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ア・リーグはMVP受賞のジャッジだけでなく2位も「満票」

宇根夏樹ベースボール・ライター
アーロン・ジャッジ(左)とボビー・ウィットJr. Sep 9, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 2024年のMVPは、ナ・リーグもア・リーグも、満場一致で決まった。大谷翔平(ロサンゼルス・ドジャース)とアーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)は、どちらも、30人の記者全員――顔ぶれは異なる――から1位票を得た。

 それぞれの記者は、1位から10位までの選手を挙げる。1位票が14ポイント、2位票が9ポイント、3位票が8ポイント……10位票は1ポイント。合計ポイントの最も多い選手が、MVPとなる。大谷とジャッジは、14ポイント×30=420ポイントだ。

 ナ・リーグでは、4人が2位票を得た。フランシスコ・リンドーア(ニューヨーク・メッツ)が23、ケテル・マーテイ(アリゾナ・ダイヤモンドバックス)が5、アトランタ・ブレーブスの2人、マーセル・オズーナクリス・セールは1ずつだ。彼らは、2位(263ポイント)、3位(229ポイント)、4位(134ポイント)、7位(99ポイント)に位置した。

 5位(132ポイント)のウィリアム・コントレラス(ミルウォーキー・ブルワーズ)は2位票がなく、6位(130ポイント)のブライス・ハーパー(フィラデルフィア・フィリーズ)は3位票も皆無だ。セールは、3位票と4位票がなかった。いずれも、1位票がないことは、言うまでもない。

 一方、ア・リーグの2位票は、ボビー・ウィットJr.(カンザスシティ・ロイヤルズ)がすべてを得た。こちらは、9ポイント×30=270ポイントだ。投票結果を発表したBBWAA(ベースボール・ライター・アソシエーション・オブ・アメリカ)によると、BBWAAの記者によるMVP投票において、受賞者と2位が揃って「満票」は、ロナルド・アクーニャJr.(ブレーブス)とムーキー・ベッツ(ドジャース)がトップ2に位置した昨年のナ・リーグに続き、史上2度目だという。

 2023年のベッツと2024年のウィットJr.は、投票権を持っていたどの記者からも、そのシーズンにリーグで2番目の選手、と看做されたということだ。2023年のベッツは、主にライトと二塁を守り、152試合で打率.307と出塁率.408、39本塁打と14盗塁、OPS.987。2024年のウィットJr.は、遊撃を守り、161試合で打率.332と出塁率.389、32本塁打と31盗塁、OPS.977を記録した。

 ベッツは、MVP投票2位が3度。2016年はマイク・トラウト(ロサンゼルス・エンジェルス)、2020年は現チームメイトのフレディ・フリーマン(当時ブレーブス)に次いだ。MVPを受賞した2018年は、トラウトが2位だった。

 ウィットJr.は、メジャーリーグ3年目を終えたところだ。2022年の得票はなく――新人王投票は4位――2023年は7位に位置した。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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