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エンジェルスはベテラン捕手を2年1200万ドルで迎え入れる。正捕手のオホッピーがいるのに必要!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
トラビス・ダーノー(中央)とアンディ・パヘズ May 3, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 11月12日、ロサンゼルス・エンジェルスは、トラビス・ダーノーと2年1200万ドルの契約を交わしたことを発表した。

 この8日前に、ダーノーは、アトランタ・ブレーブスに年俸800万ドルの球団オプションを破棄され、FAとなった。それについては、こちらで書いた。

「全試合のほぼ半数でスタメンマスクの捕手がオプションを破棄される。金額は1000万ドル未満なのに…」

 ダーノーは、来年2月に36歳の誕生日を迎える。メジャーリーグ12年目の2024年は、99試合に出場し、打率.238と出塁率.302、15本塁打(20.47打数/本)、OPS.739を記録した。これらの数値は、通算12シーズンとここ3シーズンのどちらとも、それほど違わない。

 これまで、115試合以上に出場したシーズンは皆無ながら、出場100試合以上は4シーズンを数える。12シーズン中9シーズンは、出場60試合以上だ。

 一方、エンジェルスには、2人の捕手、ローガン・オホッピーマット・タイスがいる。2024年のスタメンマスクは、121試合と41試合なので、合わせて162試合。彼らの他には、途中出場の捕手もいなかった。

 オホッピーは、136試合で打率.244と出塁率.303、20本塁打(23.95打数/本)、OPS.712。タイスは、57試合で打率.204と出塁率.323、2本塁打(78.50打数/本)、OPS.622を記録した。来シーズンの年齢(6月30日時点)は、25歳と30歳。今のところ、FAになるのは、2028年のオフと2027年のオフだ。

 エンジェルスは、捕手の2人を、オホッピーとタイスから、オホッピーとダーノーとするのだろう。ダーノーの「経験値」が、若いオホッピーを成長させるのに役立つ、と考えているのかもしれない。ジ・アスレティックのサム・ブラムによると、エンジェルスは、2018年からブレーブスでキャッチング・コーチを務めていたサル・ファサーノも、アシスタント投手コーチとして迎え入れたという。

 それだけでなく、オホッピーとダーノーがマスクをかぶれば、捕手として計30本以上のホームランも期待できる。2024年にエンジェルスの捕手たちが打ったホームラン――捕手出場時の合計本数――は、22本だった。最も多かったチームは、31本塁打のオークランド・アスレティックスとシアトル・マリナーズだ。

 タイスは、エンジェルスにノンテンダー(契約解除)とされる可能性もある。それまでと違い、今オフは、年俸調停の申請権を持っている。また、マイナーリーグ・オプションは、残っていない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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