「目標は立てないほうがうまくいく?」残念な上司が見逃している重大な事実 ~目標設定5つの原則~
「目標なんて立てても意味がない。いや、目標なんてないほうがいい」
この言葉を聞くたびに、私は昔の上司を思い出す。彼は営業部長だったが、目標管理を嫌い、部下たちに「目標に縛られるな」と言い続けた。
たしかに短期的には成果が出ているように見えた。しかし1年後、部署の売上は急落。なぜなら目標がないため部下たちは自分の判断で「行きやすいところ」にしか足を運ばず、「やりやすい案件」だけを選んでいたからだ。
この上司が「目標なんて立てても意味がない」と言い続けた理由は、単に目標の立て方を知らなかったからだ。立て方を知らないから、目標を決めることから逃げただけだった。
(目標の立て方は分かっているが、あえて立てない、という姿勢ならともかく)
勘違いしている人が多いが、目標は便利なツールだ。「地図」と似ていて、ないと迷子になることが多い。
だから目標設定の基本原則を知っておこう。仕事でも私生活でも成果を出しやすくなる。今回は「絶対達成」をコンセプトに20年以上コンサルティングをしてきた私が、目標設定のポイントについて解説していく。
ビジネスパーソンはもちろん、受験勉強中の学生や資格試験を目指す主婦の方々にも役立つ内容だ。ぜひ最後まで読んでもらいたい。
■目標設定の基本原則~SMARTの法則~
目標設定の世界的スタンダードが「SMARTの法則」である。一度や二度、耳にしたことがあるだろう。これは目標が満たすべき5つの条件の頭文字を並べたものだ。
・S(Specific):具体的である
・M(Measurable):測定可能である
・A(Achievable):達成可能である
・R(Relevant):目的に関連している
・T(Time-bound):期限が決まっている
この5つの条件を満たすことで、目標は夢や願望ではなく、実現可能なゴールへと変換する。それでは、一つ一つ解説していこう。
■具体的であること
まず第一の原則は「具体的であること」だ。抽象的な表現は避け、誰でも同じイメージを持てるような表現にすることが大切。たとえば
「とても高い塔へ行け」
だと抽象的すぎる。しかし、
「東京スカイツリーへ行け」
と具体的に示せば、誰もが間違えようがない。数字で表現できることが最も分かりやすいが、そうでなくても、具体的にイメージできるものを目標に設定しよう。
個別具体的なものを示すことができなくても、「コミュニケーションが理解できる本を読む」ではなく、「分かりやすく伝える方法、対人関係をよくする傾聴の方法、相手の頭を整理するための質問の方法が理解できる本を読む」とすれば具体化される。
■測定可能であること
第二の原則は「測定可能であること」だ。目標が達成できたかどうかを、誰が見ても判断できる形にしなければならない。
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