2024国際航空宇宙展、日英伊共同開発の次期戦闘機の10分の1模型公開 #GCAP
10月16日から19日までの日程で東京・有明の東京ビッグサイトで開会した「2024国際航空宇宙展」で、日英伊3カ国が共同開発を進めている次期戦闘機の最新模型が展示された。
次期戦闘機の計画は「グローバル戦闘航空プログラム(GCAP=ジーキャップ)」と呼ばれる。三菱重工業と英航空・防衛大手のBAEシステムズ、イタリアの防衛大手レオナルドの3社が機体の開発を進めている。
BAEシステムズ担当者によると、今回展示された模型は全長2メートル弱で、実物の10分の1ほどの大きさ。これに対し、2024年7月に英国で開催されたファンボロー国際航空ショーでは、実物の大きさの全長20メートル以上の模型が公開されていた。ファンボローで公開された模型と2024国際航空宇宙展で公開された模型には、大きさ以外に、デザインなどで大きな違いはみられない。
従来のコンセプトモデルと比べ、主翼や後部胴体、尾翼部分に大きな変化がみられる。以前のバージョンよりも大きな翼となり、「ラムダ翼」から「デルタ翼(三角翼)」化している。これは、従来のドッグファイト(戦闘機同士の空中戦)の敏捷性よりも、航続距離(内部燃料容量の増加と抗力の減少)、速度(抗力の減少)、ペイロード(揚力の増加と抗力の減少)の向上に重点が置かれていることを示している。
BAEシステムズ担当者は、2025年中に全体設計の開発を完了させる方針を示した。
中谷元・防衛相は10月16日から21日の日程で、ベルギーとイタリアを訪問する。ベルギーのブリュッセルでは、NATO国防相会合に日本の防衛大臣として初めて出席する。イタリアのナポリでは、今年のG7議長国であるイタリア主催の下、初めて開催されるG7国防相会合に出席する。そして、次期戦闘機に関する日英伊防衛相会合も実施する予定だ。
中谷防衛相は11日の会見で「本訪問を通じて、欧州・大西洋とインド太平洋の安全保障が不可分であることや、インド太平洋地域の情勢について力強く発信をするとともに、次期戦闘機については、日英伊の3か国の協力強化のコミットメントを改めて確認し、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化に向けた、同志国との強い結束を確認をしてまいりたい」と述べた。
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