Yahoo!ニュース

子どもの安全を守るために親ができる3つのこと(4歳児編)~元保育士パパが教える【子どもの安全】

hirofuminice元保育士Webライター

子どもの安全は親や大人が守らなければなりませんが、子どもがケガをしないように過保護でいることが子どもを守ることではありません。親が四六時中一緒にいられるわけでないため、子ども自身に「自分の身は自分で守る」力を身に付けさせることが親の務めではないでしょうか。

子どもの安全を守るために親ができることを年齢別に解説していますが、今回は4歳児編です。保育園や幼稚園では年中クラスになる4歳の子どもは、親の言うことがよく理解できる年齢です。その反面、親の言うことを素直に聞けないこともあるでしょう。子どもの安全を守るために、親が心がけるとよいことを解説します。ぜひ参考にしてください。

ほかの年齢については、以下の記事をお読みください。

4歳児の特徴

4歳児の一般的な特徴を紹介します。子どもの成長・発達には個人差がありますので、お子さんとは少し発達の度合いが異なるかもしれません。参考としてお読みください。

4歳児の特徴① 身体・運動機能の発達

4歳児では運動機能や脳機能がさらに発達し、「ケンケンパー」「スキップ」などの複雑な運動もできるようになります。ボールの扱いも上手になり、投げるだけではなくキャッチできたり上手にサッカーをしたりするようになるでしょう。「走りながらボールを蹴る」など、異なる2つの動きも段々とできるようになっていく年齢です。

手先や指先の機能も発達し、ハサミでカーブや複雑な線を切ったり、少し高度な折り紙を折ったりすることもできるようになります。

4歳児の特徴② 言葉・知能の発達

4歳児は、自分の思ったことを言葉にして伝えることができるようになる年齢です。わからない言葉もたくさんありますが、新しい言葉をどんどん吸収したりわからないことを質問したりする時期でもあります。

知能も発達し、朝昼晩や現在・過去・未来などの時系列や、曜日・月・年などの認識もできるようになるでしょう。

4歳児の特徴③ 社会性・基本的生活習慣

4歳児は精神的にも大きな成長が見られ、自制心が発達して少しずつ我慢ができ、自意識の芽生えにより自分と他人をしっかりと区別できるようにもなります。思いやりの気持ちも育ち、親が大変そうにしていると心配したり手伝ったりすることもあるでしょう。その反面、賢くなった分自分の都合が悪いことは隠したり嘘をついてごまかしたりすることができるようにもなります。

基本的生活習慣はほぼ自立し、自分のことは一通りできるようになる時期です。「ありがとう」「ごめんなさい」など状況に合わせた挨拶を、自分から進んで日常の挨拶ができるようにもなります。

4歳児の特徴④ “4歳の壁”

4歳の壁”という言葉を聞いたことがあるでしょうか。“4歳の壁”とは大脳の発達に伴い、認知機能が成長することで訪れる自分自身の変化に戸惑い、不安定になる現象のこと。4歳児は心身の成長に反して、低年齢の頃に戻ってしまったような幼い行動をとってしまう様子が見られることがあります。親が手を焼く場面もありますが、成長の過程の一時期のことだと受け止め、温かく見守りましょう

4歳の子どもの安全を守るために親ができる3つのこと

公園や商業施設のキッズスペースなど外出先で子どもが遊ぶ機会があれば、4歳の子どもも親がそばにいて見守ることが必要です。しかし、少し離れた場所で見守ることもあるでしょう。そして家の中では子どもから離れて家事をすることができるようになり、四六時中一緒にいることはなくなると思います。

運動神経や注意力、理解力が増すことでケガの心配は3歳以下に比べると少なくなりますが、過信が油断につながって思わぬ事故が起きることもあるため、大人も子どもも油断は禁物です。そして、理解力が増した4歳児だからこそ、ケガに気を付けて遊ぶ意識が育つよう子どもに安全意識が育つような関わりを心がけましょう。

4歳の子どもの安全を守るために親ができることとして、子どもが自分で自分の身を守る意識が育つような関わり方を3つ紹介します。

4歳の子どもの安全を守るために親ができること① 理由を伝える

子どもに危ないことをしないように伝えるときに、ただ「~したらダメ」と禁止事項を伝えるだけになっている人がいると思いますが、危険なことをしてはいけないと子どもに教えるときには、理由をしっかりと伝えるようにしましょう。

「ダメ」と言われるとかえってやりたくなった経験はありませんか?また、理由がわからなければダメだと言われたことでも楽しそうだと「やりたい」という気持ちが勝ってしまうこともあるでしょう。

「お友だちが大勢いるところでは、ぶつかりやすいから走らないでね」「ベランダの柵に上ると、落ちてしまうかもしれないからやめようね」など、「その行為をするとこんな危険があるからやってはいけない」ということを、子どもが理解できるように伝えましょう。

4歳の子どもの安全を守るために親ができること② 考えさせる

やってはいけないことを伝えるときに親が全て言ってしまうのではなく、子ども自身に考えさせるように心がけることも大切です。「道路に飛び出すとどうしていけないの?」「ブランコのそばを通るときは、どうしたらよいと思う?」などと子どもに質問をして、子ども自身が考えるようにしましょう。子どもは自分で考えることで、より理解することができ、忘れないようになります。以前伝えたことをもう一度言うときにも、「なんだったっけ?」と質問し、子ども自身が思い出せるようにすることも有効です。

4歳の子どもの安全を守るために親ができること③ 経験させる

親の話を聞いたり自分で考えたりするだけではなく、実際にヒヤリとした経験をすることも非常に大切です。実際に経験することで、子どもは「危ない」ということを実感します。

しかし敢えて危険なことを経験させるというのも難しいため、子どもが公園などで遊んでいるときに危ない場面があったら、周りに迷惑をかけたり大ケガにつながったりするほどの危険がなければすぐに声をかけずに見守るのも1つの方法です。少し見守ってから、いよいよ危ないという場面で声をかけ「今危なかったね」「どうすればよかったと思う」など子どもに質問したり、危なかったことを伝えたりして経験とともに理解できるように心がけましょう

子どもが泣きだしたり興奮したりしているときは、落ち着くまで待つことも必要ですが、できるだけそのときに話をすると子どもはより実感し、理解することができます。

まとめ

親の話をよく理解でき、自分で物事を考えることもできるようになる4歳児は、安全面に限らず「親が伝えること」と「自分で考えること」の両方を意識するようにしましょう。そして、幅広い経験を積むことも大切です。失敗したり間違えたりすることで学び、理解し、成長していくことがたくさんあります。あまり制限をし過ぎずに、子どもがのびのびと体験し、生き生きと成長していけるような環境や機会を工夫してください。

元保育士Webライター

元保育士で、現在はフリーランスとしてWebライターのほか、リトミックや親子遊びの指導など幅広く活動しています。保育士やリトミック指導のスキルや知識、父親としての子育て経験を基に、子育てや保育に関する情報を発信していきます。

hirofuminiceの最近の記事