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JR北海道「奥津軽いまべつ駅」は最北・最南・本州唯一・最小が揃う北海道新幹線の駅

宙船乗り物大好きライター・そらふね
JR北海道・奥津軽いまべつ駅

青森県にJR北海道の駅があるのをご存知でしょうか?「奥津軽いまべつ駅」は津軽半島にある北海道新幹線の駅。青函トンネルの入口にある今別町にあり、しかもJR東日本の在来線駅と道の駅とも隣りという珍しい位置関係です。青春18きっぷが使用可能な期間では、オプション券を追加購入すれば北海道新幹線に一部区間で乗車可能。
最北・最南・本州唯一・最小の称号を持つJR北海道の本州にある駅へ出かけてみませんか。

青森県にあるJR北海道唯一の駅

北海道新幹線は全線JR北海道の路線

奥津軽いまべつ駅は青森県にあるJR北海道の駅。ホームには「JR北海道 奥津軽いまべつ」の看板があります。

奥津軽いまべつ駅にある駅位置の看板
奥津軽いまべつ駅にある駅位置の看板

駅名標も右上にJR北海道のロゴ入り。青森県なのにJR北海道である理由は、北海道新幹線(新函館北斗ー新青森)が全線JR北海道の路線だからです。
なお北海道新幹線と東北新幹線の境界にある新青森駅はJR東日本の駅。新青森で運転士や車掌が交代します。

奥津軽いまべつ駅の駅名標
奥津軽いまべつ駅の駅名標

従って、

新幹線で本州最北の駅

JR北海道最南の駅

JR北海道で唯一本州にある駅

という称号が付きます。

青函トンネル保守に重要な拠点!近くを貨物列車が通過

では奥津軽いまべつ駅がどうして設置されたのでしょうか?北海道と本州を結ぶ海底トンネル・青函トンネル(全長53.85km)を維持するには、出入口付近の陸上に管理拠点が必要です。本州側の青函トンネル入口は青森県今別町にあり、加えて青森県や今別町は駅を求めるのは必然です。

奥津軽いまべつ駅跨線橋から見た保守基地の一部
奥津軽いまべつ駅跨線橋から見た保守基地の一部

また青函トンネルでは北海道新幹線の他に、北海道と本州を結ぶ貨物列車も走行します。しかもレールの幅が新幹線(1,435mm)と貨物列車(1,067mm)が異なるところを、レールを3本敷設してそれぞれ上り下り列車を走らせる構造。加えて途中で新幹線がトンネル手前・直後で貨物列車を追い抜くための設備も欠かせません。

青函トンネルへ向かう函館方面行き貨物列車
青函トンネルへ向かう函館方面行き貨物列車

奥津軽いまべつ駅の連絡通路からは駅出入口側に函館・札幌方面に向かう海峡線の線路をまたいでおり、連絡通路から貨物列車が走行する所が見えます。
反対に青森・東京方面に向かう線路は北海道新幹線ホームの更に奥にあり、連絡通路は北海道新幹線の真上まで。青森方面貨物列車は連絡通路の上からは見えにくいです。

青森県今別町は日本一小さい新幹線のまち

奥津軽いまべつ駅の出入口近くには、今別町が「日本一小さい新幹線のまち 青森県今別町」の石碑を設置。石碑には今別町に伝わる「荒馬(あらま)」が描かれています。

日本一小さい新幹線のまち 青森県今別町の碑
日本一小さい新幹線のまち 青森県今別町の碑

荒馬は新幹線のホームにも看板が。

新幹線ホームにある荒馬の絵
新幹線ホームにある荒馬の絵

奥津軽いまべつ駅は今別町の中心部から離れた場所にあり、むしろ青函トンネル入口の方が今別町の中心に近いです。

青函トンネル入り口の町・今別町へようこその案内板
青函トンネル入り口の町・今別町へようこその案内板

それでは奥津軽いまべつ駅の中に入ってみましょう。

駅舎内は展示が色々!

