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18きっぷ改悪の今こそ注目したい、代わりに使えるJR各社のおトクなフリーきっぷまとめ

清水要鉄道・旅行ライター

 有効期間内の任意の日を指定して使うことができていたのが、3日間または5日間連続となることで、持ち前の柔軟性が失われてしまう青春18きっぷ。

 その改悪をお嘆きの方も多いとは思うが、今回は改悪に伴って使いづらくなる青春18きっぷの代わりになりそうな、JR各社のおトクなフリーきっぷをまとめてみた。あいにく青春18きっぷのように広い範囲をカバーするものはないものの、県単位・エリア単位の利用であれば代わりになりそうなきっぷは多い。北海道・東日本パスのように青春18きっぷを上回る日数を連続で使わなければいけないきっぷや、有効エリアが狭すぎるきっぷは趣旨からズレるので省いた。いずれもデータは令和6(2024)年10月27日時点のものである。見やすくするために省いた部分もあるので、詳細は購入前に各社公式サイトで確認してほしい。

JR北海道

一日散歩きっぷ

【発売期間】4月27日~11月10日の土休日

【有効期間】1日間、当日のみの発売

【有効列車】道央エリアの普通・快速列車自由席

【値段】2,540円

 一日散歩きっぷは札幌を中心とした道央で利用できるフリーきっぷで、東は美瑛・新得、西は長万部と広い範囲をカバーしている。新夕張~新得間および東室蘭~室蘭間では区間内の相互発着に限り、特急列車指定席の空席も利用できる。普通・快速の指定席を利用する際には指定券が必要だ。札幌を拠点にちょっと休日日帰りでお出かけといった利用にはちょうどいいきっぷである。

道北一日散歩きっぷ

【発売期間】4月27日~11月10日の土休日

【有効期間】1日間、当日のみの発売

【有効列車】道北エリアの普通・快速列車自由席

【値段】2,540円

 道北一日散歩きっぷは一日散歩きっぷの道北版で、旭川を中心としたエリアで利用できる。北は天塩中川、東は上川、南は富良野、西は美唄といった範囲だが、普通・快速列車の本数が少ない宗谷本線名寄以北や函館本線では使いにくそうだ。発売箇所は深川駅・旭川駅・永山駅の3駅に限定されている。

はこだて旅するパスポート

【発売期間】来年3月31日まで

【利用期間】1日用は3月31日、2日用は4月1日まで

【有効期間】1日間または2日間、一か月前から当日まで発売

【有効列車】道南エリアの普通・快速列車自由席および道南いさりび鉄道、函館市電、函館バス

【値段】1日用:おとな2,690円、こども1,340円 2日用:おとな3,650円、こども1810円

 はこだて旅するパスポートは、JRの函館~森間(砂原支線・藤城支線含む)だけでなく道南いさりび鉄道と函館市電、函館バスも利用可能なフリーきっぷだ。1日用と2日用があり、それぞれこども用が設定されている。函館旅行でその周辺も訪れたいという時にいいだろう。

JR東日本

あおもりホリデーパス

【発売期間】通年

【有効期間】土休日の1日間

【有効列車】青森エリアの普通・快速列車自由席、特急には特急券が必要

【値段】おとな2520円、こども1260円

 あおもりホリデーパスは青森県を中心としたエリアで利用できるきっぷで、JRだけでなく青い森鉄道でも利用可能だ。八戸線は岩手県の久慈まで全線で使用できる一方、五能線は五所川原、奥羽本線は弘前までで、青森県内のJRでも利用できない区間が存在する。特急および指定席にはそれぞれ特急券、指定券を別途購入すれば利用できる。

あきたホリデーパス

【発売期間】10月2日~来年2月24日

【利用期間】11月2日~来年2月24日

【有効期間】土休日の1日間

【有効列車】秋田エリアのJR・三セクの普通・快速列車自由席、特急には特急券が必要

【値段】おとな2,440円、こども1,220円

 あきたホリデーパスは秋田県を中心としたエリアで利用できるきっぷで、JRだけでなく秋田内陸縦貫鉄道、由利高原鉄道でも利用可能だ。秋田県内のJRでも奥羽本線大館以北および五能線能代以北、北上線、羽越本線象潟以南では利用できない。期間限定のきっぷではあるが、デジタル版も発売される。

