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世界最大級の英航空ショー、日英伊共同開発の次期戦闘機の実物大最新模型を公開 #専門家のまとめ

高橋浩祐米外交・安全保障専門オンライン誌「ディプロマット」東京特派員
英ファンボロー国際航空ショーで公開された次期戦闘機の実物大最新模型(GCAP)

世界最大級の航空見本市「ファンボロー国際航空ショー」が7月22日、英ロンドン郊外のファンボロー空港で始まった。日本が英国、イタリアと共同開発を進める次期戦闘機の実物大の最新模型が公開された。ただ、複数の英国メディアは19日に同国のスターマー新政権が開発費への懸念から共同開発を見直す可能性があると報じたばかり。次期戦闘機開発の先行きに心配はないのか。開発はここまで無事に進捗しているのか。

ココがポイント

▼英国の政権交代で次期戦闘機計画が見直される可能性があると報じられたが、スターマー新首相は会場で開発の重要性を強調した

英で航空ショー開幕 日英伊共同開発の次期戦闘機の模型を公開(NHKニュース)

▼次期戦闘機の新たなデザインは、主翼がデルタ翼(三角翼)に変わり、航続距離、速度、ペイロードの向上に重点が置かれている

日英伊共同開発の次期戦闘機、新たなコンセプトモデルが公開 #GCAP #デルタ翼(Yahoo!ニュース エキスパート 高橋浩祐)

▼日本側で機体の開発主体となる三菱重工業は、開発で得られた知見を国内の航空産業全体で共有し、産業基盤の強化を目指している

三菱重工・航空宇宙工業会、次期戦闘機で新会社(日本経済新聞)

▼次期戦闘機開発は2035年配備に向け、今後10年以上にわたる巨大プロジェクト。計画を頓挫させないためにも日本側の妥協や努力が必要

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エキスパートの補足・見解

戦闘機は最先端技術の結晶であり、国家の威信がかかった一大プロジェクトだ。失敗は許されない。パートナー国の政権交代などを機に合意内容が覆されるリスクがないよう、次期戦闘機開発の重要性をアピールしていく必要があるだろう。とは言え、戦闘機開発には常に紆余曲折がある。日本はかつて「F2のトラウマ」と呼ばれる苦い経験をした。1980年代、航空自衛隊が使っていた国産のF1支援戦闘機の後継となる戦闘機を自国で開発しようとしていた。しかし、日本にはエンジンを開発する能力がなく、米国から輸入することになった。理想と現実のギャップは何時もある。しかし、今回は3ヵ国が持つ最先端の技術を結集した最高の第6世代戦闘機が共同開発できるよう早く万全の体制を整えていただきたいもの。

米外交・安全保障専門オンライン誌「ディプロマット」東京特派員

英軍事週刊誌「ジェーンズ・ディフェンス・ウィークリー」前東京特派員。コリアタウンがある川崎市川崎区桜本の出身。令和元年度内閣府主催「世界青年の船」日本ナショナルリーダー。米ボルチモア市民栄誉賞受賞。ハフポスト日本版元編集長。元日経CNBCコメンテーター。1993年慶応大学経済学部卒、2004年米コロンビア大学大学院ジャーナリズムスクールとSIPA(国際公共政策大学院)を修了。朝日新聞やアジアタイムズ、ブルームバーグで記者を務める。NK NewsやNikkei Asia、Naval News、東洋経済、週刊文春、論座、英紙ガーディアン、シンガポール紙ストレーツ・タイムズ等に記事掲載。

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