「はやぶさ2」カプセル回収 JAXA会見(全文7完)未来は小惑星資源の有効利用も
こういうチーム構成になった経緯は
時事通信:こういうチーム構成になったのは、國中先生のほうが経緯はご存じかと思うんですけど、國中先生のほうからも何かありましたら。 國中:なかなか科学が大きくなっていって、今みたいなチームワークが自然発生的に出てくるかっていうと、それはなかなかそうはいかないんです。この「はやぶさ2」を立ち上げるときには、当時、山浦理事が日本中を走り回って、日本中の科学者を一致団結させるようなメカニズムをつくったんですね。そこを種として、もちろんそれだけでいいチームができるとは言いませんけれど、そういった、JAXAが計画的に身を粉にしてチームをつくるという活動をしたっていうことは非常に大きなことだったと思います。 やはり今、いろんなプロジェクトの立ち上げ方というのを議論しているんですけれども、なかなか日本の国力、科学や技術の国力として、アメリカ方式、ヨーロッパ方式は日本には合わないんじゃないかという議論をしています。つまり、アメリカやヨーロッパですと、大変層が厚いので同じ領域のプロジェクトのミッションを2、3チームつくる気になればできちゃうんですね。 ところが日本はそんな能力っていうか、それほど層が厚くないんですね。だから例えばAのプロジェクトとBのプロジェクトがコンピートして、どちらかを選びましょう、みたいなことをやり抜くと、Aのプロジェクトが選ばれたらいいんですけれども、それをつくる人たちは、やっぱりAとBのグループを混ぜないとつくれないんです。だから、そういうフルボトムアップで、本当にゼロから競争しながらミッションを決めていくっていうことが、日本の実情に合っているのかっていうことは今、議論をしています。 そうじゃなくて、ある意味議論は必要だけれども、JAXAなり、どこかのグループが予定調和でプロジェクトを選び、そこに予定調和でチームをつくるという、そういった方式というのも必要なんではないかという議論をしています。そこがやはりJAXAが、宇宙科学研究所がノードとなって、するべきことだと考えています。 時事通信:ありがとうございました。 司会:ありがとうございました。これで相模原最後のご質問になります。私から見て奥の方、どうぞ。