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バルサと「クライシス」の本質。必要な解決策とタイトル獲得の行方。

森田泰史スポーツライター
ジローナに敗れたバルセロナ(写真:ロイター/アフロ)

連敗を、避けられなかった。

バルセロナはリーガエスパニョーラ第16節でジローナに敗戦。またチャンピオンズリーグ・グループステージ最終節ではアントワープに敗れ、2連敗を喫した。

筆者作成
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■レヴァンドフスキの不調

バルセロナは調子を落としている。その要因は、いくつかある。第一に、ロベルト・レヴァンドフスキの不調だ。

レヴァンドフスキは昨季、33得点を挙げてチーム内得点王になった。ゴール期待値(31.05)に対して【+1.95】という上出来のパフォーマンスだった。

一方、レヴァンドフスキは今季、ここまで9得点をマークしている。だがゴール期待値(11.29)に対して【-2.29】と数字が落ち込んでいる状況だ。

ゴールに向かうレヴァンドフスキ
ゴールに向かうレヴァンドフスキ写真:ロイター/アフロ

「時々、チームメートのサポートを受けられないことがある」と今季開幕前に語っていたのはレヴァンドフスキ自身だ。

「ペナルティーエリア内にいるのは、判断をする時のテンポをつかむために、非常に有効なんだ。だけど、時には、シュートを打つ場面以外でも僕を使って欲しい」

中盤で心蔵部分を担うペドリ
中盤で心蔵部分を担うペドリ写真:ロイター/アフロ

レヴァンドフスキがバルセロナでゴール欠乏症に陥る理由については、以前、このコラムで述べた。シャビ・バルサでは、CFのタスクが多過ぎるのだ。

■中盤の再構成

次に挙げるなら、中盤の組み方だ。

バルセロナは11月のインターナショナルウィークで、ガビがスペイン代表の試合で負傷した。今季絶望の見込みで、シャビ・エルナンデス監督は中盤の再構成を強いられた。

他方で、ペドリ・ゴンサレス、フレンキー・デ・ヨングが負傷から復帰。彼らとイルカイ・ギュンドアンを中盤で組ませることが可能になった。

バルセロナでプレーするデ・ヨング
バルセロナでプレーするデ・ヨング写真:なかしまだいすけ/アフロ

バルセロナは昨季限りでセルヒオ・ブスケッツが退団した。この夏、その代役として、ジョシュア・キミッヒ(バイエルン・ミュンヘン)、マルティン・スビメンディ(レアル・ソシエダ)を狙っていた。しかしながら、財政の問題を抱えるクラブが、獲得できたのはオリオル・ロメウだった。

今季開幕時、ロメウはアンカーのポジションでスタメンを張っていた。だが徐々にシャビ監督からの信頼を失い、ギュンドアン、デ・ヨング、ペドリが重宝されるようになった。

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■鍵を握る中盤と4番のポジション

バルセロナにとって、中盤は鍵になるゾーンだ。

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スポーツライター

執筆業、通訳、解説。東京生まれ。スペイン在住歴10年。2007年に21歳で単身で渡西して、バルセロナを拠点に現地のフットボールを堪能。2011年から執筆業を開始すると同時に活動場所をスペイン北部に移す。2018年に完全帰国。日本有数のラ・リーガ分析と解説に定評。過去・現在の投稿媒体/出演メディアは『DAZN』『U-NEXT』『WOWOW』『J SPORTS』『エルゴラッソ』『Goal.com』『WSK』『サッカーキング』『サッカー批評』『フットボリスタ』『J-WAVE』『Foot! MARTES』等。2020年ラ・リーガのセミナー司会。

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