12月29日は今年最後の「肉の日」

　12月29日は今年最後の「肉の日」。肉と言えば焼肉、焼肉と言えばやはり「タレ焼肉」に敵うものはないだろう。ここ数年の焼肉は肉質が格段に良くなり、より肉本来の味を楽しめるということからも、醤油とワサビで食べたり塩を振って食べさせるメニューが増えている。しかし焼肉の最大の魅力はやはりタレだ。

　肉の目利きやカットの技術、時には焼きの技術などで店の差は出るが、一番焼肉店の個性が発揮されるのは「タレ」。熱源が炭火なのかガスなのかを考え、店ごとに感じて欲しい肉の美味しさを引き出すために作られるオリジナルのタレこそ、焼肉店の真価が問われる最大のポイント。今回は年末の肉納めにぜひ食べて欲しい、東京都内でオススメのタレ焼肉を厳選してご紹介しよう。

タレ焼肉の絶対王者『焼肉ジャンボ 篠崎本店』（篠崎）

　創業は1988年と、35年にわたり東京の焼肉シーンを牽引してきた名店が『焼肉ジャンボ 篠崎本店』（東京都江戸川区篠崎町4-13-19）。都内や海外に店舗を展開するほか、焼肉界に革命を起こし続ける『よろにく』なども輩出。この店が日本の焼肉に与えた影響は計り知れない。

　秘伝のタレは甘さと辛さが絶妙なバランスで白飯が驚くほどに進む味わい。上質な肉の脂と合わせられることで、よりふくよかな旨味へと昇華していく。薄切りのサーロインをさっと炙って溶いた卵と合わせる、ジャンボ名物の「野原焼」はタレの甘味と卵が一体になる至福の瞬間を堪能出来る。

炭火の香りとタレの甘味の一体感『浅草 本とさや』（浅草）

　創業は1981年。40年以上にわたり浅草の路地裏で愛され続けている人気店が『浅草 本とさや』（東京都台東区西浅草3-1-9）。地元客や観光客はもちろん食通や芸能人までこの店を愛する人は幅広い。無煙ロースターの焼き台もあるが、この店ではやはり立ち上がる煙の中で肉を焼いてこそ、その魅力が最大限に発揮される。

　甘さの中にも醤油のキレ感のあるタレは、しつこさがないのでいくらでも食べ進めることが出来る。炭火の香りとタレの甘味の一体感は五感に訴えかける味わい。驚くほどに肉厚の「特上カルビ」や「上ハラミ」など、焦げ目がつくくらいに強めに焼けば白飯が秒速で消えていく。

スパイスが隠し味の唯一無二のタレ『焼肉つじむら 新宿本店』（新宿）

　2023年4月オープンの新店ながら、早くも人気を集めているのが『焼肉つじむら 新宿本店』（東京都新宿区西新宿7-4-7）。町焼肉のスタイルでありながら、高級焼肉店に負けずとも劣らない厳選した和牛をリーズナブルな価格で提供することで、焼肉マニアや食通の間でも注目されている店だ。

　稀少な牛テールやツラミ（頬肉）の厚切りなど、他の焼肉店にはあまり見られないメニューも豊富だが、やはりこの店の真骨頂はタレで食べるカルビやロース。野菜と果物の甘味をベースにしながらも、隠し味にスパイスを効かせることで唯一無二のタレが白飯にピッタリ。白飯も魚沼産コシヒカリ特別栽培米を使うこだわり。

　今回ご紹介した３軒は、いずれも東京の焼肉を食べ歩く上で欠かすことの出来ない店ばかり。いずれも人気店なので予約は必須となるが、ぜひとも今年最後の肉の日に、極上の美味しい焼肉を満喫して欲しい。

※写真は筆者によるものです。

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