ワールドシリーズ優勝のドジャースからFAになるのは!? テオ、フレアティ、キーケー、ビューラー…
ワールドシリーズ優勝を飾ったロサンゼルス・ドジャースは、来シーズンも、MVPトリオを擁する。
一塁手のフレディ・フリーマンと外野手のムーキー・ベッツとは、それぞれ、6年1億6200万ドル(2022~27年)と12年3億6500万ドル(2021~32年)の契約を交わしている。大谷翔平の契約は、10年7億ドル(2024~33年)の1年目が終わったところだ。
フリーマンのMVPは、アトランタ・ブレーブス時代の2020年。ベッツは、ボストン・レッドソックス時代の2018年に選出された。大谷は、ロサンゼルス・エンジェルス時代の2021年と2023年に続き、今年が3度目の受賞となるはずだ。
また、捕手のウィル・スミスも、大谷と同じく、今シーズンから10年契約がスタートした。こちらの総額は、1億4000万ドルだ。
スミスとバッテリーを組み、大谷とともに、来シーズンのローテーションに並ぶ、タイラー・グラスナウと山本由伸は、来シーズンが長期契約の2年目。それぞれの契約は、5年1億3656万2500ドル(2024~28年)と12年3億2500万ドル(2024~35年)だ。
一方、まもなく、ドジャースからFAとなる選手も少なくない。外野手のテオスカー・ヘルナンデスとケビン・キアマイアー、内外野を守るユーティリティのキーケー・ヘルナンデス、先発投手のジャック・フレアティとウォーカー・ビューラー、リリーフ投手のブレイク・トライネン、ダニエル・ハドソン、ジョー・ケリーがそうだ。彼らのうち、キアマイアーは、今年限りで引退することを表明している。
【追記:11/1】
ハドソンも、引退を表明した。
この他に、先発投手のクレイトン・カーショウは、年俸500万ドルの選手オプションを行使して残留しそうだが(「カーショウの現役続行でドジャースは来年のローテーション5枠目まで確定!? グラスナウ、大谷、山本…」)、遊撃手のミゲル・ロハスと控え捕手のオースティン・バーンズは、選手オプションではなく球団オプションなので、ドジャースが行使しなければ、FAとなる。それぞれのオプションは、今シーズンの年俸と同額。ロハスが年俸500万ドル(解約金100万ドル)、バーンズは年俸350万ドルだ。
ドジャースは、FAになった選手のうち、テオスカーには、クオリファイング・オファーを申し出るだろう。これは、それまで在籍していた球団が提示できる1年契約だ。受け入れなかった選手が他球団と契約を交わした場合、提示していた球団はドラフト指名権を得る(提示していないと補償はなし)。ちなみに、選手がクオリファイング・オファーを受け入れなかった場合も、再契約は可能だ。フレアティは、シーズン途中に移籍したので、クオリファイング・オファーの対象にはならない。
テオがクオリファイング・オファーを受け入れることは、まずない。今オフのクオリファイング・オファーは、年俸2105万ドル。昨オフ、テオとドジャースが交わした契約は、1年2350万ドルだ。この契約には、大谷らの契約と同様に繰り延べ払いが含まれているが、その額面は、今オフのクオリファイング・オファーを上回っている。
しかも、テオの代理人である、リパブリック・スポーツのラファ・ニエベスによると、昨オフ、シアトル・マリナーズからFAになったテオは、3年契約を望んでいたが、市場の動向を鑑みて、勝てる球団と1年契約を交わすことにしたという。ということは、今オフは、2年以上の契約を求めると思われる。今シーズンの33本塁打や出塁率.339、OPS.840などは、昨シーズンを大きく凌いだ。例えば、ホームランは、昨シーズンより7本多く、それまで自己最多だった2021年の32本を超えた。
2年契約なら、ドジャースが呼び戻してもおかしくない気がする。ただ、こちらもFA市場に出る外野手、ホアン・ソト(ニューヨーク・ヤンキース)を手に入れようとするなら、話は違ってくる。それについては、テオとソトの比較も含め、こちらで書いた。
◆「ドジャースは今オフにFAのソトを手に入れようとするのか。その場合、こちらもFAのテオスカーは…」
ドジャースがめざすのは、今世紀初のワールドシリーズ連覇だ。1998~2000年に3連覇のヤンキースを最後に、2年続けてワールドシリーズ優勝は途絶えている。
なお、ドジャースのリーグ連覇は、1952~53年、1955~56年、1965~66年、1977~78年、2017~18年の5度を数える。それらのうち、1955~56年と1965~66年は、どちらも、ワールドシリーズ優勝→ワールドシリーズ敗退だ。あとの3度は、2年続けてワールドシリーズで敗れた。
ヤンキースからFAになる選手については、こちらで書いた。