生焼けハンバーグ 法的問題は? #専門家のまとめ
東京の飲食店で生焼けのハンバーグが客に提供されたとして話題となっています。ナイフでカットすると中が赤く、熱した鉄板の皿で客自身が焼き上げるスタイルでした。ネット上では「食中毒のリスクが高い」という意見が示される一方で、「新鮮な肉と清潔な調理であれば問題はなく、自分で焼くのは楽しい」といった声も上がっています。こうしたレアハンバーグを巡る法的問題について、理解の参考となる記事をまとめました。
ココがポイント
エキスパートの補足・見解
今回の飲食店ではこれまで食中毒の発生こそなかったものの、だからといって安心というわけではありません。例えば、客の前でレアハンバーグをカットして焼き上げていた横浜の有名なレストランチェーンが5店舗で客14人に重軽傷を負わせる食中毒事件を起こしたのは、創業から31年後のことでした。パティに混入していたとみられるO-157が原因でした。
レアハンバーグのケースではないものの、2011年に富山など4県6店舗の焼き肉チェーン店で発生したユッケによる食中毒事件では、181人が発症し、5人が死亡しました。廃業に追い込まれた上、裁判で約1億6900万円の損害賠償責任が認められた運営会社は2023年に破産に至っています。
今回の飲食店も、一連の騒動を踏まえ、今後は客に焼かせるのをやめ、店の方で中心部まで火を通した上で提供するスタイルに改めると述べているところです。ほかにもレアハンバーグを提供している飲食店は多いのですが、もし食中毒が発生した場合、レアだと分かった上で食べた客については過失相殺により賠償額が大幅に減らされることもありうるので、注意を要します。(了)