いわてホリデーパス

【発売期間】通年

【有効期間】土休日の1日間

【有効列車】岩手エリアの普通・快速列車自由席、特急には特急券が必要

【値段】おとな2500円、こども1250円

 いわてホリデーパスは岩手県を中心としたエリアで利用できるきっぷで、JRだけでなくIGRいわて銀河鉄道(盛岡~好摩間)、岩泉線を代替した東日本交通バスも利用可能だ。花輪線は秋田県の大館、全線が宮城県を走る気仙沼線BRTも利用可能だが、田沢湖線雫石以西および北上線ほっとゆだ以西では利用できない。秋田新幹線では盛岡~雫石間のみ特急券の別途購入で利用可能だ。

小さな旅ホリデー・パス

【発売期間】通年

【有効期間】土休日の1日間

【有効列車】宮城・福島・山形東部エリアの普通・快速列車自由席、特急には特急券が必要

【値段】おとな2,720円、こども1,350円

 小さな旅ホリデーパスは、仙台を中心とした宮城・福島・山形の3県に跨ったエリアで利用できるきっぷで、北は気仙沼・平泉、西は新庄・今泉・喜多方・只見、南は新白河・小野新町と広い範囲に及ぶ。一方で常磐線だけは山下までと範囲が狭い。

えちごワンデーパス

【発売期間】通年

【有効期間】1日間

【有効列車】新潟エリアの普通・快速列車自由席、特急には特急券が必要

【値段】おとな1,570円、こども780円

 えちごワンデーパスは、新潟を中心としたエリアで利用できるきっぷで、北は村上、東は小国・日出谷、南は小千谷、西は出雲崎という範囲だ。

えちごツーデーパス

【発売期間】来年3月29日まで

【利用期間】来年3月30日まで

【有効期間】土休日の2日間

【有効列車】新潟エリアのJR・三セクの普通・快速列車自由席、特急には特急券が必要

【値段】おとな2,800円、こども1,400円

 えちごワンデーパスより広い範囲で利用できるのがえちごツーデーパスで、北は府屋、東は小国・野沢、南は大白川・越後中里、西は津南・妙高高原・市振とほぼ新潟県内全域で利用可能だ。JRだけでなく北越急行やえちごトキめき鉄道も利用できるので、新潟県内だけで使うのであれば以前の青春18きっぷよりも使い勝手がよいだろう。

週末パス

【発売期間】来年3月28日まで

【利用期間】来年3月30日まで

【有効期間】土休日の2日間、利用前日まで発売

【有効列車】南東北・関東・甲信越エリアのJR・私鉄・三セクの普通・快速列車自由席、新幹線・特急には特急券が必要

【値段】おとな8,880円、こども2,600円

 週末パスは、南東北・関東・甲信越という広い範囲のJRおよび一部の私鉄・三セクを利用できるきっぷだ。一日あたり4,440円と18きっぷより割高ではあるものの、特急券の購入で新幹線にも乗車できる上、JR以外の複数の私鉄・三セクを利用できることを考えればコスパは良いだろう。利用前日までの発売で、当日の発売がないので注意が必要だ。

休日おでかけパス

【発売期間】通年

【有効期間】土休日の1日間

【有効列車】首都圏の普通・快速列車自由席、新幹線・特急には特急券が必要

【値段】おとな2,720円、こども1,360円

 休日おでかけパスは首都圏のJRおよび東京臨海高速鉄道(りんかい線)、東京モノレールで利用できるきっぷだ。北は寄居、本庄早稲田、神保原、自治医大、足利、下館、土浦、東は成田空港、成東、茂原、上総亀山、君津、西は小田原、大月、武蔵五日市、奥多摩までが範囲である。範囲は狭いが、特急券購入で新幹線にも乗ることができてこの値段というのはなかなか魅力的だ。

