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ワールドシリーズ優勝を逃したヤンキースからFAとなるのは、ソトの他に誰と誰と…!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
J.チザムJr.、A.バーデューゴ、J.ソト、A.ジャッジ Oct30,2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ニューヨーク・ヤンキースは、15年ぶりにワールドシリーズへ進んだ。けれども、最初の3試合に敗れ、そこから、1勝しか挙げることができなかった。ワールドシリーズでは、0勝3敗から4連勝だけでなく、0勝3敗から2連勝のチームすら皆無だ。今年のヤンキースも、前例を覆すことはできなかった。

 今オフ、ヤンキースの最優先事項は、FAとなるホアン・ソトとの再契約だろう。昨オフのFA市場において、大谷翔平(現ロサンゼルス・ドジャース)がそうだったように、今オフのFA市場にソト以上の選手は――少なくとも野手には――いない。

 ソトの他にも、ヤンキースからは、二塁手のグレイバー・トーレス、外野手のアレックス・バーデューゴ、リリーフ投手のクレイ・ホームズトミー・ケインリーティム・ヒルジョナサン・ローアイシガがFAとなる。また、一塁手のアンソニー・リゾー、リリーフ投手のルーク・ウィーバールー・トリビーノは、来シーズンが球団オプションだ。

 ヤンキースは、トーレスに再契約を申し出るかもしれないが、トーレスの要求がそれを上回るなら、深追いはしない気がする。夏のトレードでマイアミ・マーリンズからジャズ・チザムJr.を獲得した時、ヤンキースは、トーレスを二塁から三塁へ移し、チザムJr.に二塁を据えようとした。だが、MLB.comのブライアン・ホークによると、トーレスがポジションの変更を嫌がったという。そのため、チザムJr.は、マイナーリーグでも未経験の三塁を守ることになった。

 FAとなる三塁手には、アレックス・ブレグマン(ヒューストン・アストロズ)がいる。新たな内野手が加わらなくても、ヤンキースは、若手のオズワルド・ペラーザオズワルド・カブレラのどちらか、あるいはジョン・バーディを、二塁もしくは三塁に起用することができる。

 バーデューゴとの再契約は、見送りそうだ。ソトが残留すれば、外野は、ジェイソン・ドミンゲスアーロン・ジャッジ、ソトの3人で埋まる。控えは、トレント・グリシャムだ。ソトが去った場合、ヤンキースは、バーデューゴよりもパワーのある外野手を探す可能性が高い。今オフにFAとなる外野手のうち、アンソニー・サンタンデア(ボルティモア・オリオールズ)、テオスカー・ヘルナンデス(ドジャース)、タイラー・オニール(ボストン・レッドソックス)は、今シーズン、30本以上のホームランを打った。それぞれ、44本、33本、31本だ。バーデューゴのシーズン最多本塁打は、13本(2021年、2023年、2024年)に過ぎない。

 リゾーは35歳。近年のスタッツは、低下している。昨シーズンが99試合で12本塁打と出塁率.328、今シーズンは92試合で8本塁打と出塁率.301だ。それに対し、球団オプションは、年俸1700万ドル(解約金600万ドル)。ヤンキースは、オプションの行使よりも、解約金を支払うことを選ぶはずだ。

 一方、ヤンキースがウィーバーの球団オプションを行使することは、まず間違いない。リリーフ投手に転向した今シーズンは、62登板で84.0イニングを投げ、奪三振率11.04と与四球率2.79、防御率2.89。シーズン終盤とポストシーズンは、クローザーを務めた。球団オプションは、年俸250万ドルと安い。ちなみに、このオプションの金額は、今シーズンのイニングに応じて段階的に増えることになっていたが、最低でも100イニングを投げる必要があった。先発投手としてのイニング設定だった、ということだ。

 ドジャースからFAになる選手については、こちらで書いた。

「ワールドシリーズ優勝のドジャースからFAになるのは!? テオ、フレアティ、キーケー、ビューラー…」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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