北朝鮮が軍事パレードを開催。ICBMは8両が登場
4月25日夜、北朝鮮が平壌で軍事パレードを行いました。朝鮮人民革命軍創建90周年を記念しています。最近の北朝鮮が夜間に軍事パレードをよく行うのは、おそらくですが戦闘機にELライトで電飾を施して飛ばしたいからでしょう。今回もMiG-29戦闘機とMiG-23戦闘機、Su-25攻撃機が記念飛行していますが(MiG-23は電飾パレードに初参加)、電飾に加えて更にパレード用の花火も出しながら飛んでいます。
今回のパレードで初登場した新兵器は、4月16日に試射して4月17日に発表していた小型短距離弾道ミサイルの「新型戦術誘導兵器」がさっそく公開されました。ただし新型ミサイルはランチャーの中に入ったままで見せてくれませんでした。ですが発射車両が6輪トラックで4連装だという事は確定しています。
新兵器:小型短距離弾道ミサイル「新型戦術誘導兵器」
【関連記事】北朝鮮が初登場の新型ミサイルを公開。小型の短距離弾道ミサイル(核弾頭型):2022年4月17日
「北極星?」SLBM ※北極星5よりも大きな新型の可能性
SLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)の「北極星」シリーズですが、これまで知られていた最も新しい「北極星5」よりも全長が長くなっているようです。直径は同じままで射程延伸を図った新型の可能性があります。あるいは弾頭の大重量化ないし複数弾頭化の可能性もあります。まだ名称は不明ですが「北極星6」なのかもしれません。
他の兵器は既に過去に登場済みです。特に重要な兵器では、確認できるかぎり以下のような数が登場しました。
- 「火星17」ICBM・・・4両
- 「火星15」ICBM・・・4両
- 「火星8」極超音速滑空ミサイル・・・6両
- 「極超音速ミサイル」・・・6両
- 「新型SLBM(イスカンデルSLBM型)」・・・8発
この他に短距離弾道ミサイル、巡航ミサイル、多連装ロケット、戦車、自走榴弾砲、対空ミサイル車両、対戦車ミサイル車両などが多数登場しています。
「極超音速ミサイル」
「極超音速ミサイル」は今年1月5日と1月11日に試射されたものと同型です。ミサイルの塗装の塗り分けも同じです。
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「火星8」極超音速滑空ミサイル
「火星8」極超音速滑空ミサイルは試射時や武器展示会でのオレンジ色のマーキングが施された塗装とは異なり、実戦仕様の緑色の迷彩色に塗られています。緑色の本体塗装は中国の「東風17(DF-17)」極超音速滑空ミサイルと同じ塗り方で、わざと似せて意識しているのかもしれません。
ただし「火星8」は試射1回だけで飛行距離が極端に短くおそらく失敗しているので、まだ実戦配備されている状態ではありません。実戦仕様の迷彩塗装はまだ気が早いようにも思えます。
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- 北朝鮮の極超音速兵器「火星8」は6軸12輪移動発射機:2021年10月15日
「極超音速ミサイル」と「火星8」は6軸12輪の移動発射機で、以前に中距離弾道ミサイルの「ムスダン」や「火星12」が使っていた移動発射機を改修したものだと推定されます。
「新型SLBM(イスカンデルSLBM型)」
SLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)は通常のトレーラーに載せて登場しています。「北極星」SLBMはトレーラー1台に1発積んで登場しましたが、「新型SLBM(イスカンデルSLBM型)」は小さいのでトレーラー1台に2発が搭載されています。
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「火星17」ICBMと「火星15」ICBM
映像で確認できる限り、「火星17」ICBM移動発射機4両と「火星15」ICBM移動発射機4両の合計8両のICBM移動発射機がパレードに登場しています。
先ず火星15が2両×2両の複列で登場し、その後に火星17が4両の単列で続きます。この並び方は2020年10月10日のパレード時と全く同じで、今回の2022年4月25日のパレードでも並べ方を変えなかったことになります。
同じ4両を見せるのに火星15と火星17で並べ方が違う理由は、よく分かっていません。もしかすると地下道の耐荷重の限界で、巨大で重い火星17を複列で走らせることができなかった可能性があります。
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※なお2022年3月24日に発射したとされる火星17は実際には火星15の発射の偽装で、火星17の映像は2月27日と3月5日に行った予備実験のものだという分析が韓国軍から出ています。北朝鮮は3月16日にICBM発射に失敗しており(おそらく火星17)、3月24日の発射は実績ある火星15で行って火星17と言い張っている、という推定です。