女優がセルフで自らのヌードを撮る、あまり例のない挑戦へ。発表する不安は不思議となかった
女優、ナレーターとして活躍する花澄（かずみ）。
これまで映画、舞台、テレビ、ラジオなど幅広いフィールドを活動の場にしてきた彼女は、昨年、新たな一歩を踏み出した。
それは「撮られる側」から「撮る側」へ。
写真家としての歩みを始め、２年間撮り続けたセルフポートレートから厳選した作品をまとめた写真集「Scent of a...」（セント・オブ・ア...）が完成。
女優自らが写真家として、自らのヌードを撮り、ひとつの作品にまとめるという、これまで例のないかもしれない写真集を発表した。
この写真集の完成とともに、新宿 北村写真機店で初の写真展も開催。
さらに同時期に初めてヌードでの濡れ場に挑んだ主演映画「百合の雨音」が公開の運びを迎えた。
この写真集及び写真展、そして「百合の雨音」については昨年末から今年にかけて詳しく彼女のインタビューを届けたが、この度、新宿 北村写真機店に続き、出身地の埼玉県熊谷市での写真展の開催が決定。
「地元での開催は念願だった」と語る彼女に、改めて話を訊く。（全五回）
写真展の開催と写真集の発表前、不思議と不安はなかった
少し時間を戻して、写真展の開催と写真集の発表の前の心境はどうだったのだろう？
「たぶんプレッシャーかかって不安になったり……というのが普通だと思うんですけど、そういうのはまったくなかったんですよ（笑）。
というのも、すべてが初めてのことで右も左もわからない。
変に経験していることだと、『ここ絶対に大変になるな』とか、『ここ失敗したら絶対ダメ』とかわかることがあって、それでプレッシャーがかかる。
でも、これまで経験したことがないことだから、どこが大変でどこを失敗してはいけないかとかよくわからない（苦笑）。
だから、不思議と不安はなかったんです。
ここまででお話したように、写真集にしても写真展にしても、すべてひとりで決めてひとりでやらなければならなかった。
それは大変だったんですけど、自分ひとりなので、逆に外部からや周囲からのプレッシャーや催促みたいなものもない。
もちろん自分で自分にプレッシャーをかけることにはなるんですけど（笑）。
シンプルにトライ&エラーの繰り返しでしかなかった。
あと、準備期間が十分とれたことも焦ったり不安になったりすることがなかった要因かもしれません。
十分な時間がいただけたので、たとえば写真展だったら、毎日のように北村写真機店さんのギャラリーに足を運んで、『どこに何を置こうか』とシミュレーションして、自宅に戻って、実際に飾る写真のサイズをああだこうだと変えてみたりといったことが時間をかけて自分が納得できるまで試行錯誤することができた。
それで、あるとき、バチッとハマった瞬間があって、そのとき、この空間作りで『大丈夫だ』と思ったんですよね。
発表する写真自体は、はじめからすごくわたし自身が愛していて外に出しても恥ずかしいものではないと思っていた。
だから、写真展前日とかは、もう心は決まっていて、『いよいよはじまる、あとはみなさんをお迎えするだけだな』といった感じでしたね」
ここで自惚れていてはいけない、うかうかしてられない
写真集の発表と写真展の開催、そして主演映画の公開を経験と、昨年末は一気に駆け抜けた。
この間というのはどういうことを考えていただろうか？
「はじめる前は、どんなことになるのかまったく想像できませんでした。
で実際に蓋を開けてみると、自分が想像したよりもおかげさまで好意的な意見を寄せてくださる方が大勢いらっしゃった。
また、プロのカメラマンの方たちから『これを自分ひとりでやったの』といった驚きの感想をいくつもいただきました。
このひとつひとつがうれしかったですし、写真家として大きな自信にもなりました。
ただ、これだけの好反応をいただいたので、逆に身の引き締まる思いにもなったというか……。
ここで自惚れていてはいけない、うかうかしてられない、と目が覚めたところがありました。
写真家として、もう次を視野にきちんと入れていかないといけないと思いました。
次に自分が何を発表するのかがすごく大事になる。次こそが真価が問われる機会になると。
なので、写真展が始まって少ししたら、すでに次に目が向いていました。
次に自分はなにをすべきかというのをずっと考えていましたね。毎日、会場で（笑）。
これだけの反響をいただいたのだから、写真家として次をもう考えないといけない。
次にわたしは何を成すべきなのか。
１作目で終わらせてはいけない。２作目、３作目とつなげていけるようにしないといけない。
そのために努力して精進しないといけないと気持ちを新たにしたところがありました」
（※第四回に続く）
花澄写真展「Scent of a...」
会期：3月21日（火・祝）〜26日（日）
時間：12:00〜20:00
場所：コミュニティサロン キューノ
※熊谷駅北口および東口から徒歩９分
入場無料
写真集「Scent of a...」（セント・オブ・ア...）
A4変形ハードカバー64頁
価格：5500円（税込）
オンラインショップで販売
オンラインショップはこちら → https://kazumiphoto.base.shop/
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