子どもの安全を守るために親ができる5つのこと(0歳児編)~元保育士パパが教える【子どもの安全】
子どもが小さいうちは、転倒や落下、誤飲、窒息、交通事故などさまざまな危険が伴います。生まれてから数年は少し目を離したすきにケガをしたり最悪の場合命にかかわる危険な状態になったりすることもあるので、特に注意が必要です。
親が子どもの安全を守るために必要な注意事項や心掛けるべきポイントを解説します。今回は0歳児編です。
0歳児の特徴
子どもの成長・発達には個人差がありますが、特に小さい年齢では同じ月齢でも、発達の度合いは子どもによって違います。我が子をほかの子と比べて発達が遅れているのではないかと不安に思う人もいますが、心配し過ぎず発達には個人差があることを念頭に置いて考えるようにしましょう。
ここでは、一般的な0歳児の特徴を紹介します。我が子の月齢と照らし合わせて、発達の目安にしてください。
1~2カ月
- 生後間もない1~2カ月の赤ちゃんはまだ首がすわらず、1人で座ることはできない。
- 「あー」「うー」など単語を伸ばす“クーイング”と呼ばれる発声をしたり、空腹時や眠いときなどに泣いたりして感情を表現する。
- ミルクを飲んだりオムツを取り替えてもらったりして、心地よさや満たされるという感情を経験し、親への信頼感が形成されていく。
3~4カ月
- 自分の手を見つめたり手足を口に入れてみたりして、自分の手足を認識する赤ちゃん特有の“ハンドリガード”というしぐさが見られるようになる。
- おもちゃなどを握って動かせるようになる。
- 首が安定してくると、腹ばいの姿勢になり顎を上げることができるようになる。
- 名前を呼ばれたり音が聞こえたりすると聞こえてきた方向を向くこともある。
- 泣く以外にも感情表現が豊かになり、笑顔も多く見られるようになる。
- クーイングから少し成長し、喃語を話し始める子もいる。
5~6カ月
- 寝返りを打てるようになり、首がすわって安定してくる。
- 首がすわると横向きから縦の抱っこやおんぶができるようになる。
- 目と手が協応するようになり、目で見えたものの距離感を図り、手でつかむことが少しずつできるようになる。
- 身近に関わる人の区別が段々できるようになる。
- 認知能力が発達し、“いない いない ばあ”などの遊びで喜ぶ。
- 手でつかんだ物はなんでも口に入れて確かめようとする。
7~8カ月
- 不安定ながら1人で座ることもできるようになったり、“ずりばい”を始めたりする。
- 座ることができると両手が使えるので、1人で遊べるようになる。
- 睡眠のリズムが徐々に整う。
- 喜怒哀楽の表現がより豊かになり、嬉しさや不快感が伝わりやすくなる。
- 慣れない人に対して人見知りが始まり、泣くこともある。
9~10カ月
- ずりばいから発達し、ハイハイをして移動するようになる。
- いろいろなものに興味や関心を抱き始め、興味があるものを見つけると積極的にハイハイで移動する。
- ハイハイのやり方にも個人差があり、お尻を上げて進む“高ばい”を好む子や、座ったまま両手を床についてお尻を持ち上げながら移動する子がいる。
- ハイハイをほとんどしないままつかまり立ちに移行する子もいる。
- 喃語が増え、活発に声を出す場面が増える。
- 安定して座り、自由に動けるようになることで1人遊びを楽しめるようになる。
11~12カ月
- “つかまり立ち”や“つたい歩き“をしたり、歩き始める子もいる。
- 指先の機能も発達し、ものをつかむだけではなく、小さいものをつまむことなどができるようになる。
- 視力が0.1以上になり、周りのものがよく見えるようになるため、興味深く周りをキョロキョロ見回す様子が増える。
- 大人が言うことを少しずつ理解できるようになり、大人が言うことを喃語で真似することもある。
- 「ちょうだい」というように手を出したり、指を差したりすることも少しずつできるようになる。
0歳児の安全面で留意すべき5つのこと
一般的な0歳児の特徴を踏まえて、安全面において注意すべきことを5つ紹介します。
0歳児の安全面で注意すべきこと① 窒息
首がすわる前の生後6カ月ごろまでは寝ていることがほとんどです。すやすやと寝息を立ててぐっすりと寝ているからと子どもから離れることもありますが、その間にかけていた毛布やタオルケットなどが顔にかかり、窒息してしまうこともあります。かけているものが顔にかかっていないか、かかりそうではないかよく確認し、長時間離れることがないようにしましょう。
また、うつぶせ寝をしていて窒息してしまうこともあります。寝返りが打てるようになると、仰向けに寝せていたのにいつの間にかうつぶせになっていたり、寝返りを打ったときに毛布が顔にかかったりすることもあるので、寝ているときもこまめに様子を見ましょう。
0歳児の安全面で注意すべきこと② 落下
寝ていることが多い時期は転倒する危険はありませんが、落下する危険はあります。床に直敷きした布団かマットの上や柵が付いたベビーベッドに寝ていれば安心です。しかし、少しの間のつもりでソファーに寝かせて親が少し離れたすきにソファーから落ちてしまったり、少しの間のつもりで柵を下ろしたまま離れたすきに落下したりするケースもあります。「少しだけ」と思っても落下するのは一瞬のことなので、短時間でもそばを離れるときは落下する危険のない状態に寝かせるようにしてください。
0歳児の安全面で注意すべきこと③ 転倒
首がすわって1人で座れるようになっても、まだ姿勢が安定せずひっくり返ってしまうことがあります。つかまり立ちや伝い歩き、歩行ができるようになると、転倒する危険性はさらに増すので要注意です。子どものそばから離れないことが1番ですが、やむを得ずそばを離れるときは転倒する危険のない状態にしましょう。ベッドや柵の中に入れるのは、閉じ込めるように可哀そうに感じますが、安全第一です。親がそばにいられる安全なときにたくさん動けるようにして、離れるときは安全な状態を確保し、できるだけ早く戻るように心がけましょう。
0歳児の安全面で注意すべきこと④ 衝突
ハイハイや歩行など動けるようになると、転倒だけではなく衝突の危険性も出てきます。家の中でも壁や棚、テーブルにぶつかったり、外出先ではほかの子にぶつかったりする可能性もあるでしょう。子どもの近くにいて目を離さないことが1番ですが、家の中ではぶつかっても怪我をしないようテーブルや棚の角に柔らかい素材のカバーをするなどの対策を考えましょう。
0歳児の安全面で注意すべきこと⑤ 誤飲・誤嚥
物をつかんだりつまんだりできるようになると、手でつかんだものをなんでも口に入れてしまうので誤飲の危険性も高まります。「飲み込めるほどの小さいものを子どもの手が届く場所に置かない」「片付ける」などの注意が必要です。また、食事の際に食べ物が誤って器官に入ってしまう誤嚥(ごえん)の危険性もあります。食事の時間はできるだけ余裕をもち、食べ物を口の中にたくさん詰め込まないなどの配慮を忘れないでください。
まとめ
0歳児の安全面で注意すべきことを解説しました。子どもにケガをさせないように安全対策をすることは、親の務めです。しかしケガを恐れてあまりにも子どもの動きを制限してしまうと、成長や発達の妨げにもなります。安全面に配慮することは大前提ですが、子どもの身体的発達を妨げることなくさらに伸ばしていけるような援助や関わりを心掛けましょう。