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今オフの契約総額トップ3は大谷翔平と山本由伸とボビー・ウィットJr.で確定!? それともあの選手が…

宇根夏樹ベースボール・ライター
山本由伸(左)と大谷翔平 Feb 11, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今オフ、大谷翔平山本由伸は、ロサンゼルス・ドジャースに入団した。それぞれ、10年7億ドル(2024~33年)と12年3億2500万ドル(2024~35年)の契約を交わした。

 大谷の契約総額は、それまで史上最高だった――それまで大谷とチームメイトだった――マイク・トラウト(ロサンゼルス・エンジェルス)の延長契約、12年4億2650万ドル(2019~30年)を大きく上回った。山本の契約総額は、投手の史上最高を更新した。ゲリット・コール(ニューヨーク・ヤンキース)の9年3億2400万ドル(2020~28年)を超えた。

 2人の他に、今オフ、総額3億ドル以上の契約を手にした選手はいない。3番目に高額なのは、ボビー・ウィットJr.(カンザスシティ・ロイヤルズ)の延長契約、11年2億8877万7777ドル(2024~34年)だ。あとの契約は、総額2億ドルに達していない。

 現時点における、今オフの契約総額トップ10は、以下のとおり。

筆者作成
筆者作成

 トップ10のうち、ウィットJr.、タイラー・グラスナウ(ドジャース)、ホゼ・アルトゥーベ(ヒューストン・アストロズ)、ジャクソン・チューリオ(ミルウォーキー・ブルワーズ)は、延長契約だ。グラスナウは、トレード→延長契約。アルトゥーベの新たな契約は、2025年からスタートする。2024年は、7年1億6350万ドルの契約最終年だ。チューリオは、まだメジャーデビューしていない。

 この4人の契約については、それぞれ、こちらで書いた。

「1億ドル以上の契約が皆無だった球団が3倍以上の延長契約を交わす。11年2億8877万7777ドル」

「ドジャースが先発投手のグラスナウを獲得したのはわかるが、延長契約はハイリスク!?」

「アルトゥーベを5年1億2500万ドルで引き留めたアストロズは、この選手とも延長契約を交わすのか」

「メジャーデビューしていない19歳が8年8200万ドルの契約を得る。AJのようなキャリアを築くのか」

 FA市場には、先発投手のブレイク・スネルジョーダン・モンゴメリー、センターと一塁を守るコディ・ベリンジャー、三塁手のマット・チャップマンらがまだ残っている。だが、いずれの契約総額も、大谷はもちろん、山本とウィットJr.を凌ぐことはないはずだ。

 2024年のシーズン年齢(6月30日時点)は、ベリンジャーが28歳、3人は31歳。一方、契約総額のトップ3は、大谷が29歳、山本が25歳、ウィットJr.は24歳だ。

 ベリンジャーは、まだ20代ながら、2021~22年の大不振が懸念される。例えば、直近3シーズンの出塁率は.240→.265→.356と推移している。ベリンジャーについては、こちらで書いた。

「新人王→MVP→不振→ノンテンダー→復活→FAの28歳は大型契約を得るのか。昨年はOPS.881」

 もっとも、今オフの契約総額トップ3はすでに確定、とは言いきれない。開幕までに、外野手のホアン・ソト(ヤンキース)が延長契約を交わした場合、トップ3は、大谷、ソト、山本になるだろう。

 ソトは、昨年12月のトレードで、サンディエゴ・パドレスからヤンキースへ移籍した。FAまでは、あと1シーズンだ。

 大谷と同じ2018年にメジャーデビューして以来、ソトのシーズン出塁率は.400を下回ったことがない。6シーズン中4シーズンは25本塁打以上。細かく言うと、短縮シーズンの2020年を除く5シーズン中4シーズンが27本塁打以上だ。2019年は34本、2023年は35本のホームランを打った。しかも、2024年のシーズン年齢は、山本と同じ25歳。山本は1998年8月、ソトは1998年10月に生まれた。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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