ときわ路パス

【発売期間】夏季:6月13日~9月1日、秋季:9月5日~12月22日、冬季:来年1月8日~3月30日

【有効期間】夏季:7月13日~9月1日、秋季:10月5日~12月22日、冬季:2月8日~3月30日

【有効列車】茨城県内のJR・私鉄の普通・快速列車自由席、特急には特急券が必要

【値段】おとな2,180円、こども550円

 ときわ路パスは茨城エリアのJRおよび関東鉄道、鹿島臨海鉄道、ひたちなか海浜鉄道、真岡鉄道で利用できるきっぷだ。JRは各県境駅までしっかりカバーされており、真岡鉄道は栃木県内も含めて全線で利用できる。

ぐんまワンデーローカルパス

【発売期間】来年3月31日まで

【有効期間】1日間

【有効列車】群馬県内のJR在来線・私鉄の普通・快速列車自由席、特急には特急券が必要

【値段】おとな2,500円、こども1,250円

 ぐんまワンデーローカルパスは、群馬県内のJR・私鉄で利用できるデジタルきっぷで、JRだけでなく東武鉄道・上信電鉄・上毛電鉄・わたらせ渓谷鉄道でも利用可能だ。JRのフリー区間は県外にもはみ出ており、両毛線は小山、高崎線は深谷までがフリー区間だ。JRだけでなく東武の特急「りょうもう」にも特急券別途購入で乗車できるが、わたらせ渓谷鉄道のトロッコ列車には利用できない。GunMaaS Webサイト上での販売で、みどりの窓口・券売機での発売はない。

サンキューちばフリーパス

【発売期間】9月1日~10月30日、来年1月4日~2月27日

【利用期間】今期は10月31日、来期は2月28日まで

【有効期間】土休日の2日間

【有効列車】千葉県内のJR・私鉄の普通・快速列車自由席、特急には特急券が必要

【値段】おとな3,970円、こども1,980円 都区内からの往復タイプはおとな4,970円、こども2,390円

 サンキューちばフリーパスは、千葉県内のJR・私鉄で利用できるきっぷで、JRだけでなく京成電鉄・新京成電鉄・北総鉄道・芝山鉄道・小湊鉄道・いすみ鉄道・銚子電鉄・流鉄、そして久里浜と浜金谷を結ぶ東京湾フェリーで利用可能だ。都区内からの往復券つきも発売されており、こちらは「いき」「かえり」の2枚に分かれている。往復券の場合、フリー区間の最初の駅あるいは旅の終わりの駅で自動改札機に入れると回収されてしまうので、記念に持ち帰りたい場合は注意が必要だ。

信州ワンデーパス

【発売期間】通年

【有効期間】1日間

【有効列車】長野エリアの普通・快速列車自由席、特急には特急券が必要

【値段】おとな2,680円、こども1,050円

 信州ワンデーパスは長野県を中心としたエリアのJR東日本としなの鉄道(長野~豊野間)で利用できるきっぷだ。長野県内のJRでもJR東海・JR西日本では利用できない。一方で、飯山線は新潟県の越後川口、中央本線・飯山線は山梨県の小淵沢までと県境を越えて利用できる区間もある。

JR東海

JR東海&16私鉄 乗り鉄☆たびきっぷ

【発売期間】通年

【有効期間】土休日の2日間

【有効列車】東海エリアのJR・私鉄・三セクの普通・快速列車自由席、新幹線・特急には特急券が必要

【値段】おとな8,620円、こども4,040円

 JR東海&16私鉄 乗り鉄☆たびきっぷはJR東海の東海道新幹線(熱海~米原間)および在来線全線と16の私鉄・三セクで利用できるきっぷだ。範囲が広い上に特急券別途購入で新幹線「ひかり」「こだま」にも乗れる(4回まで)ことを考えれば、コスパは良いだろう。私鉄・三セクに関しては大手の名鉄・近鉄を除く各社を網羅している。

青空フリーパス

【発売期間】通年

【有効期間】土休日および年末年始の1日間

【有効列車】中京エリアの普通・快速列車自由席、特急には特急券が必要

【値段】おとな2,620円、こども1,310円

 青空フリーパスは名古屋を中心としたエリアで利用できるきっぷで、JRだけでなく伊勢鉄道でも利用可能だ。北は下呂、東は木曽平沢・飯田・二川、西は鳥羽・紀伊長島・伊勢奥津・米原と範囲は広い。

