「はやぶさ2」カプセル回収 JAXA会見(全文7完)未来は小惑星資源の有効利用も
次のステップは何に利用できるのか
ある意味それは、民間活動を小惑星の資源の有効利用に向けて誘導しているわけですよね。今すぐそれが実現できるとは言いませんけれども、遠い未来に向かっては、そういった経済圏に、経済活動圏にそういったものを巻き込んでいくという方向が見えていると思います。 ただ、われわれはたぶんそういった経済活動からは最も遠いブランチなので、僕らはそういったところに感度があるかっていうのとはまた別の話ではありますが、New Spaceの人たちはそういったところに出ようとしているわけで、そういったところに、ちょっとギャップはあるかもしれませんが、ゆくゆくはつながっていくものと思っています。 Science Portal:深いお話、ありがとうございました。 司会:ありがとうございます。相模原会場はあと2問、3問ですかね。では前列の方お願いします。
次世代に伝えたいことは
記者4:フリーライターの【アラセ 02:59:15】と申します。よろしくお願いいたします。今回の「はやぶさ2」のミッションっていうか、運用を通しまして、お2人が学んだこと、それから次の世代の人たちに伝えていきたいことを教えてください。たくさんあると思うんですけど、すいません。思い付くことで。 津田:学んだこと。1つはなせばなるんだなというふうに思いました。本当に、ここまでちゃんと開発して、なんとか開発して、打ち上げてたどり着いたのにこれかというふうに、リュウグウに着いたときには思って、もう絶望の淵に立たされたわけですけれども、そういう小惑星であったからこそいいチームワークになったという面もありますし、工夫をきちんとすれば解決策は、糸口が何か見つかるという意味で、非常に幸運があったかもしれませんが、ポジティブになりました。これはポジティブじゃないとこういう挑戦ってやってられないので、このポジティブさをいかに保つかというのが重要かと思いました。 國中:「はやぶさ2」をつくっているときはもう、めちゃめちゃ現場でしたけれども、そのあとはだいぶ仕事が変わっちゃって、専ら経営活動になってしまいまして。「はやぶさ2」もそうですけれどもある意味、そういう意味では僕は「はやぶさ2」からはちょっと距離を置いて「はやぶさ2」を見ていたので、当然ながら「はやぶさ2」以外に宇宙研が運用している、それから開発している衛星プロジェクトっていうのは、もう10個も20個も並んでいるわけですよ。それをうまく回していかないといけないので、そこで「はやぶさ2」が転んでもらっちゃ困るわけですよ。 だから、そこをどううまく失敗させないようにガイドして、「はやぶさ2」を先兵にして予算を獲得して、次のミッションをどう回していくかっていうのが、僕のここ5~6年やってたことなので、僕はそこをずいぶん、政府との関係であるとか、プロジェクトの関係であるとかはずいぶん勉強させてもらったなと思ってます。