「はやぶさ2」カプセル回収 JAXA会見(全文7完)未来は小惑星資源の有効利用も
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は6日午後、記者会見を開き、探査機「はやぶさ2」が分離したカプセルの回収状況を説明した。 【動画】「はやぶさ2」が分離したカプセルを無事回収 JAXAが会見(2020年12月6日) ※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは「「はやぶさ2」が分離したカプセルを無事回収 JAXAが会見(2020年12月6日)」に対応しております。 ◇ ◇
宇宙の探求は人類を豊かにするのか
Science Portal:JST Science Portalのクサカです。このたびはおめでとうございます。この記者会見って、結構大きな節目で、歴史的な会見かなと思うので、ちょっと大きな観点のというんですか、質問をさせていただければと思います。 私たち人類が存続するために、あるいは豊かになるために、科学技術がいかに貢献するのかっていうことが問われていると思います。私たちが今回成し遂げたこと、小惑星を含めて、宇宙の探求っていうのは、宇宙好きの人とか宇宙ファンの人が喜ぶっていうだけではなくて、人類を豊かにするものなのかどうかということを、それは今日やあした、暮らしを便利にって意味じゃなくて、もっと長いスパンのお話も話も含めてで結構なんですが、人類を豊かにすると、宇宙を探求することは、人類を豊かにするのかということについて、理由も含めてお2人から伺えればと思います。 津田:まずわれわれ、科学者というか、技術者も、広い意味で科学者ですから、科学者っていうのは、そういう今まで人間が知らない英知をどんどん明らかにしていくことが、人間の豊かさとか、世界がいい方向につながるということを信じている、そういう人種なんだと思います。
最先端技術を使った究極の基礎科学
そういう意味では、新しいことを知る、今まで知らないことを知るっていうのは、人間の好奇心の、人間の本性に訴えるものであるし、それがすごく美しい方向というか、いい方向に働くのが科学の探究なんだと思います。これはこういうタイプのミッションっていうのは、人類なら誰でもできるものではありません。それなりの余裕もなければいけないし、知的好奇心なら誰でもあるかもしれませんが、それを実行できるための基盤がなければいけない。 幸い、じゃあそれがあるわれわれ、あるいはそういうことを想像できる科学者であるわれわれは、それをやったら、それを使った世界というのを広げなきゃいけないんだと思います。だから、おっしゃっていただいたように、目の前の物事にすぐに役立つっていうものは、必ずしも科学が目指すものではなくて、これは最先端の技術を使った究極の基礎科学ですので、これで明らかになったことっていうのは必ずなんらかの形で人類全体の知識の豊かさ、あるいは英知の豊かさにつながるんだと思っています。 國中:先ほども紹介したように探査、探検なので、まず知らないことを知るようにするというのが、まずはわれわれの活動です。それで、小惑星探査に関していえば、まず小惑星に行けること、小惑星から帰ってこれること、サンプルを取ってきた。その量はともかくとして、まがりなりにもサンプルを取って、地球に持ってきたっていうことですよね。 やはりその次のステップは、それをいったい何に利用できるのか、人間の活動にどう利用、有効に利用できるのかっていうこと。さっき僕が夢物語だといった、カーボンがどのぐらいあるんですかっていう話も、やっぱりつながってきて、さらには人間活動の代表例として、産業なり経済活動の圏の中に、その小惑星を巻き込んでいかないといけないわけですね。 ただ、今すぐさまそれができるとは申し上げませんけれども、小惑星を資源にするっていうことを立法化している、日本もそういった活動を今、進めていますし、ルクセンブルクなどはそれを先行的にやっておって、日本も負けじと、遅れないように法律を課しているわけですよね。