休日乗り放題きっぷ

【発売期間】通年

【有効期間】土休日および年末年始の1日間

【有効列車】静岡エリアの普通・快速列車自由席、特急には特急券が必要

【値段】おとな2,720円、こども1,360円

 休日乗り放題きっぷは静岡県を中心としたエリアで利用できるきっぷで、御殿場線は神奈川線の国府津、身延線は山梨線の甲府、東海道本線は愛知県の豊橋まで利用可能だ。

JR西日本

北陸おでかけtabiwaパス

【発売期間】来年3月28日まで

【利用期間】来年3月31日まで

【有効期間】1日間

【有効列車】北陸エリアのJR・三セクの普通・快速列車自由席、特急には特急券が必要

【値段】おとな2,900円、こども1,160円

 北陸おでかけtabiwaパスは北陸エリアのJR在来線と三セクで利用できるデジタルきっぷで、18きっぷがカバーしていない並行在来線の三セク各社とのと鉄道もカバーしているのが魅力だ。東は妙高高原から西は青郷まで範囲は北陸全域に及ぶ。JR西日本の「tabiwa」のデジタルきっぷは「tabiwa by WESTER」のみでの販売で駅での販売はない。

とやま周遊2dayパス

【発売期間】来年3月31日まで

【利用期間】来年4月1日まで

【有効期間】2日間

【有効列車】富山西部エリアのJR・私鉄・三セクの普通・快速列車自由席

【値段】おとな1,520円、こども760円

 とやま周遊2dayパスは富山県西部のJRとあいの風とやま鉄道(高岡~富山間)、万葉線、富山地方鉄道市内電車で利用できるデジタルきっぷだ。JRは氷見線・城端線の全線と高山本線越中八尾以北をカバーしている。範囲が少し狭いが、二日間で1,520円は破格だ。

越前tabiwaパス

【発売期間】来年3月31日まで

【利用期間】来年4月1日まで

【有効期間】2日間

【有効列車】福井嶺北エリアのJR・三セクの普通・快速列車自由席

【値段】おとな2,500円、こども1200円

 越前tabiwaパスは福井県嶺北のJR(越美北線全線)とハピラインふくい(南今庄~牛ノ谷間)と京福バス大野線・一乗谷東郷線が利用できるデジタルきっぷだ。使える範囲は狭いが、二日間でこの値段なら充分お得な方だろう。

岡山ワイドパス

【発売期間】来年3月31日まで

【利用期間】来年4月2日まで

【有効期間】3日間

【有効列車】岡山県全域のJR・私鉄・三セクの普通・快速列車自由席、特急には特急券が必要

【値段】おとな4,200円、こども2,100円

 岡山ワイドパスは、岡山県を中心としたエリアのJR在来線全線と岡山電気軌道、水島臨海鉄道、井原鉄道の全線、トモテツバス・両備バスの一部路線で利用できるデジタルきっぷだ。広島県内も山陽本線を三原まで、芸備線を備後落合まで利用できる。一日あたりで見ると1,400円と破格の値段だ。

せとうち岡山パス

【発売期間】来年3月31日まで

【利用期間】来年4月1日まで

【有効期間】2日間

【有効列車】岡山県南エリアのJR・井原鉄道の普通・快速列車自由席、特急には特急券が必要

【値段】おとな3,900円、こども1,900円

 せとうち岡山パスは、岡山県南部・広島県南東部のJRと井原鉄道、複数の船舶とバスで利用できるデジタルきっぷだ。岡山ワイドパスのエリアから総社以北と吉備線・津山線などを抜いて瀬戸内海沿岸に特化した内容となっており、鉄道旅行よりは船舶と組み合わせた観光旅行向きだ。

