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来春ダイヤ改正で廃止検討!? 道南の貨車駅舎 函館本線 中ノ沢駅(北海道山越郡長万部町)

清水要鉄道ライター

長万部町にある函館本線の中ノ沢駅について、JR北海道が廃止を検討していることがわかった。JRは廃止の意向を長万部町に伝えており、17日に町が住民向け説明会を開く予定だ。町は地域住民の意見を聞いたうえで判断したいとしており、まだ廃止が確定したわけではないが、駅の1日の平均利用者は1人未満であり、他駅の事例を考えると、このまま廃止となる可能性が高い。

駅名標
駅名標

中ノ沢駅は明治37(1904)年10月15日に北海道鉄道の「紋別(もんべつ)」駅として開業。明治40(1907)年7月1日の北海道鉄道国有化で国鉄の駅となり、大正3(1914)年10月1日に「中ノ沢(なかのさわ)」に改称された。道内に紋別市をはじめ、同名の地名が多かったことが改称の理由だ。現駅名「中ノ沢」は、当地が紋別川とワルイ川(和類川)の中間にある沢だったことに由来する。

駅舎内
駅舎内

昭和61(1986)年11月1日に無人化。翌年1月にそれまでの駅舎が解体されて貨車駅舎が設置された。道南にもかつては貨車駅舎が多数設置されたが、廃止により数を減らし、現存するのは当駅と二股駅、尾白内駅、東久根別駅の3駅のみだ。

ホーム
ホーム

中ノ沢駅は複線区間に位置し、ホームは単式2面2線だ。かつては中線があり、単式と島式を組み合わせた2面3線だった。幹線の駅らしくホームは長いが、冬季に訪れると雪に阻まれて駅の全体像を把握するのは難しい。駅があるのは国道5号沿いの集落で、国道から駅前通りを140mほど進んだ突き当りに存在する。周辺には民家の他に飲食店と菓子店があるが、これらの店を訪れるために駅を利用する人は皆無に近いだろう。

中ノ沢駅を発車した長万部行き
中ノ沢駅を発車した長万部行き

このまま中ノ沢駅が廃止になるとすれば、営業するのはあと9カ月余り。未訪問の方はこの機会に訪れてみるのはいかがだろうか。

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鉄道ライター

駅に降りることが好きな「降り鉄」で、全駅訪問目指して全国の駅を巡る日々。

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