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「スピード」と「完成度」のバランスは? 量より質なのか? 質より量なのか?【5000字】

横山信弘経営コラムニスト
(筆者作成)

■スピードと完成度ならどっち?

「スピードと完成度、どちらを優先したらいいのか?」

ある課長から、こんな質問を受けた。

部下が自分の力で、期限までに仕事をやり抜くことが望ましい姿だ。しかし課長の部下は、なかなかそれができないでいるという。

スピードを優先させると質が悪い仕事をするし、完成度に重きを置かせたら考え込んでしまって、期限ぎりぎりまで手を付けられなくなった。

だからスピードと完成度、どちらを優先したらいいのか、わからないと言う。

実際に、このような悩みを抱えているマネジャーはとても多い。マネジャー自身が「スピード派」ならスピードや量を重視する。「完成度派」のマネジャーなら、完成度や質に気を遣う。

どちらも正解と言いたい。しかし、まだ経験が浅い若手には「スピード」を意識させるべきだ。

なぜか? 

ここから、スピードを意識すべき理由を3つを紹介する。

しかも、スピードを意識させることで、行動力やチャレンジ精神はもちろんのこと、主体性も発揮できるようになる。考える力も身につく。結果的に成長スピードも速くなるし、いいことばかりだ。

そのカラクリについても詳しく解説していこう。

<目次>

■スピードと完成度ならどっち?

■完成度を優先すべきではない3つの理由

(1)大事なことを忘れてしまう

(2)悩みを深めてしまう

(3)途中で諦めてしまう

■「考える」ためのスイッチとは何か?

■最悪なケースは上司に仕事を「巻き取られる」こと

■「やる気」が「やらされ感」に変わる4つのプロセス

■射撃で「仮説検証」を考えてみる

■仮説検証力をアップする「切り口」のレパートリー

■スピードを優先させて身につく3つの能力

(1)チャレンジ精神

(2)考える力

(3)やり抜く力

■スピードを重視したほうが「考える力」が身につく不思議

■完成度を優先すべきではない3つの理由

若手に仕事を依頼する場合、スピードと完成度、どちらを優先したらいいか悩んだら、スピードを優先しよう。量と質と悩んだ場合でも同じだ。量を選ぶのである。

では、なぜ完成度に重きを置くのがダメなのか。量よりも質をアップしようとしてはいけないのか。その理由から伝えよう。理由は3つある。

(1)大事なことを忘れてしまう

(2)悩みを深めてしまう

(3)途中で諦めてしまう

最初の理由は(1)の「大事なことを忘れてしまう」だ。意外と思われるかもしれないが、これが最もダメな理由である。

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経営コラムニスト

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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