梨泰院事故 "ウサギ帽の男性"が韓国テレビに出演「自分の顔をネットで晒した人すべて訴える」
梨泰院雑踏事故の"犯人"とされてきた「ウサギ帽の男性」が韓国の番組に出演した。
「事故後の報道に怒り」「警察に対し、事故当時そこにいなかった証拠を提示」「警察は"押せ"といった人物を捕まえようと躍起」といった発言が大きな関心を集めている。
出演したのは5日に放映されたSBSのドキュメンタリー番組「それが知りたい」。放映後、韓国最大のポータルサイト「NAVER」上では関連記事が35本近くアップされるなど関心の高さを感じさせた。
- 5日にあったオンエアの予告編
10月29日の事故直後から韓国のSNSやユーチューブ上でこういった噂・証言が多く見られてきた。
「5~6人の男性の集まりが人を押し始めた」
「(その中心人物と見られる)ウサギ帽の男が”押せ”と言い始めた瞬間に、周囲も押し始めた」
「そこから”下がれ”の声が”押せ”に変わった」
さらに該当男性は髪型が「センター分けのパーマ」だったとも。
韓国警察はこれら証言を重要視。事件翌日から340人体制の捜査体制を組むなかで、当日その場にいた人たちの提供動画や、監視カメラの動画を収集し、徹底分析してきた。捜査の重要ポイントと見られてきたのだ。
そこで実際に取り調べを受けたのが「ウサギ耳の男」とされたA氏。日本でもすでに報じられてきた通り、氏は10月29日22時15分の事故発生時には「現場にいなかった」と主張している。警察側には自身の交通系ICカードの乗降記録(21時55分に梨泰院駅から乗車)や、友人とのカカオトークの交信記録を提出したという。
5日の番組ではA氏はさらに取り調べの内容を公表。「警察とともに監視カメラの映像を確認した」と明らかにした。
「自分の姿が確認できたのは、事故現場の前方でした。この場所は人が押し寄せ、移動速度が落ちてはいたが、問題なくその場を抜けられるほどでした」
韓国メディアで大きく取り上げられたのは、A氏が「犯人」と特定されたことへの怒りだ。氏は番組でこうコメントしている
「当然、あの事故とその後の報道により、自分とその周囲は大きな怒りを覚えた。だからよりその犯人を見つけ出してほしい気持ちが大きい」
「ネット上で自分の顔をモザイク無しで晒した人物、屈辱的な言葉でののしった人物をすべて訴えた」
いっぽう韓国警察側は、現場からの複数の証言を基に「押せ」といった人物は別にいると見て捜査を続けているようだ。
A氏は番組でこうコメントした。
「警察、そこで働く刑事の方々も今の雰囲気は"押せ"といった男を捕まえるという点に集中している印象」
また「国民日報」など複数メディアは、韓国警察が「A氏の他に”押した”との疑いが提起される人物に対しても身分確認を行っている」と報道している。
"ウサギ耳の男"以外に"犯人"がいるのだろうか。今後の捜査の行方に注目が集まっている。
【参考記事】筆者による
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