子どもの安全を守るために親ができる5つのこと(5歳児編)~元保育士パパが教える【子どもの安全】
子どもの安全は親や大人が守らなければなりませんが、いつまでも親が子どもの近くにいて守ってやれるわけではありません。子どもに「自分で自分の身を守る」ことを教えるのも、親が子どもの安全を守るために大切な役割の1つですが、5歳児は小学校入学を見据えて家庭で安全教育をすることが大切です。
子どもの安全を守るために親ができることを年齢別に解説していますが、今回は5歳児編です。子どもが理解できるような伝え方を解説します。
ほかの年齢については、以下の記事をお読みください。
「子どもの安全を守るために親ができる5つのこと(0歳児編)~元保育士パパが教える【子どもの安全】」
「子どもの安全を守るために親ができる6つのこと(1歳児編)~元保育士パパが教える【子どもの安全】 」
「子どもの安全を守るために親ができる5つのこと(2歳児編)~元保育士パパが教える【子どもの安全】」
「 子どもの安全を守るために親ができる4つのこと(3歳児編)~元保育士パパが教える【子どもの安全】」
「子どもの安全を守るために親ができる3つのこと(4歳児編)~元保育士パパが教える【子どもの安全】」
5歳児の特徴
5歳児の一般的な特徴を紹介します。子どもの成長・発達には個人差がありますので、お子さんとは少し発達の度合いが異なるかもしれません。参考としてお読みください。
5歳児の特徴① 身体・運動機能の発達
体力や筋力が著しく発達し、長い距離を歩けるようになったり歩く速度が速くなったりします。身体能力の発達によって跳び箱、鉄棒、マット運動、ボール遊び、縄跳びなどいろいろな運動を積極的に楽しめるようになるでしょう。また、ルールを理解する力も伸び、リレー、サッカー、ドッジボールなどのルールを理解して楽しめるようにもなります。公園ではブランコ、ジャングルジム、雲梯、登り棒などの高度な遊具を使いこなせるようにもなるでしょう。
手先や指先がより器用になり、ハサミで複雑な線を切ったり、折り紙や粘土、廃材などさまざまな材料を使い、いろいろな作り方をしたりできるようになります。
高度な運動ができるようになることでケガをするリスクも生じますが、注意力が発達するため周りをよく見たり自分の能力を把握したり、危険を回避する力も身に付くでしょう。
5歳児の特徴② 言葉・知能の発達
語彙が豊富になり、大人とほぼ対等な会話ができるようになります。考える力や記憶力も発達するので、なぞなぞやしりとり、連想ゲームなどの言葉遊びを楽しむこともできるでしょう。
文字に対する興味や関心が出てきて、ひらがなや数字を書いたり読んだりしようとする子もいます。
大きさ・量・重さ・高低などの区別ができたり、誕生日を記憶したり、虫や車の種類などを豊富に覚えたりすることもあるでしょう。
季節、日にちや曜日、年などもほぼ理解できるので、経験した出来事などを時系列も含めてしっかりと人に伝えることもできるようになってきます。
5歳児の特徴③ 社会性・基本的生活習慣
我慢する力や協調性など社会的に必要な力や思いやりの気持ちが育ちます。また、人が喜ぶことや嫌がることなどを考える力も育ち、感情をある程度コントロールできるようにもなっていくでしょう。
基本的生活習慣では気温に応じて衣服の調節をしたり、うがいや汗の始末をしたり、言われなくても身の回りのことを自分で気づいて行うことができるようにもなる年齢です。
食事では、こぼさずに食べられるようになるだけではなく食事のマナーもしっかりと身に付き、配膳や掃除も自分でできるようになります。
5歳の子どもの安全を守るために親ができる5つのこと
幼稚園や保育園への通園は親が送迎したり通園バスに乗ったりして行きますが、小学校に入学すると自分の足で歩いて行きます。学校の行き帰り以外にも、友だちの家に遊びに行ったり自転車に乗ったりすることもあるでしょう。そのため、事故に遭ったりケガをしたりしないよう小学校の入学前に交通ルールや注意点をしっかりと理解し、守れるようにすることが必要です。
「子どもの安全を守るために親ができる3つのこと(4歳児編)~元保育士パパが教える【子どもの安全】」では子どもが自分で自分の身を守る意識が育つような関わり方を3つ紹介しましたが、5歳児も同様です。子どもに安全教育をする際には、「理由を伝える」「考えさせる」「経験させる」の3つを意識しましょう。さらに、5歳児には次の5つを実践してください。
