Yahoo!ニュース

キャリアハイ更新中! tripleS VV 新曲「Hit The Floor」で伝えたいこととは?

「多いな~」

客席の韓国人のファンがメンバー登場直後にそう呟いた。

今回のユニットは12人。やっぱり現地でもそう見られてるんだーー。

10月24日、韓国ソウルの広津区で行われたK-POP24人組ガールズグループtripleSのユニット「tripleS Visionary Vision(ヴィジョナリー・ヴィジョン=VV)」のショーケースを見てきた。グループ8番目のユニットによる楽曲のものだ。

「Hit the Floor」

この楽曲がタイトル曲のアルバム「Performante」をお披露目するイベント。16時からのメディア向けのものに出席し、その後、20時からのファン向けのショーケースまで現場で目にした。

何せK-POPガールズグループ最多の24人グループ。今回のユニット「Visionary Vision(VV)」とて12人のメンバーがいる。

やっぱり人数が多いというだけでもとにかく楽しい。密度が濃い。大人数が全力でパフォーマンスをしている姿を見ただけでも「新しいものを見た」という爽快感が込み上げてくる。そんな時間だった。

ジヨン「きっと好きになっていただける」

なんでもこの楽曲、24日のリリース初日にCDの売り上げが21万枚を記録。これは「K-POPガールグループユニットCD発売初日最大販売量更新」なのだという。さらに売り上げは1週間で37万枚にまで達している。

なーんてことはさておき、23日のショーケース@ソウルはまたしても規格外のステージとなった。

今回選抜された12人は、ダンスをメインにファンからの投票によって選ばれたものだ。実際にヘリンが「ファンの皆様の貴重な投票のおかげでいまここに立てています」と発言している。

さらにジヨンはこうも。

「今回結成されたVision@ry Visionは、初めてのダンスユニットです。24人のステージもホントにいいものなのですが、12人のコンビネーション、そしてパワフルなエネルギーを見ていただけると、きっと好きになっていただけると思います」

20時からのファン向けのショーケースに先がけて行われるメディアショーケース。ここでもっとも核心的な内容はもうなんと言ってもこの点だ。

「結局、その楽曲でリスナーに伝えたいことは何?」

これをメンバーの口から直接聞ける。で、今回のタイトル曲「Hit the Floor」で言いたいことは何? ナギョンがこれを説明した。

「少女たちに対する偏見、特に外見を通して持たれる偏見を打破し、倒れても再び立ち上がって証明していくという物語を描きました」

同世代を応援するメッセージソング。いっしょに頑張ろう。あるいは上の世代に対して「私たちはこう生きている」と伝える楽曲。これをHIPHOPで強いパフォーマンスのダンスとともに伝えている。筆者はそう理解した。

サビ部分は最近のK-POPに多い「英語のみの歌詞」だ。「Hit the Floor」とは「床を叩く」から転じてスラングとして「激しいダンスをする」という意味もある。

いっぽう、楽曲のはじまりではこういった内容を歌っている。

高慢と偏見 

私の美しさ 外見だけを見て私たちを判断しないで

あなたの目には私がありふれた子どもたち

でもしょうがない 私たちは白鳥の子どもたち

tripleS VV 「Hit The floor」 Jaden Jeong

この「HIT THE FLOOR」について、日本人メンバーのリンはこう思いを口にしていた。

「小さい頃からかなりHIPHOPが好きなので、今回このディメンション(ユニット)に加われて嬉しいです。今回はラップのパートを担当することになりました。私は外国人なので、レコーディングの時には発音に気を遣ってきたのですが、今回は特に発音もそうですし、リズム感、イントネーション、そういったものに同時に気をつけて、何度か録り直しましたね」

前述の通り、この楽曲は発売初日に21万枚を売り上げ、「K-POPガールグループユニットCD発売初日最大販売量更新」を記録。これは同時に「グループのキャリアハイ」でもあるという。所属事務所側は10月30日に韓国メディア向けにプレスリリースを発行し、「今年5月に発売したtripleS24人組メンバー全員のアルバム『ASSEMBLE 24』の初動販売量約15万枚を1日で上回る数字」と伝えている。

メディア向けのショーケースではまた…筆者の方からがっつりと韓国語で「日本のこと」を聞いておいた。

今回、日本人メンバーとして選抜された残りの二人が韓国語で質問に答えてくれた。

―9月の日本のプレデビューショーケースはホントにすごかったです。どんな思い出がありますか? またこれを通じて変化・成長した点とは?

コトネ:変化した点というよりかは、地域(国)ごとにファンの違いがあるように感じます。韓国のファンの方々はどちらかというと静かに公演を観てくださるのですが、日本のファンはきゃーっと騒ぎながら観てくださるなと感じました。声が大きかったですね。そういう部分もありますし、なんだか表情が見えるなという感じがしました。それぞれの(国や地域の)ファンの皆様にいいところがあるな、と感じました」

カエデ:私も韓国のファンの方々はどちらかというと静かで、日本のファンの方々はお会いすると「キャーっ」と声を出して騒いでくださる感じがします。そうでありながら、照れるしぐさも見せてくださるんですよね。そういう点がとてもかわいいと思います。

20時からのファンショーケースもこれまたすごかった。

何せ2階席に陣取った「残りの12人」が応援したり、時にかわいいブーイングを浴びせたりと大騒ぎ。ステージ上の12人もまた冗談で「降りてこい」と言ってみたり…。

あと、コトネがすごかった…。韓国人メンバーもいるなかで、めちゃくちゃたくさん韓国語で喋るわ、喋る。楽曲を披露し終わった後、息を切らせながら「はあ はあ しんどいです。見たら分かるとおもいますけど…」と韓国語で喋っているのを見て、ホントに驚いた。

この「Hit The Floor」の記録更新&キャリアハイに続き、tripleSは11月30日に韓国インチョンで行われる「MMA2024」のラインナップに加わった。(G)I-DLE、aespa、IVE、QWERも立つステージに登場する。どんどん成長していっている、というところだ。

全員白い衣装&ショートカットでキリっと! 当日の別カット=メンバー全員分はこちら(韓国トレンド研究所)

吉崎エイジーニョ ニュースコラム&ノンフィクション。専門は「朝鮮半島地域研究」。よって時事問題からK-POP、スポーツまで幅広く書きます。大阪外大(現阪大外国語学部)地域文化学科朝鮮語専攻卒。20代より日韓両国の媒体で「日韓サッカーニュースコラム」を執筆。「どのジャンルよりも正面衝突する日韓関係」を見てきました。サッカー専門のつもりが人生ままならず。ペンネームはそのままでやっています。本名英治。「Yahoo! 個人」月間MVAを2度受賞。北九州市小倉北区出身。仕事ご依頼はXのDMまでお願いいたします。

吉崎エイジーニョの最近の記事