人間の「得意な感覚」を活用した驚きのコミュニケーション技術② ~聴覚優位編~
実のところ人間には3つの「得意な感覚」がある。その感覚によって情報の理解の仕方が異なっているのだ。この「得意な感覚=優位感覚」を知り、活用することで、コミュニケーションの質を大きく向上させることができる。
今回は「聴覚優位」編だ。理屈っぽい人、融通がきかなそうな人にどう話したらいいのか、徹底解説していく。
※「視覚優位」編はこちら!
<目次>
■聴覚優位の人の見分け方
(1)論理思考
(2)言葉(コンテキスト)に敏感
■聴覚優位の人に伝わる「話し方」3つのスタイル
(1)具体的な固有名詞や数字を使う
(2)フレームワークを活用する
(3)枕詞や接続詞を意識する
■鉄板フレームワークは「ホールパート法」
■話の「繋がり」や「流れ」をスムーズにするコツ
■まとめ
■聴覚優位の人の見分け方
それでは聴覚優位の人にどんな話し方をすべきか? そのスタイルについて解説していこう。まずは聴覚優位の人をどのように見分けるかについてだ。主な特徴は以下の2つである。
(1)論理思考
(2)言葉(コンテキスト)に敏感
聴覚優位の人は、論理思考が高い。
音楽の旋律が途中でバラバラになると違和感を感じるように、彼らは情報や指示が順を追って整理されていることを重要視する。だから理屈に合ってないこと、筋が通っていないことを言われると「その気」にならない。
たとえば社長から
「こういう未来を描きたいんだ。協力してくれ」
と熱く語られても、以前言っていたことと異なっているなら反論したくなる。
「半年前に言っていたことと繋がらないですよね」
「それじゃあ筋が通らないと思います」
また、ゴールまでのプロセスや具体策がハッキリしないときも異を唱えるだろう。
「具体的にどのような手順でやりますか?」
「今実践している●●を諦めない限り、ムリだと思います」
次に、言葉(コンテキスト)に敏感であることも覚えておこう。
「後はうまいことやってくれ」
と言えば、
「うまいことって、どういうことですか?」
と質問してくる。体感覚優位の人なら「分かりました。うまいことやっておきます」と調子を合わせるのだが、それができない。たとえ質問しなくても、頭に引っかかり続ける。
「うまいことやるって、どういうことなのか?」
何となく理解する、感覚的に受け止める、ということが苦手だ。コンテキスト、文脈にも敏感だ。「流れ」を重視するからだ。音楽でいえば、曲全体が調和していることが心地よく感じられるのと同じである。
だから突然脈絡もないことを言われたり、会話が途中で脱線したりすると頭が整理できなくなる。自分視点で言いたいことを思いつくままに話されると、
「結局、何が言いたいのかよく分からなかった」
「今日の打合せは何だったのか? 意味が分からない」
という印象を抱く。
聴覚優位の人は、どちらかというと「頭でっかち」「理屈っぽい」と思われることが多いだろう。感覚的ではなく、頭で理解しようとするので、どうしても言葉や文脈に変換したがる。そのため即断即決は避ける。
「何となくわかるだろ。もう決断してくれ」
と言っても、
「そう言われても、すぐに決断できません。判断材料が足りないですから」
と言い返してくる。強引に押し切ろうとすれば、不信感を植え付けることになるだろう。
■聴覚優位の人に伝わる「話し方」3つのスタイル
それでは聴覚優位の人に対してどんな話し方をしたらいいのか。聴覚優位の人に伝わる話し方として、3つのスタイルを紹介しよう。
(1)具体的な固有名詞や数字を使う
(2)フレームワークを活用する
(3)枕詞や接続詞を意識する
聴覚優位の人に伝わる「話し方」、最初に紹介するスタイルは、具体的な固有名詞や数字を使うことだ。
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