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【相模原市】ゴミ焼却炉から”金が出た”ってホント!? 都市鉱山で話題「南清掃工場」の工場見学へ

旅人間はらぺこライター

はらぺこライターの旅人間です。相模原市が主催するSDGsをテーマにしたプレス取材に参加して「南清掃工場」の工場を見学した。

ところで、「ゴミ焼却炉から金を回収した」「都市鉱山発見された」そんな話を知っているだろうか?それにしても「金が出た」って本当なのだろうか?今回はそんな情報をシェアしましょう。

今回訪問した神奈川県相模原市の「南清掃工場」は、相模原麻溝公園のスグ近くにある。この地域には伝説巨人「でいらぼっち」の民話があり、公園内にある展望台からは巨大な足跡をした造形物がみられる。

この「南清掃工場」の工場見学をする場合は併せて行ってみると良い。

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さて、工場見学で施設内に入ると、そこは想像以上に広く清潔感がある。”ごみ焼却炉”という言葉から連想するニオイや不衛生な感じは一切無い。

今回特に印象に残ったポイントをピックアップするなら、巨大な「ごみクレーン」で収集されたゴミを撹拌(かくはん)し、投入ホッパに入れる様だろう。尚、実物大のクレーンのイラストは撮影スポットとなっている。

そして気になるのはゴミ焼却炉から回収した「金」についてだ。

同工場で採用している「流動床式ガス化溶融炉」は、高温で流動する砂(約14t)を用いてゴミをガス化し燃焼しているという。

一般ゴミとして廃棄される電子機器等には貴金属が含まれており、炉の底部に堆積した比重の重い砂(炉底砂 約2t)の中から貴金属(金や銀など)が回収できるのだという。年間6回、休炉中に回収を行っているそうだ。

この点に関してもう少し詳しく説明を聞くと、最初は「炉底砂の重さがちょっと違う…」というのが始まりだったそう。すると金属が入っており、より細かく調べたら金や銀の回収に至ったのだという。

ちなみに、この炉底砂は以前から特に処分せずに置いていたそうだ。

その為、初年度の令和3年は累積された砂の量が多かったのもあり、金と銀の回収は共に15キロほど収入は3,700万円になったという。

その後は継続して金は5~6キロほど、銀は10キロほどの回収、新たに銅やパラジウム(レアメタル)も回収できることが分かったそうだ。令和5年は総額で約2,760万円の収入だったという。

一体なぜ、金や銀が一般のゴミから回収できたのだろうか?

それはパソコン、配線、プリント基板、電子基盤などに使われる貴金属に含まれていると考えられているそうだ。

同工場の「流動ガス化炉・焼却溶解炉」の角度など砂が取り出しやすい条件もあって金や銀の回収に繋がったという。どうやら、ゴミ焼却炉ならドコでも金がとれると言うワケではないらしい。

都市でゴミとして大量に廃棄される家電製品などの中に存在する有用な資源(レアメタルなど)を鉱山に見立てた「都市鉱山」という言葉がある。

私は今回の取材を通して「都市鉱山」という言葉を初めて知ったが、街中のゴミ焼却炉が「金」の鉱山になるなんて驚きだ。尚、南清掃工場”工場見学”に関しては相模原市の公式サイトに詳細があります。興味のある方は是非、足を運んでみてはどうだろうか。

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南清掃工場
住所:相模原市南区麻溝台1524-1
電話番号:042-748-1133
相模原市の公式サイト(外部リンク)
地図(外部リンク)

取材協力:南清掃工場

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はらぺこライター

旅行好きのライター。各地に伝わる伝説や民話、古くから地元で大切にされているモノを親しみやすく紹介したい|地元で人気の食堂やレトロな喫茶店巡り|”思わずクスッと笑ってしまうような”珍スポット探し|目標は個性的でヘンテコな旅本の出版|フォローして頂けたら嬉しいです。

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