「はやぶさ2」カプセル回収 JAXA会見(全文7完)未来は小惑星資源の有効利用も
次世代に伝えたいこともそれと同じか
記者4:次の世代に伝えていきたいこととかっていうのも同じでいいですか。 國中:経営のことは考えなくていいので、ぜひとも新しい領域に挑戦するような人たちが出てきて、そこで知見や経験を積んで、ある人は経営の方向に進んでもらえればいいし、ある人はまた、やはり技術ばりばりで進んでもらえればいいし、ある人は科学の真理を追究してもらえればいいんじゃないかなと思います。 それにしても挑戦してくれる人、JAXAなり宇宙開発という領域に進出してくれる人がいないことには始まらないので、ぜひとも皆さん若い人たち、「はやぶさ2」が面白かったかどうかは別にして、もしも共感してもらえるのであれば、ぜひとも挑戦してほしいなと思います。 司会:ありがとうございました。それでは、はい、どうぞ。【カンダ 03:02:45】さん。
津田氏にとってエンジニア冥利に尽きるとは
時事通信:時事通信のカンダです。先日、國中先生の先生に当たる栗木恭一先生にお話をお伺いする機会があって、運用チームは誰もイオンエンジンのことを心配していないようにみえると。それが当たり前に動くということが、エンジニアリングの立場としては冥利に尽きるというお話がありました。津田先生にとって、エンジニア冥利に尽きるというのはどういうことなのか教えてください。 津田:やっぱりスペックどおりに動くことですけれども、スペックどおりというのを、スペック、どういうものをつくるかっていうのをきちんと思い描けること。で、ただ思い描くだけじゃなくて、思い描いたことをそのとおりつくることだと思います。だから、栗木先生と一緒のことを申し上げているかもしれませんけれども、やっぱりつくったように飛ばせて、飛んでいるときには、実際に飛んでいるときには、もうつくっているときと同じことができるということが技術者冥利に尽きるかなと思います。 時事通信:あともう1点、「はやぶさ2」のチームというのは、サイエンスのチームとのコラボレーションというか、協力関係というのが非常にうまく働いたと思うんですけれども、津田さんが心掛けていたことというのは、何かあるんでしょうか。 津田:はい。これ、私自身の感覚としては、サイエンスと工学とかいうふうに分かれて、別々のことをやるっていう立場ではなくて、一緒に混ざり合って同じことをやらなければいけない、そのときのexpertiseが、サイエンス寄りか、工学寄りかというのはありますが、目標は同じものを持たなきゃいけないというふうに思ってます。 だから、それをどうやって、いろんなバックグラウンドの人たちを、同じ土俵の上で議論できればとか、物をつくっていく場にしていくかというのを、よく心を砕いたというふうに思ってます。