ミートソースとボロネーゼは違う? 今さら聞けないパスタの秘密
パスタは数百種類もある?
日本人も大好きな「パスタ」。戦後の日本では「スパゲッティ」や「マカロニ」など数えるほどしか種類が無かったパスタだが、今では様々な種類のパスタを楽しむことが出来る。『一般社団法人 日本パスタ協会』によれば、現存するパスタの種類は500種類以上あるとのこと。
「スパゲッティ」や「フィットチーネ」などの「ロングパスタ」や、「マカロニ」「ペンネ」などの「ショートパスタ」は馴染みがあるだろう。他にも団子状の「ニョッキ」や板状の「ラザニア」もパスタ。中に詰め物が入った「ラビオリ」もパスタ。「パスタ=pasta」とは「小麦粉などを練ったもの」という意味の言葉なのだ。
本場イタリアではパスタについて厳格なルールが法律で定められており、乾燥パスタに関してはデュラム・セモリナ100%と水のみしか使用出来ない。一方日本の場合「日本農林規格(JAS)」によれば、デュラム・セモリナ100%の規定はなく、卵などを使うことも許されている。
ミートソースとボロネーゼは違う?
大人から子供まで大好きな「ミートソース・スパゲッティ」。最近では「ボロネーゼ」とメニューに書かれている店も増えている。「ボロネーゼ」はその名の通り、イタリア・ボローニャ発祥の料理で、フランス料理の「ラグー(煮込み)」をヒントに考案されたもので、イタリアでは伝統的にタリアテッレと合わせる。
一方「ミートソース」はアメリカから日本に伝わり独自の進化を遂げたソースで、ひき肉と野菜を炒めるなど基本的な製法は「ボロネーゼ」と近いが、「ボロネーゼ」がトマトペーストやワインなどを使って仕上げるのに対して、「ミートソース」はトマトケチャップやソースなどで濃厚に仕上げ、スパゲッティと合わせる。
ナポリタンは横浜のホテルで生まれた?
「ミートソース」と並んで日本のスパゲッティの定番なのが「ナポリタン」。この「ナポリタン」も日本で生まれたメニューで、イタリア・ナポリ発祥ではない。その発祥には諸説あるが、一説によれば1927(昭和2)年に横浜で開業した『ホテルニューグランド』で生まれたとされている。
戦後GHQに接収されていた『ホテルニューグランド』。2代目総料理長の入江茂忠氏が、スパゲッティに塩胡椒とトマトケチャップを和えたものを進駐軍の米兵たちが食べているのを知って、トマトソースにハムやマッシュルームなどを加えて考案したのが「スパゲッティーナポリタン」だ。
カレー、ラーメン、洋食など日本人は海外の食文化を取り入れて独自の料理に仕上げる食文化がある。イタリアのパスタに納豆や明太子を乗せる自由な発想。これからもイタリアにはない日本ならではのパスタが生まれてくることだろう。
※写真は筆者の撮影によるものです。
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