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今年もマダニによる感染症リスクが拡大中!今すぐできる予防策と注意点 #専門家のまとめ

有吉立アース製薬(株)研究部で害虫飼育を担当
写真はイメージ(写真:アフロ)

マダニが媒介するSFTS(重症熱性血小板減少症候群)に感染した人の数は昨年全国で122人と過去最多となっています。今年も早くからSFTS感染についてのニュースが報じられていますので、今後も増加する可能性が高いでしょう。また、マダニに刺されすぎると食物アレルギーになることもわかっています。私たちがマダニから身を守るためにできることを紹介します。

ココがポイント

▼SFTS感染症で長崎では80代女性が死亡。治療薬はなく致死率は3割。ヒトからヒトへの感染も初確認

・「いつ?どこで?」ダニの刺し口がない感染例も 致死率3割のマダニが媒介する危険な感染症が増加中(FNNプライムオンライン)

▼静岡県でマダニに刺され日本紅斑熱の感染者が増加、今年に入って4人目

・屋外作業中にマダニにかまれたか 70代男性が日本紅斑熱に感染 これで4人目…過去最多の2倍のペース=静岡県(SBS静岡放送)

▼マダニに刺されると肉や乳製品が食べられなくなる?マダニ刺咬で起こる食物アレルギー「アルファーガル症候群」とは?

・マダニに咬まれて肉アレルギーに!? アルファーガル症候群の治療法と予防策(Yahoo! ニュース エキスパート 大塚篤司)

▼マダニから身を守るために! 野外活動の出発前と帰宅後に行うべき対策

知っておきたい!マダニが媒介する感染症!野外活動で身を守るポイント(Yahoo! ニュース エキスパート 有吉立)

エキスパートの補足・見解

マダニに刺されると、SFTS、日本紅斑熱、ライム病などの感染症に罹る恐れがあります。ワクチンはまだ開発されていないため、「刺されない」ことが最も重要です。マダニは、吸血源であるシカやイノシシなどの野生生物が出る環境に多く生息していますが、民家の近くなど身近な場所にもいます。そのため、山の中だけでなく、草むらなどを散歩する際にも注意が必要です。

また、マダニ刺咬が原因で起こる食物アレルギーも世界中で問題になっています。自分の身を守るために、キャンプなど野外活動が本格化する時期に向け、マダニに刺されない対策を行い、野外活動を楽しんでください。

アース製薬(株)研究部で害虫飼育を担当

兵庫県出身。都内の美術学校卒業後、 家具店店員、陶芸教室講師など虫とは全く関係のない職業に就いていたが、1998年に地元・赤穂のアース製薬に入社以来、害虫の飼育を担当している。しかし、現在も虫は好きではない。著書に「きらいになれない害虫図鑑」(幻冬舎)※記事は個人としての発信です。

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