奥津軽いまべつ駅の出入口から新幹線の乗場に行くには、まず階段かエレベーターを使用します。

奥津軽いまべつ駅構内へはエレベーターが便利
奥津軽いまべつ駅構内へはエレベーターが便利

連絡通路を進み、駅の改札を目指します。

エレベーターを上がり、連絡通路へ
エレベーターを上がり、連絡通路へ

連絡通路には青函トンネルの維持に欠かせない車両のパネルが展示されていました。

青函トンネルで働く車のパネルがずらり
青函トンネルで働く車のパネルがずらり

最初にも触れた通り、連絡通路は函館方面行貨物列車が通過する線路の上にあります。

連絡通路からは海峡線函館方面の線路が見える
連絡通路からは海峡線函館方面の線路が見える

みどりの窓口の営業時間は朝7:00~17:10で途中昼休みあり。筆者の訪問時に見かけた駅員は2人でした。

みどりの窓口
みどりの窓口

みどりの窓口が開いていない時間でも、駅の営業時間内は券売機で切符の購入が可能。

みどりの窓口奥にある券売機
みどりの窓口奥にある券売機

改札は他の新幹線駅と同様、自動改札主体。

改札口
改札口

駅待合室も充実しています。

改札口ホーム側
改札口ホーム側

それではホームに行きましょう。
新青森・東京方面乗車を主体に紹介します。

やはり大きい新幹線ホーム

ホームへ行くには階段かエレベーターを使用します。

11番ホーム 新青森・東京方面エレベーター
11番ホーム 新青森・東京方面エレベーター

エレベーター前にはベンチがあるほか、列車待合スペースもあります。

11番ホームエレベーター
11番ホームエレベーター

やはり新幹線ホームは大きい。

11番ホームから新青森・東京方面
11番ホームから新青森・東京方面

奥津軽いまべつ駅はホームがある線路2本と、その間に1本通過線があり、通過する新幹線は通過線を使用します。

奥津軽いまべつ駅を通過する新幹線は通過線を使用
奥津軽いまべつ駅を通過する新幹線は通過線を使用

ホームの端から線路を見ると、奥津軽いまべつ駅が山の中に建設されたことが判ります。

11番ホーム端から新函館北斗方面
11番ホーム端から新函館北斗方面

更に11番ホームに停車した新幹線から見ると、ホームドア近くには注意看板が。新函館北斗駅や木古内駅から乗車した新青森へ向かう一部客が、途中奥津軽いまべつ駅に停車すると間違えて降車する事があるようです。

11番ホームドア列車側にある注意喚起
11番ホームドア列車側にある注意喚起

なお木古内・新函館北斗方面12番ホームの窓からは連絡通路が見えます。

12番ホーム 木古内・新函館北斗方面の窓から見た連絡通路
12番ホーム 木古内・新函館北斗方面の窓から見た連絡通路

続いて奥津軽いまべつ駅の周りにある施設に向かいましょう。

隣はJR東日本津軽線の駅!現在は不通

奥津軽いまべつ駅の目の前には、JR東日本の在来線駅があります。津軽線の津軽二股駅。

連絡通路から見たJR東日本津軽線・津軽二股駅
連絡通路から見たJR東日本津軽線・津軽二股駅

ホーム1面の無人駅。しかし列車が来ている様子は全くありません。2022年8月の大雨災害以降列車が走っておらず、2024年2月現在は代行バスが運行中です。

津軽二股駅はホーム1面の無人駅
津軽二股駅はホーム1面の無人駅

ホームは全く除雪されていません。例年より少ない積雪でしたが、長靴を履かないと歩きにくいレベルでした。

除雪されていない津軽二股駅ホーム
除雪されていない津軽二股駅ホーム

津軽線仕様の駅名標は健在。

津軽二股駅名標
津軽二股駅名標

津軽二股駅ホームから奥津軽いまべつ駅を眺めると、JR津軽線の線路もまたいで連絡通路が設置されたことが実感出来ます。

津軽二股駅ホームからの奥津軽いまべつ駅連絡通路
津軽二股駅ホームからの奥津軽いまべつ駅連絡通路

津軽二股駅の横には道の駅があります。中に入ってみました。

津軽二股駅は道の駅と併設!

津軽二股駅は道の駅いまべつ半島プラザアスクル(外部リンク)の隣にあります。

道の駅いまべつ半島プラザアスクル
道の駅いまべつ半島プラザアスクル

道の駅の出入口に津軽二股駅の時刻や運賃表を掲示。

出入口に津軽線津軽二股駅の案内
出入口に津軽線津軽二股駅の案内

道の駅にはレストランもあり、

レストラン驛(えき)
レストラン驛(えき)

地元今別の土産も充実しています。
奥津軽いまべつ駅で乗降するなら、ぜひ道の駅にも立ち寄ってみましょう。

お土産コーナー
お土産コーナー

まとめ

1.奥津軽いまべつ駅は青森県のJR北海道・北海道新幹線の駅。

2.本州最北の新幹線駅、JR北海道最南の駅、JR北海道で本州で唯一の駅、日本一小さい新幹線のまちの駅でもある。

3.隣にJR東日本津軽線・津軽二股駅、道の駅いまべつ半島プラザアスクルがある珍しさも魅力。

乗り物大好きライター・そらふね

地元北海道を中心に日本を旅するフォトライターです。フェリー・飛行機・鉄道旅が得意分野。船会社で船員管理・港業務・営業を経験後、旅行サイトでライターとなる。船・地方空港・名所・ホテルを紹介する記事を多く掲載しました。乗り物移動をより楽しくがモットー。

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