米陸軍の新型中距離ミサイルLRHWの緑色塗装のキャニスターが初公開
7月17日、アメリカ陸軍は実戦配備間近の新しい中距離ミサイルである極超音速兵器「LRHWダークイーグル」の新しい写真を公開しました。撮影日は6月24日となっています。LRHWは3000km級の射程を持つ中距離弾道ミサイル相当の兵器で、弾頭部分が大気の上層部を水切り石のように跳ねながら飛ぶ極超音速滑空体となっています。
US Army's Hypersonic Weapon Battery Joins Resolute Hunter Exercise, Marking Army First | DVIDS
- 用語説明:キャニスター(ミサイルが入ったコンテナ。ポッドとも呼ぶ)
LRHW発射機にキャニスターを搭載する様子
左がLRHW発射機、右はキャニスター装填作業用の車両
左がLRHW発射機で、右はキャニスター装填作業を行っているコンテナハンドラー重機のカルマーRT240です。コンテナハンドラーをクレーンとして使用しています。
これまで公開されてきたLRHW発射機はキャニスターを含めて塗装は砂漠用迷彩色でしたが、今回の演習で公開されたキャニスターは緑色の塗装となっています。LRHWは展開予定地域が東アジアおよびヨーロッパであり、中東方面に配備する予定が無いので、迷彩塗装は植生に合わせて緑色となります。今後の量産型の発射機の塗装も緑色になるでしょう。
LRHW発射機の起立状態
発射前にはトレーラーからトラクターヘッドを切り離す
LRHWの実戦配備は予定よりもやや遅れています。ただしミサイル自体は最近の2024年6月28日に飛行試験に成功しており、問題があるわけではありません。LRHWの問題は発射機のシステムの不具合にあり、これが解消されたら実戦配備と量産開始となります。
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※LRHW/CPSの実機のミサイルが初公開されたのは2022年11月3日(2022年6月30日撮影)。弾頭のC-HGB(共通極超音速滑空体)については模型などは公開済みであるものの、実機の公開は未だにない。