米海軍の最新鋭USV2隻が横須賀に寄港
米海軍の最新鋭無人水上艦(USV)2隻が9月18日、神奈川県の横須賀基地に寄港した。横須賀や佐世保をはじめ、日本で確認されるのは極めて珍しい。
横須賀に入港したのはUSVのマリナーとレンジャー。船体下半分の外装がダークブルーになっているのがマリナー、そして、船体全体が灰色となっているのがレンジャーだ。
ハワイに司令部がある米太平洋艦隊は今年5月1日、2回目のマルチドメイン無人能力演習を開始した。この演習は「無人システム統合戦闘課題(UxS IBP)23.1」と呼ばれ、米カリフォルニア州サンディエゴに拠点を置く第3艦隊によって実施される戦術戦闘リハーサルイベントとなっている。8月中旬にはハワイの真珠湾に向かう米海軍の無人水上艦隊であるマリナー、レンジャー、シーハンター、シーホークの4隻の姿が確認されている。
米海軍のUSVは、マルチミッションの無人艇を艦隊に統合するために2018年に開始された試作プログラム「ゴースト・フリート・オーヴァーロード」の一部をなしている。姉妹艦であるレンジャーとマリナーもその開発プログラムの中で、海上艦艇への自律航行技術の導入を目指す米国防総省のプロジェクトの一環として米海軍によって運用が開始された。
2隻は米防衛技術会社レイドスと米造船所ガルフ・クラフトの協業によって開発された。大きさは全長193フィート(59メートル)、全幅32フィート(10メートル)。20フィートのコンテナ2個と40フィートのコンテナ4個を搭載できる貨物輸送能力を維持しているが、多くの場合、コンテナには船舶の運航に不可欠な追加のシステムやセンサーが搭載されている。ロッキード・マーティンのイージス戦闘システムを搭載し、艦隊内の他のイージス艦とリンクすることができる。これまでに迎撃ミサイルのSM-6の試射を実施してきている。
両艦はもともと海洋石油・ガス業界の顧客をサポートする迅速な乗組員の移動と補給任務のために開発された船舶設計を有している。両艦の改造に際しては、衛星通信や異なる帯域の3つのレーダー、電気光学センサーと赤外線センサー、無線機が追加された。
以下の写真では、左側がマリナー、右側がレンジャーとなっている。
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