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【相模原市】食品ロスの問題について考えたい人におすすめ!「日本フードエコロジーセンター」の工場見学

旅人間はらぺこライター

はらぺこライターの旅人間です。今回は相模原市が主催するSDGsをテーマにしたプレス取材に参加して「株式会社日本フードエコロジーセンター」の工場見学に参加した。ここは社会問題になっている食品ロスや食品リサイクルについて全国的に注目を集めている施設だ。

ところで、「エコフィード」って言葉を知っているだろうか?

このエコフィードとは、環境の「エコ(eco)」と飼料を意味する「フィード(feed)」を併せた言葉のこと。同社では、多様な食品廃棄物を分別・破砕・殺菌・発酵処理して「液体状の飼料(リキッド発酵飼料)」を製造している。

ここで勘違いしてはいけないのは、同社で使用している食品廃棄物は、食品工場の製造ロスや、スーパー・コンビニなどの小売店で発生する売れ残り。要するに、家庭から出る生ごみや飲食店から出る食べ残しなどは一切使われていない。

実際に工場を見学してみると…

大きな容器にパン、野菜、餃子の皮などが大量にあり、トマトの缶詰を開けている様子も目に入った。これらは消費者の手に渡ることなく廃棄される運命となった食品たちの成れの果てである。

毎年節分の頃になると、恵方巻きの大量廃棄などがニュースで流れるが、工場見学に参加した瞬間を切り取ってみても、コレだけの量の食品が廃棄されている。ココに来ると色々と考えさせられる。

同社工場に運ばれた食品(食品循環資源)は、リキッド発酵飼料として生まれ変わる。そしてエコフィード(リキッド発酵飼料)で育った豚肉はブランド化されている。現在の代表的なブランドに「優とん」がある。

食品循環資源が大きなタンクに投入され、手作業で不適合物が紛れていないか確認し除去。そして液体原料を混合しながら粉砕し、水分率78%のスープ状に加工される。そして殺菌加工された後に契約農家に出荷されるという。

食品循環資源がタンクに投入される際も、栄養が偏らないようにバランスをとっているそうだ。例えば、野菜ばかりを入れてしまうとダイエットフードになってしまう。だから、栄養のバランスをとるため、野菜や肉類など交互に入れているのだとか。どのような食品が運ばれてくるか把握しているからこそ管理が出来る。

これが液体状の飼料だ。ニオイを嗅ぐと少し酸味を感じる。

人間が食べても大丈夫なのか?という質問には「問題ない」と回答があった。実際にスタッフの方は味を見る事もあるという。

一般的には、液体のままだと腐敗してしまう。だから乾燥させて…。と言う考え方が一般的だ。しかし同社の考えでは乾燥させると膨大なエネルギーコストがかかる。そうなると出来上がった飼料が輸入穀物より高くなり、結局はリサイクルは高くついて先細りしてしまう。

これを防ぐために研究をし、日本には古来から発酵と言う技術を活用した。そして完成したのがリキッド発酵飼料と言うワケだ。

尚、同社は2018年12月21日に第2回「ジャパンSDGsアワード 」最優秀賞を受賞している。

エコフィードで育った豚肉の代表的なブランド「優とん」は相模原市にある火焔山餃子房で「優とん餃子」が食べられる。実際に食べてみたが、豚肉の旨み、弾力がハッキリ分かり驚くほど美味しかった。

尚、同社への工場見学は「公式サイト(外部リンク)」からの事前申し込みが必要で所用時間は1時間30分程ほどが目安となる。食品ロスの問題について真剣に考えたい人にはおすすめだ。

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日本フードエコロジーセンター
住所:神奈川県相模原市中央区田名塩田1-17-13
電話番号:042-777-6316
公式ホームページ(外部リンク)

取材協力:株式会社日本フードエコロジーセンター

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はらぺこライター

旅行好きのライター。各地に伝わる伝説や民話、古くから地元で大切にされているモノを親しみやすく紹介したい|地元で人気の食堂やレトロな喫茶店巡り|”思わずクスッと笑ってしまうような”珍スポット探し|目標は個性的でヘンテコな旅本の出版|フォローして頂けたら嬉しいです。

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