岡山香川ワイドパス

【発売期間】来年3月31日まで

【利用期間】来年4月2日まで

【有効期間】3日間

【有効列車】岡山県南・香川エリアのJR普通・快速列車自由席、特急には特急券が必要

【値段】おとな3,500円、こども1,750円

 岡山香川ワイドパスは、岡山県南部・香川県のJRと岡電バス一部路線、小豆島への両備国際フェリーで利用できるデジタルきっぷだ。岡山県内が山陽本線(岡山~倉敷間)と宇野線・瀬戸大橋線と範囲が狭いのに対し、香川県内では東は屋島から西は観音寺、南は琴平までと東部を除くほぼ全域で利用できる。

広島ワイドパス

【発売期間】来年3月31日まで

【利用期間】来年4月2日まで

【有効期間】3日間

【有効列車】広島県全域のJR普通・快速列車自由席

【値段】おとな4,600円、こども2,300円

 広島ワイドパスは、広島県全域のJR(木次線を除く)と複数の船舶・バスで利用できるデジタルきっぷだ。宮島以外にも大崎上島・下島や江田島といった島々も範囲に含まれている。

山陰のんびりパス

【発売期間】来年3月31日まで

【利用期間】来年4月2日まで

【有効期間】3日間

【有効列車】山陰エリアのJR普通・快速列車自由席、特急には特急券が必要

【値段】おとな4,500円、こども2,200円

 山陰のんびりパスは、鳥取県・島根県全域のJRで利用できるデジタルきっぷだ。山陰本線益田以西を除けば両県内のJR全線をカバーしている。山陰地方の広さを考えればこれまた破格の値段だろう。

山口セントラルパス

【発売期間】来年3月31日まで

【利用期間】来年4月1日まで

【有効期間】2日間

【有効列車】県西を除く山口エリアのJR普通・快速列車自由席、特急には特急券が必要

【値段】おとな3,500円、こども1,750円

 山口セントラルパスは、山口県東部・中央部のJRと高速バス「スーパーはぎ号」、萩循環まぁーるバスを利用できるデジタルきっぷだ。東は岩国・津和野・東萩から、西は長門市・厚狭までの範囲をカバーしている。山陰本線の本数が少ない萩へも高速バスで行けるところがこのきっぷの強みだろう。

下関・長門tabiwaぐるりんパス

【発売期間】来年3月31日まで

【利用期間】来年4月1日まで

【有効期間】2日間

【有効列車】山口県西エリアのJR普通・快速列車自由席

【値段】おとな3,500円、こども1,750円

 下関・長門tabiwaぐるりんパスは、山口県西部のJRと複数のバスが利用できるデジタルきっぷだ。東は東萩・新山口までが範囲で、宇部線・小野田線は利用できない。セントラルパスと一部被る範囲があるものの、こちらはその名の通り下関市・長門市を中心としたエリアがメインという印象だ。

JR四国

四国フリーきっぷ

【発売期間】通年

【有効期間】3日間

【有効列車】JR四国全線の特急列車自由席および普通・快速列車

【値段】おとな18,000円、こども9,000円

 四国フリーきっぷはJR四国全線で利用できるきっぷで、紙のきっぷとデジタル版の両方がある。特急列車も自由席が乗り放題で、一日あたり6,000円というのはかなりお得だ。

バースデイきっぷ

【発売期間】来年3月31日まで

【利用期間】来年4月2日まで

【有効期間】3日間

【有効列車】JR四国全線の特急列車自由席および普通・快速列車

【値段】本人12,000円、同行者15,000円、こどもはそれぞれ半額

 バースデイきっぷは誕生月の連続3日間にJR四国全線で利用できるきっぷで、本人だけでなく同行者も四国フリーきっぷより安い値段で利用可能だ。1日あたりの値段は本人4,000円、同行者5,000円だ。駅レンタカーでの優待特典もある。

若者限定四国フリーきっぷ

【発売期間】冬季:11月10日~来年1月10日

【利用期間】冬季:12月10日~来年1月12日

【有効期間】3日間

【有効列車】JR四国全線の特急列車自由席および普通・快速列車

【値段】12,000円

 若者限定四国フリーきっぷは連続3日間JR四国全線で利用できるきっぷで、25歳以下限定、購入には年齢を確認できる公的証明書が必要となる。値段的にはバースデイきっぷ本人用と変わらない。こちらにも駅レンタカーの優待特典がある。例年、青春18きっぷと同じ時期(春季・夏季・冬季)に発売されているが、18きっぷよりも発売開始時期は早い。大人の休日俱楽部など高齢者優遇の傾向が強いJRにあって、JR四国は旅する若者の心強い味方だ。

