防御率1点台のリリーフ投手と交換に原石のマイナーリーガーを獲得する。放出はもったいない!?
11月20日、クリーブランド・ガーディアンズは、イーライ・モーガンをシカゴ・カブスへ放出し、その見返りとして、アルフォンシン・ロザリオを獲得した。
モーガンは、来年5月で29歳のリリーバーだ。メジャーリーグ4年目の2024年は、32登板の42.0イニングで防御率1.93を記録した。FAになるのは2027年のオフなので、獲得したカブスは、あと3シーズン(2025~27年)、モーガンを保有できる。
ロザリオは、来年6月に21歳の誕生日を迎える。ポジションは外野。センターをメインとしている。昨年のドラフトで6巡目・全体176位指名を受け、8月にルーキークラスで9試合に出場。2024年は、Aで109試合に出場し、打率.230と出塁率.344、16本塁打と20盗塁、OPS.767を記録した。
原石と言ってもいいマイナーリーガーと交換に、ガーディアンズがモーガンを手放したのは、もったいないようにも見える。
ただ、2024年のガーディアンズには、40イニング以上を投げて防御率1.95未満のリリーバーが5人いた。モーガン以外の4人は、クローザーのエマニュエル・クラッセが74登板の74.1イニングで防御率0.61、ハンター・ギャディスが78登板の74.2イニングで防御率1.57、ケイド・スミスが74登板の75.1イニングで防御率1.91、ティム・ヘリンが75登板の65.2イニングで防御率1.92だ。
5人とも、FAにはなっていない。このなかで、モーガンの防御率1.93は最も高く、奪三振率7.29は最も低い。また、クラッセが47セーブを挙げ、ギャディス、スミス、ヘリンがそれぞれ15ホールド以上――3人合わせて77ホールド――を記録したのに対し、モーガンは3ホールド(0セーブ)。ガーディアンズがリードされている状況での登板が、全体の約3分の2を占めた。
ここ3シーズンのモーガンの防御率(イニング)は、3.38(66.2)→4.01(67.1)→1.93(42.0)と推移している。スタットキャストによると、2024年はそれまでと違い、チェンジアップよりもスライダーを多投していて、これが防御率を下げた可能性もあるが、奪三振率は9.72→10.02→7.29だ。4シームの平均球速は、92マイル台と速くはない。
ちなみに、カブスで40イニング以上&防御率1点台は、39登板の43.0イニングで防御率1.88のポーター・ホッジしかいなかった。