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平成のタイトル・ホルダーズ。首位打者、本塁打王、打点王をすべて獲得したのは、三冠王の松中信彦と…

宇根夏樹ベースボール・ライター
松中信彦/2006年のWBC MAR 20, 2006(写真:ロイター/アフロ)

 昭和の三冠王は6人(延べ10人)いるが、平成の三冠王は松中信彦だけだ。松中は平成16年(2004年)に、パ・リーグ1位の打率.358、44本塁打、120打点を記録した(本塁打はフェルナンド・セギノールとタイ)。

 ただ、平成も二冠王は多く、3度ずつの松井秀喜中村剛也を筆頭に、25人(延べ32人)を数える。二冠の組み合わせは、「本塁打王&打点王」が延べ26人と圧倒的に多い。「首位打者&打点王」は5人。トニ・ブランコは平成21年(2009年)が前者、平成25年(2013年)は後者だ。「首位打者&本塁打王」は、平成4年(1992年)のジャック・ハウエルしかいない。

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 松中とブランコを含め、二冠王の25人中5人は、平成の間に打撃三冠のすべてを制した。二冠王が3度とも本塁打王&打点王の松井は、その2度目と3度目の間、平成13年(2001年)に首位打者を獲得。小笠原道大は平成14~15年(2002~03年)に2年続けて首位打者の後、平成18年(2006年)に本塁打王&打点王の二冠王となった。アレックス・ラミレスは2度の本塁打王&打点王を挟みに挟まれ、平成21年(2009年)に首位打者を手にしている。

 なお、ブーマー・ウェルズの本塁打王1度(三冠王)と落合博満の首位打者5度(うち3度は三冠王)はいずれも昭和なので、「平成の打撃三冠」には含めていない。また、三冠王も二冠王もなしに打撃三冠を制覇した選手――首位打者、本塁打王、打点王の3タイトルをそれぞれ別の年に獲得した選手――はいなかった。

 平成に首位打者2度以上、本塁打王2度以上、打点王2度以上は、それぞれ以下のとおり。松中は唯一人、3タイトルとも2度以上獲得している。

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ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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