四国再発見早トクきっぷ

【発売期間】通年

【有効期間】土休日の1日間、前日までの販売

【有効列車】JR四国全線の普通・快速列車

【値段】おとな2,400円、こども1,200円

 四国再発見早トクきっぷはJR四国全線の普通・快速列車が1日乗り放題となるきっぷで、値段的には青春18きっぷ5日間用の1日あたりとほぼ同額だ。当日の発売がなく、前日までの発売であるのが難点で、四国外の居住者は前泊でもしない限り購入のハードルが高い。近畿在住の筆者の場合は、JR四国ツアー梅田店を利用して購入した。梅田店は事前の来店予約が必要なので注意されたい。

JR九州

旅名人の九州満喫きっぷ

【発売期間】通年

【有効期間】購入から3か月以内の任意の3日間

【有効列車】JR九州全線および九州全域の私鉄・三セクの普通・快速列車自由席

【値段】11,000円

 旅名人の九州満喫きっぷは、JR九州と九州の私鉄全線の普通・快速列車で利用できるきっぷだ。以前の青春18きっぷのように、任意の3日間を指定して使うことができ、同一行程での複数人利用も可能だ。1日あたりは3,666円と18きっぷ5日間用よりも割高だが、私鉄でも利用できることや18きっぷが失った柔軟性を残してくれていることを思えば、文句を言ったらバチが当たるというものだ。1日分余ったら次の旅行で使うというのも可能だが、有効期間は購入から3か月以内なので、注意しよう。

ぐるっと九州きっぷ

【発売期間】通年

【有効期間】3日間

【有効列車】JR九州全線の普通・快速列車自由席、新幹線・特急には特急券が必要

【値段】(ネット予約)おとな14,300円、こども7,150円 (駅窓口)おとな15,800円、こども7,900円

 ぐるっと九州きっぷは、JR九州全線を連続3日間利用できるきっぷで、特急券別途購入で新幹線・特急も利用可能だ。旅名人と比べると割高で、新幹線や特急を利用しないのであれば旅名人を使った方がよいだろう。ネット予約と駅窓口で値段が異なるので、お得に買いたいならネットを使おう。

南九州DE超回復!きっぷ

【発売期間】9月1日~来年3月22日

【利用期間】10月1日~来年3月31日

【有効期間】3日間

【有効列車】南九州エリアの新幹線・特急の普通車自由席および、普通・快速列車自由席

【値段】おとな15,000円、こども6,000円

 南九州DE超回復!きっぷは、熊本・鹿児島・宮崎3県全域のJRで利用できるきっぷで、ネット限定発売となっている。新幹線・特急は普通車自由席を利用可能で、普通車指定席も3回まで利用できる。グリーン車にはグリーン券が別途必要だ。

1日あたり5,000円と割高だが、新幹線や特急も乗り放題と考えればまあこんなものだろう。

 以上、JR各社が出しているフリーきっぷのうち、18きっぷの代わりに使えそうなものをまとめてみた。県や地方を跨いでの移動となるとやはり18きっぷが便利だが、一つの県で乗り降りを繰り返して1日や2日でじっくり楽しむという場合であれば、これらの地域単位のフリーきっぷの方が安くて使い勝手がいい場合がほとんどだ。私鉄に乗れるきっぷや特急に乗れるきっぷもあり、以前の18きっぷと比べてさえ「○○フリーパス」の方が便利だというケースがしばしばある。

 情報収集を欠かさず、各地のフリーきっぷをうまく組み合わせれば、18きっぷ以上に旅を楽しむことも可能だ。この冬、使いにくくなった18きっぷの代わりに、これらのフリーきっぷで旅に出てはいかがだろうか。

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鉄道・旅行ライター

駅に降りることが好きな「降り鉄」で、全駅訪問目指して全国の駅を巡る日々。

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