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カーショウの現役続行でドジャースは来年のローテーション5枠目まで確定!? グラスナウ、大谷、山本…

宇根夏樹ベースボール・ライター
クレイトン・マッカーラ(左)とクレイトン・カーショウ Oct 6, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 10月14日、クレイトン・カーショウ(ロサンゼルス・ドジャース)は、リーグ・チャンピオンシップ・シリーズ第2戦の前に、FOXスポーツのプレ・ゲーム・ショウに出演し、来年も投げるつもりでいることを明らかにした。

 カーショウは、左足親指の骨棘により、離脱している。ここから、ドジャースがワールドシリーズに進んでも、ロースターに入ることはないはずだ。

 来年3月に、37歳の誕生日を迎える。「投手三冠」を含む5度の最優秀防御率や3度のサイ・ヤング賞など、すでに殿堂入りの切符は手にしていると言っていい。2020年には、ワールドシリーズ優勝も経験した。いつ引退しても、不思議ではない。

 現在の契約は、今シーズンが年俸500万ドル、来シーズンは年俸500万ドルの選手オプションだ。そこには、パフォーマンス・ボーナス(出来高)がついている。このオプションを破棄してFAになった場合、自宅近くに本拠を構えるテキサス・レンジャーズに入団する可能性はゼロではないものの、過去2度のオフと同じように、ドジャースと再契約を交わすと思われる。プロ入り以来、カーショウは、ドジャース一筋に過ごしてきた。

 ドジャースにいる先発投手のうち、ジャック・フレアティウォーカー・ビューラーは、今オフにFAとなる。ギャビン・ストーンは、今月初旬に肩の手術を受け、来シーズンは全休の見込みだ。

 それでも、カーショウが残留すれば、ローテーションの5枠目までが埋まるように見える。タイラー・グラスナウ大谷翔平山本由伸、カーショウに、トニー・ゴンソリンの5人だ。ゴンソリンは、昨年9月にトミー・ジョン手術を受けた。2023年は103.0イニングで防御率4.98ながら、2022年は130.1イニングで防御率2.14を記録している。2年前のシーズンに100イニング以上の140人中、ゴンソリンより防御率が低い投手は、1.75のジャスティン・バーランダー(ヒューストン・アストロズ)しかいなかった。

 5人の他にも、ドジャースには、ボビー・ミラーランドン・ナックジャスティン・ウロブレスキーダスティン・メイといった先発投手がいる。彼らは、いずれも、27歳以下だ。また、実現の可能性は不透明ながら、リリーバーのマイケル・コペックは、9月にポッドキャストの「ファウル・テリトリー」にリモートで出演した際、いつか先発投手に戻りたい、と語っていた。

 とはいえ、万全のローテーションなのかどうかには、疑問も残る。大谷とゴンソリンは、肘の手術からの復帰シーズンとなる。9月にAAAで3登板のゴンソリンと違い、大谷は、まだ試合で投げていない。グラスナウは、怪我が多く、今シーズンの134.0イニングが自己最多。カーショウと同じく、今年のポストシーズンは登板できない。カーショウも、規定投球回に達したのは、2019年が最後だ。山本は、今シーズン、長期離脱を余儀なくされた上、中4日以下の登板がなかった。

 ここ2シーズンとも、ドジャースで145イニング以上の投手は皆無だ(フレアティのような、他チームとドジャースで計145イニング以上は除く)。来シーズンは、5人ではなく6人のローテーションとすることも考えられる。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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