今別・三厩方面の旅行も良さそうです。
すぐ隣にはJR津軽線代行バスと、
わんタク・わんタク定期便の乗車場所と時刻表(外部リンク)があります。
駅前にはバス待合室も。
筆者がバス停で待っていると、わんタク定期便が到着。なお16時45分奥津軽いまべつ駅止まりで、蟹田には行きません。
当日は筆者のみバス待ちだったので、運転手が筆者に確認しに来られました。
わんタク定期便運転手とお話したところ、
1.代行バスは主に高校生の通学や地元住民の青森市への通院で利用。
2.わんタク・わんタク定期便は筆者のような津軽半島北部への旅行者向け。
とのことです。
16時53分に蟹田駅からの代行バスが到着。
運行は中里交通(外部リンク)が担当。最大45人乗車可能な車両でした。 乗客は筆者一人。
バスは雪の津軽道を進みます。大川平(おおかわだい)、今別、津軽浜名、三厩の順に停車。
今別駅は駅舎前に停車しますが、
大川平、津軽浜名は駅から少し離れた道路沿いに停車(外部リンク)。
三厩駅
代行バスは終点・三厩駅に17:28に到着。
駅前には外ヶ浜町バス(外部リンク)がいましたが、乗客なし。
折り返し17時47分に発車するまで、三厩駅を見て回りました。
三厩駅→蟹田駅
三厩駅舎内部
三厩駅前は除雪が行き届いており、駅舎の明かりもしっかり点灯。
かつては駅員がいましたが、2019年6月より無人化されています。
駅舎出入口上部にある絵画は、青森県津軽出身の作家・太宰治の小説「津軽」の該当箇所の抜粋。
待合室はきれいに清掃されていました。
ホームへ行こうとしますが、
例年より少ない積雪ですが、ホームに行ける状況ではありません。
別の場所から駅名標を撮影。
代行バスは17時47分三厩駅を発車しました。
津軽浜名、今別、大川平、津軽二股(奥津軽いまべつ)、大平(おおだい)、中小国(なかおぐに)、終点・蟹田の順に停車しましたが、その間の乗降はなく、乗客は筆者一人でした。
蟹田駅
蟹田駅から津軽線に乗ります。18時55分の時点で駅員はおらず、自動券売機できっぷを購入するのみ。19時3分発普通列車に乗車します。19時3分発は蟹田駅発の最終。
蟹田駅から701系ワンマン電車で青森駅へ移動します。蟹田駅の営業時間外では、津軽線内の駅で下車なら車内精算、青森駅以降の場合は青森駅での精算となります。
北海道新幹線が開業する前は青函トンネルを走行する旅客列車で賑わいましたが、現在は貨物列車が運転停車・通過するものの、旅客列車は1日9往復(うち1本は日祝運休)するのみとなってしまいました。
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