5歳の子どもの安全を守るために親ができること① 小学校への通学路を一緒に歩く
家から小学校までの距離は家庭によってさまざまですが、登下校は親から離れて歩いていく子がほとんどでしょう。入学前に親と一緒に通学路を歩いてみる家庭が多いと思いますが、その際は道順の確認だけではなく、信号や横断歩道がある場所やルールも確認しておくことが大切です。また、危ない場所や注意すべき点なども親子でしっかりと確認しましょう。
歩道がない細い道、車から死角になりやすい道、交通量が多い交差点など特に気を付けて歩くべきポイントを抑えることで、子どもは毎日の登下校でより気を付けて歩くことができます。
5歳の子どもの安全を守るために親ができること② 交通ルールを伝える
5歳になれば交通ルールをしっかりと覚えている子が多いですが、知っていることと実践できることは異なります。たとえば「信号が青になったら渡ってもよい」ということは理解していても、実際は「青になったらすぐに渡るのではなく、車が来ないかどうか左右の確認をしてから渡る」ことが大切です。しかし、青になったらすぐに渡り始める子が多いでしょう。
また、横断歩道を渡る際は「右を見て、左を見て、もう1度右を見て渡る」ということを知っていても、実際はキョロキョロ首を振るだけの子もいます。ただ左右を見るだけではなく、しっかりと首を伸ばして車が来ないかどうか遠方の確認をすることが大切なのです。実際に道路でやってみることで、ただ首を左右に振るだけでは車がよく見えないということに気付くと思います。
実際に道路を歩きながら、ルールを実践することで理解が深まり、危険度を実感することができるでしょう。
5歳の子どもの安全を守るために親ができること③ 不審者への注意を伝える
学校の行き帰りや子どもだけで出かけるときには、不審者への注意も不可欠です。不審者への注意を呼びかける防犯標語「いかのおすし」を覚えることが効果的です。
「いかのおすし」とは
「いか」…知らない人について行かない
「の」…知らない人の車に乗らない
「お」…大声を出す(怖い目に遭ったら、大きな声を出して助けを呼ぶ)
「す」…(怖い人に会ったら)すぐ逃げる
「し」…知らせる(怖い目に遭ったり怖い人を見かけたりしたら、大人の人に知らせる)
「知らない人」とは「家族以外の人」と教えましょう。顔なじみの友だちのお母さんから送って行ってあげると言われてもすぐ車に乗らず、親の確認を取ることが大切です。確認が取れなければ、車に乗らず断ることを教えましょう。知っている人も疑わなければならない世知辛い世の中は悲しいですが、友だちのお母さんが犯罪者である可能性は0ではありません。親同士の連絡の行き違いからトラブルになることもあります。
5歳の子どもの安全を守るために親ができること④ 健康管理について伝える
自分の身は自分で守ることはケガの防止だけではありません。「家に帰ったら手洗い、うがいをする」「気温に応じて衣服を調節する」「汗をかいたら着替える」など、親がいなくても自分で健康管理ができるよう、日頃から声をかけましょう。
5歳の子どもの安全を守るために親ができること⑤ 予期せぬことが起きることを伝える
安全だと思って安心しているときに予期せぬハプニングが起こり、危険につながることもあります。常に緊張して過ごしたりハプニングの事例を全て想定したりすることは困難ですが、予期せぬ出来事が起こるものだと理解しておくことは、何かが起こったときに慌てずに済む心構えにつながるでしょう。そして、何かあったときに咄嗟に行動できるかどうかということも重要です。子どもの事故や事件のニュースが起きたとき、「どうしたらよいかな?」と親子で話し合って解決策を考えておくことも有効な対策になります。
まとめ
5歳児では、4歳児までの内容に加えて小学校入学後のことを想定した内容をたくさんお伝えしました。心配し過ぎるのも考えものですが、過信が油断につながり事故を引き起こすこともあるため、念には念を入れることも大切です。小学校に入ると親がずっと一緒に入れないので、入学までに伝えられることを伝えることは親の大切な役目でもあります。入学後も引き続き子どもの様子を見ながら、折に触れて安全教育を継続していきましょう。