JAXA津田プロマネ「カプセルは完全な状態で帰ってきた。中を開けるのが楽しみ」はやぶさ2は次の旅へ
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は6日、記者会見を開き、探査機「はやぶさ2」が小惑星「リュウグウ」で採取した砂が入ったとみられるカプセルが無事に地球に帰還したことを報告した。はやぶさ2の津田雄一プロジェクトマネージャーは、「ただいま。はやぶさ2は帰ってきました。6年間の宇宙飛行を終えて、今朝(6日)オーストラリア・ウーメラの地に“玉手箱”を舞い降ろすことができた。中を開けることが楽しみ」と感慨深く語った。 【動画】「はやぶさ2」が分離したカプセルを無事回収 JAXAが会見
「惑星間往復飛行の扉」をくぐり抜けた
カプセルは5日午後、はやぶさ2から分離され、6日午前2時半頃、大気圏に再突入。オーストラリア南部の砂漠地帯に着地し、同午前8時3分にウーメラ基地に回収された。カプセルの中には、はやぶさ2が行った人工クレーター生成と2度にわたるタッチダウン(着地)で得られたリュウグウの土砂や地下物質が入っているとみられている。これらを分析することで、太陽系や地球生命の起源や進化の過程の解明につながることが期待されており、カプセルは“宝物”“や玉手箱”などに例えられる。 津田氏は「はやぶさ2のカプセルは完全な状態で帰ってきた。探査機も完全な状態で次の旅へと進んでいる。他の惑星に行って帰ってくる『惑星間往復飛行』の旅は初代はやぶさが開いたが、はやぶさ2でその扉をくぐり抜けたということになる」と順調に進んだミッションと成果を喜んだ。
完全にコントロールされたミッションを完遂
はやぶさ2の前プロジェクトマネージャーでもある宇宙科学研究所の國中均所長は「完全にコントロールされたミッションを完遂できた。エンジニアリング冥利に尽きる。惑星探査は難度が高く、これまで火星探査機『のぞみ』、(初代)はやぶさ1、金星探査機『あかつき』ではたくさんの故障を起こし、予定通りのミッションをこなせてなかったが、はやぶさ2は予定していたミッションを100%行い、地球に帰ってこれた。宇宙研も惑星探査の領域で次のステージに上がることができた」と述べた。 さらに「はやぶさの流れは川口(淳一郎)教授のつくった道行きを発展して、ここまで運んできた」と初代はやぶさのプロジェクトマネージャーを務めた川口氏の功績にも言及した。
はやぶさ2は地球圏を離脱、次の小惑星へ
JAXAによると、今回のカプセル分離運用は予定通り実行され、再突入カプセル、パラシュート、ヒートシールドをすべて回収が完了した。はやぶさ2本体も地球圏の離脱運用に成功し、地球を離れる軌道に乗ったという。はやぶさ2は新たなミッションとして、今後11年かけて次の小惑星「1998KY26」に向かう。