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前年の優勝メンバーをトレードで呼び戻す。OPSは.600未満だが…

宇根夏樹ベースボール・ライター
ロビー・グロスマン Apr 24, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 5月8日、テキサス・レンジャーズは、マイナーリーガーの投手と交換に、シカゴ・ホワイトソックスからロビー・グロスマンを獲得した。

 グロスマンは、34歳の外野手だ。2021年以降、センターは守っていない。昨シーズンは、レンジャーズで115試合に出場し、打率.238と出塁率.340、10本塁打、OPS.734。初めてのワールドシリーズ出場は、代打の1打席のみ。三振を喫した。今シーズンは、25試合で打率.211と出塁率.329、OPS.597だ。ホームランは、打っていない。

 これだけでは、レンジャーズがグロスマンを呼び戻した理由は、見えてこない。

 グロスマンは、スイッチ・ヒッターだ。過去3シーズンのOPSを左打席(対右投手)と右打席(対左投手)に分けると、2021年が.734と.857、2022年が.509と.879、2023年は.633と.953。今シーズンも、左打席のOPS.481に対し、右打席ではOPS.976を記録している。

 レンジャーズでは、2人のルーキー、左打者のエバン・カーターと右打者のワイアット・ラングフォードがレフトを守っていた。彼らのうち、ラングフォードは、5月4日に右の太腿裏を痛めた。ダラス・モーニング・ニューズのエバン・グラントによると、ブルース・ボウチー監督は、3~4週間の離脱になるだろう、と語ったという。

 また、カーターだけでなく、レンジャーズには、左打者が多い。今シーズンのチームOPSは、対右投手が.755、対左投手は.631だ。

 5月7日を終えた時点で、レンジャーズは、21勝16敗(勝率.568)を記録し、ア・リーグ西地区の首位に立っている。一方、ホワイトソックスは、8勝28敗(勝率.222)だ。その勝率は、ア・リーグ中地区だけでなく、両リーグで最も低い。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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